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3年A組
-今から皆さんは、人質です-
別名3A
ジャンルテレビドラマ
脚本武藤将吾
演出小室直子
鈴木勇馬
水野格
監修柴原孝典(アクションコーディネーター)
出演者菅田将暉
永野芽郁
片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)
川栄李奈
上白石萌歌
萩原利久
今田美桜
福原遥
神尾楓珠
鈴木仁
望月歩
堀田真由
富田望生
佐久本宝
古川毅(SUPER★DRAGON)
若林時英
森七菜
横田真悠
秋田汐梨
今井悠貴
箭内夢菜
新條由芽
日比美思
三船海斗
大原優乃
細田善彦
堀田茜
バッファロー吾郎A
神尾佑
土村芳
ベンガル
矢島健一
大友康平
田辺誠一
椎名桔平
音楽松本晃彦
エンディングザ・クロマニヨンズ
「生きる」
国・地域 日本
言語日本語
製作
チーフ・プロデューサー西憲彦
プロデューサー福井雄太
松本明子(AX-ON)
難波利昭(AXON / 協力)
制作日テレアックスオン(協力)
製作日本テレビ放送網
放送
放送チャンネル日本テレビ系列
映像形式文字多重放送
番組連動データ放送
音声形式ステレオ放送
解説放送
放送国・地域 日本
放送期間2019年1月6日 - 3月10日
放送時間日曜 22:30 - 23:25
放送枠日曜ドラマ
放送分55分
回数10
公式サイト
『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』(さんねんエーぐみ いまからみなさんは ひとじちです)は、2019年放送の日本の連続ドラマ。武藤将吾脚本によるオリジナル作品である。
日本テレビ系「日曜ドラマ」で1月6日から3月10日まで放送されたテレビドラマ[1]。主演は菅田将暉[1]。略称は「3A」[2]。
卒業10日前に生徒たちを監禁した高校教師の謎の行動を描くサスペンス・学園ドラマ。
なお、日本テレビ放送網における海外販促用のタイトルは Mr. Hiiragi's Homeroom[3]。 菅田将暉の民放プライムタイム帯初主演作[4]。制作の6年前から福井雄太プロデューサーと菅田が「いつか一緒にドラマをやろう」と連絡を取り合っており、連続ドラマの企画がスタートしたあとに教師役をやりたいという菅田からの希望で、学園ものに決定した[5]。教師ものを選んだ理由は学園ドラマが減少しているからだという。視聴者に目を止めてもらう手法として主人公がテレビの向こうから視聴者に語りかけるスタイルは、映画『チャップリンの独裁者』を参考にしている[6]。 脚本の武藤将吾は、当初は『熱中時代』のような熱血教師ものをと思ったものの、今の時代にはそぐわないため、そういう情熱を注ぐ教師が必要な状況を作るために、生徒を人質にとって立てこもるというストーリーを考案。ターゲットである若年層に届くように、「セリフで語らず表情や背中で見せるべき」という脚本のセオリーもあえて破り、今の時代では肉親でも言いづらいようなストレートなセリフを書いた[7]。また病で痩せていく役を演じるにあたり、菅田は10キロ以上の減量をして臨んだ[8]。卒業までの10日間を、基本的に一日一話形式で描いて行く[注釈 1]。全10話のうち、1話 - 5話(1 - 4日目)を第一部、6話 - 8話(5 - 8日目)を第二部(ヒーロー編)、9話 - 10話(9 - 10日目)を最終章と銘打っている。3年A組の生徒役はオーディションで選ばれ[9]、一部の生徒だけが目立つのではなくクラス全員でドラマを作りたいということから、クラス全員にキャッチコピーがつけられて個性的なキャラクターが設定されている。 デビュー作が『仮面ライダーW』の菅田に加え、『仮面ライダービルド』を手がけた武藤の脚本とあって、第1話のセリフ「ゾクゾクさせてやるよ」は、『仮面ライダーW』での菅田が演じたフィリップの決め台詞「ゾクゾクするねえ」を想起させ、随所に特撮ヒーローものを意識したつくりが見られる[10]。主人公はアクション俳優を目指していたが挫折した過去があり、番組内で流れる「ガルムフェニックス」というヒーローが物語のキーとなっている[11][注釈 2]。 また、同年10月期に放送された賀来賢人の主演ドラマ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』は本作品の9ヶ月後の設定で、3年A組生徒たちも順次出演し彼らの卒業半年後の姿を見ることができる[12]。