東京および大阪で梅田芸術劇場により2009年1月10日から公演された押井守監督初の舞台脚本演出作品。『鉄人28号』を原作としているが押井守の世界観を強く反映した内容となっている。キャッチコピーは「純粋無垢は、悪である」「鋼鉄の巨人、お前は、正義か悪魔か。」。舞台で使用された鉄人28号は、高さは膝をついて座った状態で7m、重さ800kgで、制作費は2000万円以上となった。2009年8月29日にNHK BS2で、東京天王洲銀河劇場での公演回を放送[5]。2010年3月6日にはNHK・BSハイビジョンでも舞台映像が放送され、渋谷ユーロスペースで2010年8月7日より1週間限定で劇場公開もされている。劇場公開版の上映時間は74分。 発売はポニーキャニオン
舞台ストーリー東京オリンピックを目前に控えた1964年。大塚署長が率いる公安部・野犬狩り隊は、野良犬の一掃とその中心的存在「有明フェリータ」の捕獲を行なっていた。有明フェリータ捕獲が報じられる中、正義を信じる金田正太郎は、大塚署長からの依頼でテロリスト集団「人狼党」の一掃に協力することになるが、野犬収容所出の警備中に「人狼党」党首・犬走一直に拉致されてしまう。犬走の語る自由と今まで信じた正義との二つの価値観で思い悩む正太郎は、ケツネコロッケのお銀の手引きで脱出するものの、その後も悩み続ける。そして東京オリンピックの開会式当日。オリンピック会場の上空でデモンストレーション飛行を行なうはずだったブルーインパルスが、「人狼党」の妨害工作により飛べなくなったとの話が飛び込み、その代わりに鉄人28号を使ってデモンストレーションを行なうという案が出されるが…。
公演日程
東京公演(2009年1月10日 - 1月25日) - 天王洲 銀河劇場
大阪公演(2009年2月5日 - 2月8日) - シアター・ドラマシティ
舞台スタッフ
原作 - 横山光輝
脚本・演出 - 押井守
美術 - 磯見俊裕、黒川通利
鉄人デザイン - 末弥純
音楽 - 川井憲次
作詞 - 児島由美
音響効果制作 - 伊藤道廣
音響 - 若林和弘
音響システム - 松山典弘
照明 - 佐藤啓
衣装デザイン - 竹田団吾
演出補・振付 - 竹下宏太郎
ボイスコーディネーター - 浦崎直邦
特殊効果 - 糸田正志
鉄人制作 - 秋山直樹、光井清陽
道具制作 - 桜井敏郎、唐崎修
フラワーコーディネーター - 櫻井忍
演出助手 - 高梨由
舞台監督 - 森下紀彦
キャスティング - 才士真司
制作 - 安積智子
アシスタントプロデューサー - 黒田仁子
プロデューサー - 村上洋志、久保淳
エグゼクティブプロデューサー - 小川友次
東京公演協力 - tvkコミュニケーションズ
企画協力 - 光プロダクション
企画協力・制作 - デイズ
企画製作・主催 - 梅田芸術劇場
DVD
映画「28 1/2 妄想の巨人」(2010年9月15日)
舞台「鉄人28号」(2010年9月15日)
舞台「鉄人28号」映画「28 1/2 妄想の巨人」豪華セット版(2010年9月15日)
脚注[脚注の使い方]^ 奥田恵梨華、押井守監督作品で即興の演技「台本がなかった」
^ ⇒押井守監督最新作「28 1/2」は舞台の“ついでに”撮った妄想映画シネマスクランブル 2010年6月28日
^ 『機動警察パトレイバー』にも同名キャラクターが登場。
^ 藤原新也著作『東京漂流』に登場する、有明第10号埋立地に実在していた「東京最後の野犬」と同名。
^ ⇒純真無垢は、罪である
外部リンク
⇒映画『28 1/2 妄想の巨人』公式サイト