4コママンガ劇場
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この項目では、単行本のシリーズについて説明しています。1993年に発行された『月刊少年ガンガン』の増刊号については「月刊少年ギャグ王」をご覧ください。

『4コママンガ劇場』(よんコママンガげきじょう)は、1990年から2006年にかけて、複数名の作家によるアンソロジー形式で刊行されていた、テレビゲームなどのパロディギャグを題材とした4コママンガ単行本シリーズ。スクウェア・エニックス(旧エニックス)発刊。
概要

特定のゲーム作品をテーマとしたギャグ4コママンガが収録されている、A5判の描き下ろしの単行本である。1冊に複数の作家が参加するアンソロジー形式をとっている。同社の看板作品である『ドラゴンクエストシリーズ』をはじめ、他社ゲーム作品を含め数々のシリーズが発刊されていた。

シリーズの代表作である『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』は月刊少年ガンガンをはじめとする同社のコミック事業の原点でもあった。月刊少年ガンガンや月刊少年ギャグ王への連載も行われ、単行本化されている。また、長期間にわたり読者投稿も行われ、投稿作品だけを収録した単行本も発刊された。本シリーズへの執筆や読者投稿をきっかけに、ガンガンなどへのコミック連載に進出し、頭角を現した作家(柴田亜美衛藤ヒロユキほか)も多い。

『ドラゴンクエスト』『マザー2』では、呪文 (PSI) やアイテムの名前がセリフに含まれる場合、原則としてコマの脇に注釈による解説が付記されており、シリーズに対する知識があいまいでも楽しめるように配慮されていた。

シリーズを通して一般的な少年誌相当の内容であり、いわゆるエロ・グロや過度の暴力表現、および世界観を根本から壊す表現はない[注釈 1]。しかし、とりわけ『ドラゴンクエスト』においては、栗本和博の「怪傑大ねずみ」、柴田亜美の「ニセ勇者」、夜麻みゆきの「ペロキャン勇者」などのように、本来の設定にはない作家ごとの強い個性をキャラクターに持たせることがある程度許容されていた[注釈 2]。これらの中で「定番ネタ」として用いられたキャラクター造形や設定が、後に制作されたドラゴンクエストのメディアミックス作品やリメイク版、派生作品で逆輸入する形で公式設定になった例もある。『IV』で後に公式設定になった「クリフトはアリーナに片想いしている」「マーニャは酒豪である」などは、『4コママンガ劇場』の影響が見られる。

『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』はシリーズ累計800万部を超えるベストセラーとなった[2]。本書をきっかけに、他社からも『4コマまんが王国』(双葉社)、『4コマギャグバトル』(光文社)、『4コマ決定版』(新声社)のように、ゲームを題材としほぼ同じフォーマットの4コマアンソロジーコミックシリーズが登場し、ひとつのジャンルを築いた。
沿革

1988年に発刊された書籍『ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 知られざる伝説』の巻末に掲載された『ドラクエIII MAGAZINE』や、1989年に発刊された書籍『ドラゴンクエスト モンスター物語』『ドラゴンクエスト アイテム物語』の幕間コーナーとして収録された『アレフガルド小劇場』(いずれも栗本和博が執筆)がドラゴンクエストの4コママンガの原点で、それを単行本化したことが本シリーズの始まりである。

1990年4月19日の『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』が最初の刊行。当時エニックスは『ドラゴンクエストブックシリーズ』というドラゴンクエストをテーマにした本のシリーズを刊行しており、最初はこのシリーズのひとつであった。そのため、当初は『ドラゴンクエストシリーズ』のみであったが、1991年5月24日の『スーパーマリオ 4コママンガ劇場』より任天堂のゲーム作品、1995年からは『ワンダープロジェクトJ』などのエニックスの他作品、『ストリートファイターII』などの他社のゲーム作品の4コママンガ劇場が刊行され、その過程で『4コママンガ劇場シリーズ』として独立したシリーズとなった。

刊行がスタートした当初は主に、すでに漫画家として活躍していた作家をメインに掲載していたが、本シリーズから派生した読者投稿コーナー「ドラゴンクエスト4コマクラブ」が始まってからは、主にそこから輩出された新人漫画家や、同社の『月刊少年ガンガン』および姉妹誌に所属する漫画家の作品を掲載していた。

『4コママンガ劇場シリーズ』は1冊につき、原則としてゲームの1つの作品または1つのシリーズを題材としているが、唯一の例外として、2000年に刊行された『おじゃる丸 4コママンガ劇場』は、『4コママンガ劇場シリーズ』に属しながらも、ゲームではなくアニメ作品を題材としている。

『4コママンガ劇場』の刊行は2006年4月21日の『テイルズ オブ シンフォニア 4コママンガ劇場(3)』が最後となり、同年9月以降は『月刊Gファンタジー』編集部が担当していたアンソロジー集「スーパーコミック劇場」(2005年まで刊行)の路線と統合される形で『ガンガンパワード』(後に月刊ガンガンJOKER)編集部が担当する「ガンガンコミックスアンソロジー」へ移行した。ここでは『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』の4コママンガアンソロジーが刊行されたが、『4コマ劇場』という名称になっている。

公式には『4コママンガ劇場シリーズ』には含まれない扱いだが、あべゆうきによる『ドラゴンクエストX 4コママンガ劇場』がヤングガンガンガンガンONLINEで連載され、ヤングガンガンコミックスとして単行本が発売されている(全2巻)。
4コママンガ劇場作品一覧
書籍

50音順、ただしシリーズ作品はシリーズの順番。

書名は「○○○ 4コママンガ劇場」(○○○の部分には原作ゲームのタイトルが入る)となっている。?編と付いている場合は「○○○ 4コママンガ劇場・?編」となる。

赤色の作品はドラゴンクエスト関連作品。

緑色の作品はエニックスおよびスクウェア・エニックス販売の自社作品。

タイトル原作販売元1巻の出版日巻数
アークザラッドIIソニー・コンピュータエンタテインメント1997年4月25日全2巻
アークザラッドIIIソニー・コンピュータエンタテインメント2000年3月24日全1巻
ヴァルキリープロファイルエニックス2000年3月24日全9巻
ヴァンパイアセイヴァーカプコン1997年11月21日全1巻
AIRKey2001年12月14日全2巻
おじゃる丸2000年9月29日全1巻
風のクロノアナムコ1998年3月27日全1巻
KanonKey2001年7月27日全3巻
ガンパレード・マーチソニー・コンピュータエンタテインメント2001年11月30日全5巻
がんばれ森川君2号ソニー・コンピュータエンタテインメント1997年9月29日全1巻
クラッシュ・バンディクーソニー・コンピュータエンタテインメント1997年3月17日全5巻
グランディアESP1998年3月20日全1巻
グランディア エクストリームエニックス2002年5月31日全1巻
CLANNADKey2004年7月30日全1巻
ゲームボーイギャラリー任天堂1997年5月30日全1巻
こみっくパーティーアクアプラス2001年10月26日全4巻
サモンナイト3バンプレスト2003年11月4日全1巻
サモンナイト クラフトソード物語2バンプレスト2004年11月12日全1巻


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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