8マン
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「エイトマン」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「エイトマン (曖昧さ回避)」をご覧ください。

8マン(エイトマン)
ジャンルSF漫画SFアニメ
漫画:8マン
原作・原案など平井和正
作画桑田次郎
出版社講談社

その他の出版社
東邦図書出版社、秋田書店大都社リム出版
扶桑社、マンガショップ/パンローリング

掲載誌週刊少年マガジン
レーベルサンデーコミックス、扶桑社文庫、他
発表号1963年20号 - 1965年13号
アニメ:エイトマン
原作平井和正
監督河島治之
シリーズ構成河島治之
脚本平井和正、加納一朗桂真佐喜
豊田有恒半村良、大貫哲義
キャラクターデザイン桑田次郎
音楽萩原哲晶
アニメーション制作TCJ
製作TBS
放送局TBS系列
放送期間1963年11月7日 - 1964年12月24日
話数全56話
その他1964年12月31日は特別番組
『さよならエイトマン』を放送。
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『8マン』(エイトマン)は、平井和正桑田次郎によるSF漫画、および同作品を元に制作されたSFアニメ、およびそれらに登場する主人公の名前である。ヒット作である一方、作者のトラブルにより突如打ち切りになった。

漫画版は『週刊少年マガジン』(講談社)に1963年20号から1965年13号まで連載された。テレビアニメ版は1963年11月7日から1964年12月24日までTBS系列局で放送。全56話。漫画版の表記は数字入りの「8マン」であるが、テレビアニメ版の表記は全てカタカナの「エイトマン」である[1]
8マンの誕生の経緯

凶悪犯・デンデン虫[2]の奸計にはまって射殺された(アニメ版では車で轢き殺された)刑事・東八郎(あずま はちろう)。東は、その人格と記憶が科学者・谷方位(たに ほうい)博士[3]によってスーパーロボットの電子頭脳に移植され、警視庁捜査一課にある7個捜査班のいずれにも属しない八番目の男「8マン」として甦った。平時は粋なダブルの背広姿の私立探偵・東八郎だが、ひとたび事件が起き、田中課長[4]から要請を受けると8マンに変身し、数々の難事件・怪事件に立ち向かう。

8マンのボディは、谷博士が国外から持ち込んだ戦闘用ロボット08号[5]である。ハイマンガンスチール製の身体、超音波も聞き取れる耳、通常の壁なら透視できる「透視装置」の付いた眼、最高3,000km/hで走れる能力(加速装置)を持ち、原子力ウラニウム)をエネルギー源とする。漫画版では眼から紫外線を放つこともできる(魔人コズマ篇)。電子頭脳および超小型原子炉のオーバーヒートを抑えるため[6]ベルトのバックルに収めてある「タバコ型冷却剤(強加剤)」を定期的に服用しなければならず、時には服用できずに危機に陥ることがあった。
漫画
製作の経緯、舞台裏

当時の『週刊少年マガジン』(以下、少年マガジン)の看板作品で、テレビアニメ化もされた。平井と桑田のコンビで本作が連載されるまでには、次のような経緯があった。

少年マガジン編集会議で、手塚治虫の『鉄腕アトム』を越えるようなロボット漫画を連載することが決定(この段階で、『東京鉄仮面』なる仮題が与えられていたという説もある)。その開発を命ぜられたのが、後に編集長となる内田勝だった。

内田によると、平井と知り合ったのは、『SFマガジン』の編集長の福島正実が少年マガジンで連載を持っていたのが発端で、福島がSF同人誌宇宙塵』主宰の柴野拓美(小隅黎)に声をかけ、柴野がさらに『宇宙塵』の同人だった平井を少年マガジンに紹介したという。

一方、平井はSF作家矢野徹の紹介だとしている[7]

新しいロボット漫画の原作は、コンペティションによって選ばれることになっていた。『SFマガジン』の原稿料の安さに作家専業になることに難しさを感じていた平井も、内田から声がかかると原作料に惹かれ参加し『8マン』を提出。先行する『鉄腕アトム』とも『鉄人28号』とも異なる、「変身能力」「加速性能」というオリジナリティが受け入れられて採用された。本作は、平井の漫画原作家としてのデビュー作になる。

平井の原作を元に作画を行う漫画家も、原作と同様にオーディションで決定された。その中には、少女漫画から転向して間もない松本零士もいたが、オーディションであることを知った時点で辞退したという[8][9]。選ばれた桑田は、講談社の『少年クラブ』で『月光仮面』を連載したことがあり、シャープでスマートな描線だったことから選定された。

「8人目の刑事で8マン」というネーミングは、当時TBSで放送されて人気だった刑事ドラマ七人の刑事』を踏まえたものだった[10]。『8マン』以後も、平井と桑田は『超犬リープ』『エリート』『デスハンター』『鋼鉄魔人』と、コンビを組んで作品を発表している。

連載中に桑田が拳銃不法所持による銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)違反で逮捕されたため、連載は急遽打ち切りとなった。打ち切りとなった回(「魔人コズマ篇」最終回。1965年〈昭和40年〉13号)は、連載当時、桑田のアシスタントであった楠高治[11]小畑しゅんじが代筆している。このため、「魔人コズマ篇」は単行本に収録されることはなく、長らく幻のエピソードとなっていた。ただし、読み切り作品としては、連載終了後も幾度か『週刊少年マガジン』と『別冊少年マガジン』に掲載されている。打ち切り直前の回では東八郎がエイトマンであるとさち子が知るシーンがあったが、これが描かれたのは打ち切りが決まる前なので最終回を意識しての展開ではない。

原作の平井は、1968年から1969年にかけて元警官のサイボーグを主人公とした小説『サイボーグ・ブルース』を発表している。これは元々8マンの小説化が転じたものであり、単行本の後書きでは「8マンが打ち切られなかった場合、スーパーロボット技術のルーツである超古代文明遺産の争奪戦になる予定だった」と述べている。1976年(昭和51年)には「魔人コズマ篇」の最終回のみの小説版をSF雑誌『奇想天外』に発表した(後に『ウルフランド』に収録)。

1989年平成元年)から1990年(平成2年)にかけて、リム出版より全7巻で完全版の単行本が出版された。このとき、幻となっていた最終回も収録されている。これは、小説版を基に桑田が描き下ろした(代筆版は未収録)ものである。この単行本は50万部以上[12]売れる大ヒットとなり、リム出版は、その余勢を駆って本作のリバイバルブームを仕掛け、実写映画化なども行った。ただし結果的にそれらはことごとく失敗、その影響でリム出版も経営破綻した。
登場人物

リム出版(完全復刻版)による。
8マン
仮の姿
私立
探偵、東八郎(あずま はちろう)。生前も同じ名前であった(職業は刑事)。仕事の依頼は少なく、第1話でさち子が給料の心配をしているほど。ただし、依頼が多過ぎると本業である「警視庁の秘密捜査官」の活動に差し支えが生じる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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