5か国防衛取極5か国防衛取極
Five Power Defence Arrangements
FPDA加盟国。西から順に英馬星豪新の各国。
略称FPDA
設立1971年4月16日
設立者
イギリス
オーストラリア
ニュージーランド
マレーシア
シンガポール
種類集団安全保障
法的地位軍事同盟
目的反共
会員数5ヶ国
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5か国防衛取極[1](ごかこくぼうえいとりきめ、英:Five Power Defence Arrangements、略称:FPDA)は、1971年に締結されたイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、シンガポール間の軍事同盟。加盟国はいずれもイギリス連邦加盟国である。形式的には5か国それぞれが締結した二国間の取極であるため、英語名称は複数形となっている。 1967年7月、イギリスはマレーシアとシンガポールに駐留させていた軍を1970年代半ばまでにすべて撤退させることを公表した。そして、経済状況の悪化に伴い、翌1968年1月にはスエズ以東からの軍事的撤退を1971年末までに前倒しすることを決めた[2]。しかし、当時はインドネシアで9月30日事件が発生した事により政情が不安定で、またインドシナ半島ではベトナム戦争が勃発するなど冷戦の「熱戦」化が進行していた。そこで、北ベトナムや中国といった共産主義の脅威に対抗すると共に、まだ独自の防衛力が十分ではないマレーシアやシンガポールの安全保障を確保するため、イギリス軍に加えて、それまでにも駐留していたオーストラリア軍やニュージーランド軍が引き続き両国の防衛に協力することとなり、仮に両国が第三国からの脅威や攻撃を受けた場合は、他締約国(主にイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、すなわちANZUK
背景
そして、イギリス極東軍の空白を埋めるため、シンガポールにおいて兵力7000人のANZUK軍地上部隊が発足した。また、マレーシアのペナン州バターワースにあるバターワース空軍基地
は1957年以来、オーストラリア空軍の管理下にあった。そして、同基地にはマレーシア・シンガポール両国をカバーする統合防空システムが設けられているほか、オーストラリア空軍の戦闘機・爆撃機も配備された。しかし、両国の発展に伴い本取極の役割は徐々に縮小していった。ANZUK軍の地上部隊については、1974年にオーストラリア、1976年にイギリス、そして1989年には最後まで残っていたニュージーランドも部隊を引き上げた。バターワース空軍基地は1988年6月末をもって完全にマレーシア空軍へ移管した。
ただし、現在も同基地にはオーストラリア空軍のP-3C対潜哨戒機が駐留している。また、1991年以来、5か国の国防相は3年ごとに会合を開いている。さらに、1997年の香港返還などを契機に、本取極の役割が見直され、再び合同軍事演習が積極的に行われるようになった。
とくに2010年代後半以降、イギリスはスエズ以東からの軍事的撤退以来のアジア回帰への動きを強めていることから、本取極の一層の役割拡大を目指している[3]。
脚注^ この取極の日本語表記はまちまちで、防衛省防衛研究所 『東アジア戦略概観 2010』では「5カ国防衛取り決め」、外務省の「最近のシンガポール情勢と日・シンガポール関係」(2013年)では「五カ国防衛取極」、防衛省 『 ⇒平成26年版 防衛白書』(2014年)では「5か国防衛取決め」としている。外交上の arrangement(s) の訳語には一般に「取極」を用いるので、本記事ではできるだけ平易な表記として「5か国防衛取極」とする。『 ⇒平成17年版 防衛白書』(2005年)に用例がある。
^ a b 篠崎, 正郎『引き留められた帝国―戦後イギリス対外政策におけるヨーロッパ域外関与、1968?82年』吉田書店、2019年。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4905497837。
^ 永田伸吾 (2017年10月1日). “5カ国防衛取極(FPDA)とアジア太平洋の海洋安全保障:防衛装備・技術面での日英協力の視点から”. 笹川平和財団海洋政策研究所「海洋安全保障情報特報」. 2018年12月27日閲覧。
外部リンク
⇒Five Power Defence Arrangements (FPDA):イギリス連邦外務省の説明
⇒Singapore Infopedia:Five Power Defence Agreement
⇒Five Power Defence Arrangements:Exchange of Notes constituting an Agreement between the Government of Australia and the Government of Malaysia regarding External Defence:オーストラリア・シンガポール間の防衛取決め
表
話
編
歴
現行の軍事同盟・安全保障条約・集団安全保障
国際連合(憲章)
アジア太平洋
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台湾関係法(事実上)
米韓相互防衛条約
中朝友好協力相互援助条約
米比相互防衛条約
5か国防衛取極
太平洋安全保障条約
米英豪合意