『4つの最後の歌』(よっつのさいごのうた、ドイツ語: Vier letzte Lieder)は、リヒャルト・シュトラウスが最晩年に作曲した管弦楽伴奏歌曲集。ソプラノのための作品で、作曲者84歳の1948年に作曲された。
初演は作曲者の死後、1950年5月22日にロンドンにおいて行われ、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮フィルハーモニア管弦楽団の伴奏により、キルステン・フラグスタートによって初演された(世界初演時のライヴ録音が残っている。最終ドレスリハーサルの録音であるという説もある)。初演時は「眠りにつくとき」「九月」「春」「夕映えの中で」の順番であったが、同年に出版された際に、現在の順序に改められた。演奏時間は4曲合わせると約22分になる。 出版譜では以下の曲順に配列されており、第3曲までがヘッセの、第4曲がアイヒェンドルフの詩に曲付けされている。作曲年代はすべて1948年であるので、ここでは日付のみを括弧内に記す。 「夕映えの中で」の終結部において、自作の交響詩「死と変容」の一節が引用されている。 シュトラウスはまずヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩「夕映えの中で」に出会い、この詩に特別な意味を感じて1948年5月に曲付けした。そしてヘルマン・ヘッセのすべての詩集を入手して、そのうち3つの詩(「春」、「九月」、「眠りにつくとき」)によるソプラノ用の管弦楽伴奏歌曲をまとめた。デニス・アーノルド シュトラウスがこれら4曲をもって完成した曲集として構想したという証しはない。1954年出版の『グローヴ音楽事典』では、「3つのヘッセ歌曲」は、それより早いアイヒェンドルフ歌曲とは別個に、一まとまりとして扱われていた[1]。作曲者の死後にこれら4曲を「四つの最後の歌」と総称したのは誰か、また曲順を今のように並べたのは誰なのかは不明である[2]。ともあれしばらくの間、文字通りに「作曲家の最後の歌」だとみなされていたが、1983年になって「あおい」(Malven)という歌曲(1948年11月作曲)が発見された。献呈先であるソプラノ歌手のマリア・イェリッツァがこれを生前に封印していたため、この歌は彼女の遺品として公開された。 4つの歌曲はいずれも死を詠っており、しかも作曲者の迫り来る死の直前に完成されている。それでもこれらは、ロマン主義に典型的な反抗的態度の代わりに、静寂感や肯定感、終わりという感覚に満たされている。 編成表木管金管打弦
収録曲
「春」 Fruhling (7月20日)
「九月」 September (9月20日)
「眠りにつくとき」 Beim Schlafengehen (8月4日)
「夕映えの中で」 Im Abendrot (5月6日)
作曲の経緯
楽器編成
Fl.4Hr.4Timp.●Vn.1●(14型)
Ob.3Trp.3他Vn.2●
Cl.3Trb.3Va.●
Fg.3Tub.1Vc.●
他他Cb.●
その他ハープ、チェレスタ
歌詞
春 (ヘルマン・ヘッセ)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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