立体映画(りったいえいが)は、立体的に表示される映画である。近年[いつ?]は3D映画(3-D film)とも呼称される。目次 左眼用と右眼用の映像を同時に撮影したものなどを、スクリーンに映写機で投影し、専用の眼鏡を観客がかけることなどにより、左眼には左眼用の映像のみを、右眼には右眼用の映像のみを観客に見せることで立体視を実現する。立体映画の方式には様々なものが存在する。 専用眼鏡 Stereoscopy
1 概要
2 種類
3 映画館における立体映画上映規格
4 家庭における立体映画視聴
5 立体映像の視聴が身体に及ぼす影響
6 脚注
7 関連項目
8 外部リンク
概要
1952年から1954年が「黄金時代」と呼ばれ、実験的な『ブワナの悪魔』(Bwana Devil)、『フェザー河の襲撃』、『ホンドー』、『大アマゾンの半魚人』などが製作された。本格的な劇映画として3Dになったものとしては1954年のアルフレッド・ヒッチコック監督の『ダイヤルMを廻せ!』がある。「1953年は1953Dの年として記憶されるであろう」というアメリカの宣伝文句があった[3]。
2005年の『チキン・リトル』においてデジタル上映による3D映画が初登場し、2009年のジェームズ・キャメロン監督の『アバター』が世界興行収入歴代1位となる26億4000万ドル(約2385億円)を記録し、それ以降ハリウッドや日本でも多数の立体映画が製作されるようになった。また、ヒットシリーズの最新作を3Dで製作したり、過去の映画のリメイクを3Dで製作したり、過去のヒット映画を2D-3D変換した3D版を劇場公開したりなど、製作本数・興行成績などで3D映画の存在感が増している。この背景には、近年テレビやDVDなどに押され気味の映画館の収益アップと、盗撮による海賊版への対策を図る狙いもある。また立体映画の上映にはDLPなどのデジタル映写機の方が適しているため、デジタルシネマの普及促進も期待されている。
日本の雑誌である「日経トレンディ」が選ぶ、「2010ヒット商品ベスト30」に「3D映画」が2位に選出された。
一方で日本映画の3D作品は、2011年公開作品の殆どで上映スクリーン・興行収入共に2D版が3D版を上回っていた。これらの事情や制作費が高騰になる事もあり、2012年現在では邦画全体で3D作品の制作が減少したりと事実上の撤退が相次いでいる。
洋画の3D作品においても、3D版の上映は縮小傾向にあり、2D版のみでの劇場公開となる事もある(特にCGアニメ映画で顕著)。2016年11月公開の『スター・トレック BEYOND』を境に、3D版をIMAXや4D、ドルビーシネマといった特別なスクリーンでの上映に集約し、それ以外の通常スクリーンでは全て2D版のみとなる作品が大半となっている。劇場公開時に3D上映がされても、Blu-ray 3Dが未発売となる場合もあれば、逆に2D上映のみだった作品のBlu-ray 3Dが発売される事もある。
種類
アナグリフ式
異なる色のメガネをかける(赤と青のメガネの場合が多い)。基本的にモノクロ映像に限られるが、通常の映写機で映写可能。作品例:飛びだす冒険映画 赤影(1969年7月)、飛び出す人造人間キカイダー(1973年3月)、飛び出す立体映画イナズマン(1974年3月)、ザ・ユニバース(1985年、科学万博の富士通パビリオンで公開)、オバケのQ太郎 とびだせ!バケバケ大作戦(1986年)、ウルトラB ブラックホールからの独裁者B・B(1988年)
干渉フィルター方式 (Interference filter technology)
多重コートフィルタを使って6つの色チャンネル(RGB各2つ)を左右に振り分ける。アナグリフ式と異なりカラー映像に用いることができる。
直線偏光フィルター方式
左右の映像を偏光で投影する事により、偏光板の眼鏡をかけて見る事により立体視できる。カラー画像が可能。直偏光なので平面スクリーンのみでドーム型のスクリーンには適さない。また顔や眼鏡が傾くと正常に立体視できない。1980年代以降の地方博覧会や各地の遊園地等で普及した。
円偏光フィルター方式
右旋と左旋の円偏光を使用する事によって立体視を得る。カラー画像が可能で、顔や眼鏡が傾いても正常に立体視できる。近年のDMD式デジタル投影機で投影される。
液晶シャッター方式
赤外線で映像と同期して左右が交互に遮光される液晶シャッターを使用する事によって立体視を得る。カラー画像が可能。1990年の国際花と緑の博覧会の富士通パビリオンでザ・ユニバース2が上映され、その後、幕張の富士通ドームシアターで爆笑問題が吹き替えを担当した『エンカウンター』等の作品が上映された。