本作品はトルコで『オーレトメン(先生の意味)』のタイトルでリメイクドラマが製作され、韓国でも吹替版が放送された[13]。 魁皇高校では卒業まで残り10日となるなか、3年A組担任の柊一颯がクラス29人全員を集めて突然「今から皆さんには、人質になってもらいます」と告げた。そして爆発音が鳴り響き、校舎の廊下部分が爆破され騒然となる生徒たちは教室内に閉じ込められる。 一颯は生徒たちに、半年前に自ら命を落とした景山澪奈はなぜ死んだのか「原因を考え、真実を知っている者は名乗り出ろ」と課題を出す。澪奈は水泳部でオリンピック代表候補にもなっていた全国区のスターだったが、ドーピング疑惑のフェイク動画を拡散されて以降、クラスでいじめにあっていた。驚愕する生徒たちに一颯は「課題にクリアできなければ一人ずつ命を奪う」と脅迫する。 それと同時に一颯は自ら警察に通報して校舎を包囲させ、SNS「Mind Voice(マインドボイス)」を通じてこの事件をエンターテイメントとして見守っている一般大衆に課金を要求する。 当初は戸惑い反発していたA組生徒たちも、一颯の「授業」を通じて少しずつ自分の頭で考えて物事の本質を見ることを教わり、自分自身の過ちや将来と向き合いながら、クラス一丸となって事件の真相に迫っていく。
企画・制作
あらすじ
キャスト
3年A組
担任
柊一颯(ひいらぎ いぶき)〈27〉
演 - 菅田将暉本作品の主人公。美術担当教師で、魁皇高校には2年前に赴任してきた。半年前の景山澪奈の自殺後に前担任が休職したため、代わりに3年A組担任となる。生徒たちからは「ブッキー」と呼ばれ、元々は目立たない存在であったため「雑魚キャラ」扱いされていたが、立てこもってからは冷徹かつ熱意溢れる性格に豹変する。身体能力はかなり高く、自分に殴りかかってきた生徒を投げ飛ばすほどで、ナイフや銃など武器も使いこなす。機械やコンピューターの扱いにも長けており、校内のいたるところに遠隔操作式の爆弾や監視カメラ、赤外線センサーを仕掛けたり、外から中の状況が見られないように特殊な窓を取りつけるなど、生徒の逃走、警察の侵入を妨害している。傍目から見てもサイコパスのような行動をとっているが、協力者との会話では冷静に自分の置かれている立場を分析し、「罪を犯すのは俺だけでいい」と生徒たちに犯罪に加担させないように配慮も見せている。立てこもり中、授業を開始するときは「俺の授業をはじめる」と言い、生徒たちに必ず礼をさせる。生徒たちには他人の意見に流されず自分の頭で考えて物事の本質を見ることを求め、考えさせるときは「Let’s think.」と言いながらこめかみを指差す仕草をする。フェイク動画の拡散など悪意を持って他人を陥れる行為や、自分の過ちを正当化しようとする言動に対しては理由にかかわらず容赦なく叱責して反省を促す。一方で、生徒個人の生き方に対してはたとえ未熟であっても「今はまだ三歩先しか見えなくてもいい」と否定せず彼らに一任するなど、誰よりも教え子たちの人生や学校を思ってのことであり、その真摯な姿勢は生徒たちはもとより、武智をはじめとした関係者や日和見な態度を取っていた同僚の教師たちが次第に進んで姿勢を改めるきっかけになっている。美術大学在籍時に美術スタッフのアルバイトで特撮番組に関わった際に身体能力を買われ、卒業後に「IVKI」の芸名でスーツアクターになった。その後はアクション俳優を目指しながら働いていたが、膵臓ガンを患ったため、特撮を断念し教師に転身した。魁皇高校に転任してきたのは、恋人だった相楽文香を陥れた武智の罪を究明するためであったが、文香と同様の被害にあった澪奈を救うことができなかったことで後悔に苛まれ、さらに病が再発したこともあって、命をかけて真相を暴き、これ以上フェイク動画の被害者を出さないよう広く訴えるためにこの事件を起こした。生徒たちに恐怖を与えてしまったことには負い目を感じていたが、前述した物事の考え方を彼らに教える目的もあり、素直に受け止め最後までついてきてくれたことに感謝を述べた。3月10日、最後の授業として「Mind voice」でのライブ中継を終えた直後、学校の屋上から飛び降りるが、茅野さくらがその手を掴み、生徒たちに引き上げられ命拾いをした。そのまま警察に出頭し逮捕された後、一年間の闘病の末、息を引き取った。
生徒 (出席番号順)
逢沢博己(あいざわ ひろき)
