AEカメラ
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ベル&ハウエルエレクトリックアイ127、1958年。ポラロイドEE44、1976年。

AEカメラ(エーイーカメラ)は、露出を自動で行なう機能(英語: Automatic Exposure)をもつ写真機である[1]絞りシャッター速度(シャッタースピード)を自動的に制御し、被写体の明度に応じた露光が得られるようにする機能をAE機能(エーイーきのう)と呼ぶ[1]。この種の写真機については、ほかにも、自動露光調節式カメラ(じどうろこうちょうせつしきカメラ)、自動露出カメラ(じどうろしゅつカメラ)とも呼ぶ[1]。当初は、EEカメラ(英語: Electric Eye の略、「電気の眼」の意)と呼ばれた[2]

AEは、大別して、

シャッター速度優先AE ⇒ 概要略歴

絞り優先AE ⇒ 概要略歴

プログラムAE ⇒ 概要略歴

がある。
種類別分類

AEの方式は、露出の2大要素である「絞り」と「シャッター速度」のうちどれをカメラに自動制御させるかによっていくつかの方式に分かれており、これを「露出モード」という。一般的に採用されている露出モードは以下の通りのものがある。
シャッター速度優先自動露出

S/Tv モード、あるいはシャッター優先オート、シャッター速度優先AEとも言われる。設定したシャッター速度を基準とし、そのシャッター速度に応じて絞りを自動的に変える事で適正な露出値を得る。被写界深度よりも露光時間による効果を重視する場合、あるいは手ブレを防止したい場合に有効である。

一般的な使用例

高速シャッターを使用し、動体を止めて撮影する場合 - スポーツ、自動車・航空機、動物・野鳥、水しぶきなどの撮影。

高速シャッターを使用し、手ぶれを防止する場合 - 自動車の車内、艦船の船内、不安定な岩石の上、揺れの激しい場所などでの撮影、望遠レンズによる手持ち撮影、撮影者が激しく動きながらの撮影など。

低速シャッターを使用し、流感・軌跡などの表現をする場合 - 噴水・川・滝などの流れ、自動車・列車・艦船・航空機・遊園地のアトラクションなどの移動照明による軌跡、歩いている人の動感表現など。

低速シャッターを使用し、流し撮りをする場合。

絞り値優先自動露出

A/Avモード、あるいは絞り優先オート、絞り優先AEとも言われる。設定した絞りを基準とし、その絞りに応じてシャッター速度をAE機能が自動的に変える事で適正な露出値を得る[3]。絞り値を調節し、被写界深度を意識した撮影をする場合に有効である[3]

一般的な使用例

絞りを開けてポートレート撮影 - 被写界深度を浅くすることで背景をぼかして被写体を浮き立たせる効果がある。

絞りを開けて暗所での手持ち撮影 - シャッター速度が速くなるため手ブレしにくくなる。

適切な絞り調節による接写

絞りを絞ってパンフォーカス撮影 - 被写界深度を深くすることで画面全部にピントが合っている状態にする。

プログラム自動露出

Pモード、プログラムオートとも言われる[4]。シャッター速度・絞りの両方を一定のプログラムを元にして割り振ることで、適正な露出値を得る[4]。あらかじめ決められた絞り・シャッター速度の組み合わせをグラフにしたものをプログラムライン図という。絞り・シャッター速度の中間的な露出をすばやく決めたいときに有効である。

一般的な使用例

スナップ撮影

プログラム露出の方式は2種類存在する。一つは、あるEV(フィルムに対する明るさ)に対して1つのシャッター速度と1つの絞りが決まっている方式で、もう一つはEVが同じになる絞りとシャッターの組み合わせを自由に変更できる方式である。前者はシャッター機構を簡単に作ることができ、複雑な操作も不要になるため現在のコンパクトカメラなど初心者向けのカメラではもっとも一般的な露出機能である。後者は高度な写真表現を可能とするが、機構はほかの露出モードやマニュアル露出と同様のものを必要とするため、他の露出方式とともに一眼レフカメラに搭載されることが多い。後者の方式において、絞りとシャッター速度の組み合わせを変えることをプログラムシフトと呼ぶ。

なおプログラム自動露出機構は、24×36mm(ライカ)判コンパクトカメラ、24×36mm(ライカ)判一眼レフカメラ、110フィルム用カメラ、デジタルカメラ以外にはほとんど搭載されない。


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