6月18日の記者会見で安倍首相は、クラスター対策を進める中で「3つの密を避けることによって、日々の仕事や暮らしを続けながら感染を予防できる」との知見が得られたとし、また「3つの密」は3つのC(Three Cs)として、世界中で認識されるに至っているとの認識を述べた[23]。詳細は「#日本国外への普及」を参照 新型コロナウイルス感染症が2023年5月に5類感染症に移行した後の感染対策について、厚生労働省の専門家会議で専門家の見解が取りまとめられる。3月8日の会見では、「3密の回避と換気」を含む感染対策が引き続き呼びかけられた[24][25]。 「3つの密」は2020年初頭・新型コロナウイルス感染拡大初期では日本国内でも十分に波及しなかったものの、先述の小池百合子東京都知事の会見での言及や後述の「密です」発言、安倍晋三首相の会見での言及などを経てマスメディアでも取り上げられるようになり、年内には新型コロナウイルスの感染拡大防止策として当たり前に使われるようになった[15]。 厚生労働省とLINEが協力して行った全国調査で寄せられた全国およそ2400万人の回答を分析したところ、「3つの密」を避けていると答えた人の割合は、第1回の調査(3月31日から4月1日)時点では全国で28.83パーセントだったが、4月7日に政府が緊急事態宣言を出したあとの第3回の調査(4月12日から13日)では50.88パーセントと大幅に増えた[26]。また、英訳の「Three Cs」も感染拡大防止策として国際的に普及した(#日本国外への普及)。 2020年11月5日に発表された同年の「ユーキャン新語・流行語大賞」候補30語でも、他の「アベノマスク」 「ソーシャルディスタンス」 「PCR検査」 などの新型コロナウイルス関連の用語とともにノミネートされ[27]、12月1日、年間大賞として「3密」 が選ばれた[28]。前日の11月30日に発表された「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2020』」では、3位に「密」が選出されている[29]。キャッチコピーを研究する中央大学の飯田朝子教授は「密」を「今年を象徴する一文字」と評価している[30]。年末恒例の、その年の世相を漢字ひと文字で表す「今年の漢字」 でも「密」が選ばれた[31]。 東京都知事の小池百合子は2020年4月9日、内閣府でコメントを求めて殺到する報道陣に「密です」と連呼し、距離を空けるよう求めた[30]。この様子が報じられるとネット上で話題となり、ツイッターには発言を題材にした投稿が相次いだ[30]。個人開発によるゲームも登場し[32][33]、ゲーム紹介動画は1週間で830万回以上再生、22日の取材では小池知事が「ここで私が“密”と言ったらゲームができてしまった」と言及した[34]。飯田朝子は「『密です』とすることで『離れてください』ということを分かりやすく伝えられる」と説明している[30]。12月1日に発表された「ネット流行語大賞 2020」では、「密です!」が投票全体10.4%の票を集め、銀賞となった(「あつまれ どうぶつの森」と同率)[35]。 「3つの密」と同様に、避けるべき状況を示す語として、集近閉(しゅうきんぺい)という標語もSNS上で広まった[36][37]。これは新型コロナウイルス感染症の発生源、武漢のある中華人民共和国の中国共産党総書記(国家主席)の氏名・習近平をもじったもので、集・近・閉にはそれぞれ、次の意味がある[37]。 日本の首相官邸及び厚生労働省は「3つの密を避けましょう!」の英語版として「Avoid the “Three Cs”! 首相官邸・厚生労働省は英語版に加えて中国語版 ニューヨーク市議会衛生委員長のマーク・レバイン
2023年
3月8日
波及・派生2021年2月、緊急事態宣言下の渋谷駅前、ハチ公広場。「3密」の回避やソーシャルディスタンスの確保などを呼びかける掲示が確認できる。平時より人出が少なく、また通行人はマスクを着用している。
「密です」発言
「集近閉」
集 =人が集まる場所を避けよ。
近 =近距離での会話や交流を避けよ。
閉 =閉鎖、又は密閉されている、換気の悪い環境を避けよ。
日本国外への普及
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