演 - 萩原利久映画研究会および美術部に所属。常にカメラを片手に校内を撮影しており、澪奈のドキュメンタリー映画を製作中だった。澪奈の死後に映像素材を一颯に提供し、以降、ハンディカメラの映像としてたびたび回想シーンなどで使われている。第5話にて、一颯の内通者であったことが判明。一颯が倒れた際には、彼の代わりに回収した爆弾を使って生徒たちを教室に留めておこうとするが、甲斐たちにあっけなく起爆装置を奪い返され、閉ざされた部屋の鍵を解除させられてしまう。その後、生徒たちが自主的に教室に残ることを選択したことで、安堵の表情を浮かべていた。性格はクールで、周囲が慌てているときにも冷静な観察眼で状況を把握し的確なアドバイスを与える。澪奈の孤独を見抜き、本音を言えない彼女の力になるために映画製作を始めたが、やがて澪奈と仲の良いさくらに恋愛感情を抱くようになる。一颯に協力したのは、ずっと撮影してきたにもかかわらず助けることができなかった澪奈の死の真相を究明するとともに、この件について何かを抱えているさくらを救うためでもあった。卒業後に澪奈のドキュメンタリー映画を完成させ、一颯の三回忌に元生徒たちが集まった際に上映する。
秋庭凛(あきば りん)
演 - 秋田汐梨里見親衛隊の一人。ネット好きで、明るくて陽気な少女。第5話で携帯電話が手元に戻ったときは、真っ先に「ただいまネット世界に生還しました!」と「Mind Voice」に投稿した。ハンドルネームは「凛ちゃん」。
浅見沙也(あさみ さや)
演 - 若林薫書道部に所属する真面目で内気な眼鏡っ子。第5話で一颯が倒れた際に残ると決めた生徒に謝りつつ、「脱出したい」と申し出ていたが、最終的には里見たちの説得に応じ、教室に残る。二人で鉄道の時刻表を見るなど、席が前後の立野と仲がいい。卒業後は、佑香のデビューCDのジャケットのタイトル文字を書いている。
石倉光多(いしくら こうた)
演 - 佐久本宝甲斐の取り巻きの1人。甲斐に負けず劣らず喧嘩っ早い乱暴者。ダンスグループにも所属している。甲斐が金銭的に困窮していたことや脅迫されていたことは知らず、それが判明した時は彼が何も相談してくれなかったことに悔し涙を流し、「言ってくれれば何か力になれたはずだ、俺たちダチじゃなかったのかよ!?」と気持ちを伝え説得する。以降も甲斐が残ると決めたときにはその気持ちを尊重するなど、よき理解者であり続ける。瑠奈に好意を抱いているようで、瑠奈と西崎の距離が近いことに軽く嫉妬している。卒業後も変わらず甲斐と関わり続けている様子である。
魚住華(うおずみ はな)
演 - 富田望生柔道部所属のふくよかで力持ち、食欲旺盛な女子。実家は米屋。バカにされていたのをかばってくれた須永に好意を抱き、須永の言うことは力仕事だろうと素直に聞く。美術準備室の扉に体当たりした際の「ビーストだな」という須永の言葉を「ビューティの最上級」と超解釈するなど、前向きすぎる性格。香帆と仲が良かったが香帆の裏の顔を知り、距離を置く。しかし香帆やさくらが澪奈事件の真相を真剣に突き止めようとしているのを知って、ふたたび仲間となる。瀬尾と同様に、武智の勧めで豪翔大学に柔道でスポーツ推薦が決まっており、家庭の事情として大学進学を許される唯一の道であったが、自分にそれだけの実力がないのを痛感していた。第7話で武智の罪が暴かれたときには須永にも反論し、涙ながらに自分と同じ境遇の瀬尾をかばう。その後、瀬尾と二人で推薦が駄目になってもがんばろうと誓いあった。卒業後、須永に断られてもめげずに12回告白し続け、見事恋人同士になっている。
宇佐美香帆(うさみ かほ)
演 - 川栄李奈ダンス部所属。コミュニケーション力に長け、周囲に積極的に話しかけるクラスの中心的な人物の1人。澪奈にも自分から話しかけて友人となるが、「澪奈の写真をアップするとフォロワーが増える」などと発言していたことから、彼女の人気を利用する面もあった。澪奈が自分よりさくらとの交友を優先するようになると激しく嫉妬し、「Mind Voice」にて「やり逃げX」のハンドルネームで彼女を中傷し、陰で彼女の水着を切り裂く、澪奈の自宅部屋の窓ガラスに石を投げるなどの嫌がらせを続け、ドーピング疑惑の元となった捏造動画[注釈 3]をアップするなど裏の顔を持っていた。第2話にてクラスメイトの前でそれが明るみに出るが、それでも開き直っていたところを一颯から「同じことを自分がされたらどうなるか、お前には想像力が足りなかった」と一喝される。さらにさくらからは「澪奈は本当に香帆を友達だと思っていたんだよ」と諭されたことで自分の過ちに気づき、「その痛みを一生忘れるな」と一颯から励まされて涙を流した。その後クラスで孤立してしまうが、「澪奈が亡くなった事件の真実を知りたい」とさくらに頼まれ渋々ながら協力し事件の真相を求めていくうちに、避けられていた華や未来との仲も修復し、また一緒に行動するようになる。