32ビットに格納できる符号なし整数の範囲は、0 から 4,294,967,295 である。2の補数で表現できる符号付き整数は ?2,147,483,648 から 2,147,483,647 を格納できる。したがって、32ビットメモリアドレスのプロセッサは4ギビバイトのバイトアドレスメモリを直接アクセスすることができる(アドレス空間が最大4ギビバイトである)。
他のビット数のプロセッサと同様、プロセッサ内部(論理)が32ビットでも、外部(物理)のアドレスバスやデータバスも32ビット幅とは限らない。例えば80386SXでは、プロセッサ内部は32ビットだが、外部アドレスは24ビット幅、外部データバスは16ビット幅である。またPentium Proでは、プロセッサ内部は32ビットだが、外部アドレスバスは36ビット幅、外部データバスは64ビット幅である。またプロセッサ内部においてもSIMD命令などへの対応のために、32ビット以外の構造を持つ場合がある。例えばPentium IIIはSSE命令のために128ビットのレジスタを持っている(あくまで32ビットデータを4個同時に扱っているだけであり、128ビット処理をしているわけではない)。
32ビットは、32ビットプロセッサが主流であった世代を表す言葉でもある。パーソナルコンピュータで当時の主要なオペレーティングシステム(OS)には、OS/2 2.x、Microsoft Windows NT 3.xなどがある。Windows 9x系は32ビットと16ビットの過渡期に設計されたコンシューマー向けハイブリッドOSであり、32ビットOSでありながら、後方互換性のために16ビットのカーネルコードも搭載していた。
主な32ビットプロセッサ「マイクロプロセッサ#32ビットマイクロプロセッサ」も参照
有名な32ビットプロセッサとしては、Intel 80386、Intel 486、PentiumシリーズおよびMC68000シリーズがある。MC68000は外部は16ビットであったが、32ビットの汎用レジスタと演算ユニットを持ち、全ての32ビットソフトウェアに対して前方互換性を持っていた。
上記以外の32ビットプロセッサには以下などがある。
ミップス・テクノロジーズ(MIPS)のR3000(R4000より64ビット)
IBMのPowerPC(G5やRS64より64ビット)
ヒューレット・パッカード(HP)のPA-RISC(PA-7000まで。PA-8000より64ビット)
サン・マイクロシステムズ(SUN)のSPARC(SPARC64より64ビット)
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の386互換プロセッサ(Am386、Am486、Am5x86など)
類似のプロセッサには以下などがある。
IBMのSystem/360 (32ビットの汎用レジスタを持ち、複数のアドレッシングモードを持っていたが、後に標準となったのは24ビットアドレッシングモードだった)