3,4-メチレンジオキシアンフェタミン
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IUPAC命名法による物質名
IUPAC名

1-(2H-1,3-Benzodioxol-5-yl)propan-2-amine

臨床データ
法的規制

AU: Prohibited (S9)

CA: Schedule I

DE: Anlage I

UK: クラスA

US: スケジュールI

UN: Psychotropic Schedule I

投与経路経口、舌下、噴霧、静脈
薬物動態データ
代謝肝臓 (CYP)
排泄腎臓
識別
CAS番号
4764-17-4 
ATCコードNone
PubChemCID: 1614
DrugBankDB01509 
ChemSpider1555 
UNIIXJZ28FJ27W 
KEGGD12715  
ChEMBLCHEMBL6731 
化学的データ
化学式C10H13NO2
分子量179.22 g/mol
SMILES

NC(C)CC1=CC2=C(C=C1)OCO2

InChI

InChI=1S/C10H13NO2/c1-7(11)4-8-2-3-9-10(5-8)13-6-12-9/h2-3,5,7H,4,6,11H2,1H3 

Key:NGBBVGZWCFBOGO-UHFFFAOYSA-N 

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3,4-メチレンジオキシアンフェタミン(3,4-Methylenedioxyamphetamine, MDA)は、アンフェタミン系のエンパーソゲン(英語版)(共感薬)、精神刺激薬幻覚剤の一種で、主にレクリエーショナルドラッグとして用いられる。薬理学的には、MDAは、セロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミン放出薬(SNDRA)として働く。ほとんどの国で規制薬物であり所持や販売は違法である。

MDAは、ほかのアンフェタミン系の薬物と比べ、レクリエーショナルドラッグとしてはあまり人気がない。しかしメチレンジオキシメタンフェタミン (MDMA) の肝臓でのN-脱アルキル化生成物[1]一次代謝物であるため広く用いられている[2]。また違法に製造されたMDMAに混入していることもよくある[3][4]
利用
医療

MDAには承認された医療用途はない。
娯楽

違法ではあるが、MDAは気分や共感性を高めるため、娯楽的にラブドラッグとして用いられている[5]。レクリエーショナルドラッグとしての用量は、100?160 mgと言われている[6]
副作用

MDAは、セロトニン作動性神経毒作用を持ち[7][8]、MDAの代謝で活性化されると考えられている[1]。さらに、MDAはグリア細胞の応答を活性化するが、使用後には収まる[7]
過剰摂取

急性毒性の症状には、興奮、発汗、血圧心拍の上昇体温の急激な上昇痙攣があり、死に至ることもある。死に至る場合は、通常は心毒性とそれに続く脳内出血脳卒中)の結果である[9]
薬理学
薬力学

MDAは、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの輸送体、小胞モノアミン輸送体基質となり、TAAR1のアゴニストである[10]。これらの理由により、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの再取り込み阻害剤、放出剤として作用する(つまりSNDRAである[11])。また、5-HT2A[12]、5-HT2B[13]及び5-HT2C[14]セロトニン受容体のアゴニストとして作用し、α2A-、α2B-及びα2C-アドレナリン受容体、5-HT1A、5-HT7セロトニン受容体との親和性を示す[15]

MDAの(S)-光学異性体は、(R)-光学異性体よりも精神刺激薬としての作用が強く、3つのモノアミン輸送体により高い親和性を持つ。

MDAの主観的、行動的な影響については、エンパーソゲン(英語版)作用にはセロトニン放出、精神刺激作用にはドーパミン及びノルアドレナリン放出、多幸感報酬系嗜癖)にはドーパミン放出、幻覚作用には5-HT2A受容体のアゴニスト作用が直接影響していると考えられている[要出典医学]。
薬物動態学

薬物の作用時間は、約6?8時間と報告されている[6]
化学

MDAは、置換メチレンジオキシ基を持つフェネチルアミン、またアンフェタミン誘導体である。他のフェネチルアミンやアンフェタミンとの関連では、β-フェネチルアミンの3,4-メチレンジオキシ, α-メチル誘導体、アンフェタミンの3,4-メチレンジオキシ誘導体、MDMAのN-デメチル誘導体である。
シノニム

3,4-メチレンジオキシアンフェタミンという名前に加え、以下のようなシノニムがある。

α-メチル-3,4-メチレンジオキシ-β-フェニルエチルアミン

1-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-2-プロパンアミン

1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-プロパンアミン

合成

MDAは通常、サフロールピペロナールのような精油から合成される。これらの前駆体からの一般的な合成経路は、以下のようなものがある。サフロールからのMDAと関連化合物の合成

サフロールのアルケン基をハロゲン含有鉱酸で還元し、その後アミンアルキル化する[16][17]

サフロールをワッカー酸化3,4-メチレンジオキシフェニルプロパン-2-オン(MDP2P)とし、その後、還元的アミノ化またはオキシムの還元を行う[17][18][19]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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