25セント硬貨
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25セント硬貨 アメリカ合衆国
価値0.25 アメリカドル
質量5.67 g (0.182 troy oz)
直径24.26 mm (0.955 in)
厚さ1.75 mm (0.069 in)
縁119個の溝
構成91.67%
ニッケル8.33%
鋳造年1999年 ? 2008年
カタログ番号-
表面

デザインジョージ・ワシントン
デザイナージョン・フラナガン
(1932年?)
ウィリアム・カズンズ
(デザイン修正後)
デザイン時期1999年
裏面

デザインハクトウワシ
デザイナージョン・フラナガン
デザイン時期1932年

クォーター(英語: Quarter)として知られるアメリカ合衆国25セント硬貨は、アメリカ合衆国内で流通する通貨。1アメリカ合衆国ドルクォーター(4分の1)分の価値を持つ。1796年から製造されており、アメリカ合衆国の硬貨の中でも1ドル硬貨50セント硬貨に次ぐ、額面の大きな通貨単位であるが、1ドル硬貨と50セント硬貨の流通機会は少ないため、この25セント硬貨はアメリカ合衆国で普通に流通している最高額面の硬貨であり、かつアメリカ合衆国の日常的な少額取引で最もよく用いられる硬貨である。

硬貨は時折、スペイン・レアル硬貨の「トゥー・ビッツ(two bits、2枚の硬貨、の意味)」と呼ばれることがあるが、これは1レアル硬貨が初期のアメリカにおいて使用されていたスペイン・ドルの8分の1の価値があり、2枚の硬貨でそのドルの4分の1の価値と等しかった事実によるものである。
デザインのリスト
クォーター銀貨

ドレイプト・バスト 1796年?1807年

ドレイプト・バスト、小さなワシの絵(裏面) 1796年

ドレイプト・バスト、ヘラルディック・イーグル(裏面) 1804年?1807年



キャップト・バスト 1815年?1838年

キャップト・バスト(大きいサイズ)、合衆国のモットー刻印あり 1815年?1828年

キャップト・バスト(小さいサイズ)、モットー刻印なし 1831年?1838年



シーテッド・リバティ 1838年?1891年

シーテッド・リバティ(
自由の女神座像、タイプ1) 1838年?1865年

シーテッド・リバティ(タイプ2) 1866年?1891年



バーバー 1892年?1916年


スタンディング・リバティ 1916年?1930年

スタンディング・リバティ(タイプ1) 1916年?1917年

スタンディング・リバティ(タイプ2) 1917年?1930年



ワシントン 1932年?1964年、1992年?1998年(プルーフ硬貨のみ)

ワシントン 1932年?1964年(プルーフ硬貨のみ、1992年?現在)

ワシントン、200周年記念版 1975年?1976年(製造年表示は「1776-1976」となっている。また、40パーセントの合金で造られたものがあるが、これは一般への流通用に製造されたものではない。)

ワシントン、50州記念硬貨(プルーフ硬貨のみ)1999年?2008年

ワシントン、ワシントンD.C.および海外領土記念硬貨(プルーフ硬貨のみ)2009年


クォーター白銅(銅・ニッケル合金)貨

ワシントン 1965年?1974年、1977年?1998年

ワシントン、200周年記念版 1975年?1976年(製造年表示は「1776-1976」)

ワシントン、50州記念硬貨 1999年?2008年

ワシントン、ワシントンD.C.および海外領土記念硬貨 2009年

ワシントン、国立公園記念硬貨 2010年?2021年

現在のデザイン

クラッドメタルという張り合わせ合金で製造されている現在の硬貨には白銅(8.33パーセントのニッケル)が使われ、5.67グラム(0.182トロイオンス)の質量、24.26ミリメートル(0.955インチ)の直径、厚さ1.75ミリメートル(0.069インチ)で造られ、縁にギザギザの溝を持つ。この銅・ニッケル合金で造るクォーター硬貨は1965年に導入され、クラッドメタルという金属をサンドウィッチ状にする製造法や当時の大統領リンドン・ジョンソンに因んで、「ジョンソン・サンドウィッチ」と呼ばれることもあった。1枚の硬貨に対し4.29セントの費用がかかる。1965年以前のクォーター硬貨は、90パーセントの銀と10パーセントの銅の合金により製造され、また、1828年までに製造されていた初期の硬貨は、これらよりもやや大きく薄い硬貨である。

現在、通常の流通用に発行されている25セント硬貨は、表側に合衆国初代大統領のジョージ・ワシントンが描かれた「ワシントン・クォーター」であり、裏側にはハクトウワシの絵が描かれている。このワシントン・クォーターは彫刻家のジョン・フラナガンがデザインした。当初この硬貨は、記念硬貨として発行されていたものだったが、後の1934年に正式に発行される硬貨となった。


1999年、アメリカ合衆国50州記念25セント硬貨プログラムが開始され、一般に出回るクォーター硬貨の裏側にアメリカ合衆国各州のデザインが描かれたほか、表側のワシントンの絵柄にも少々修正が加えられた。このため、裏側にワシの絵が描かれた以前の硬貨が、プログラムの実施期間中は製造が一時中断された。近年合衆国議会はこのクォーター硬貨の他、リンカーン・セント1セント硬貨)やジェファーソン・ニッケル(5セント硬貨)、サカガウィア・ダラー(1ドル硬貨)のデザイン変更案をアメリカ合衆国財務省に提出しており、クォーター硬貨は50州記念硬貨プログラムの実施期間終了後にそのデザインが変更となる可能性もある。但し、他の硬貨に変更案が出された際も、硬貨に描かれている人物のデザインがそのまま維持された事例もあることから、デザイン修正後もワシントンの肖像は描かれ続けるのではないかという意見もある。

2007年1月23日、アメリカ合衆国下院は、本来の50州記念硬貨プログラムの実施期間を1年延長し、2009年まで行う法案を通過した。これは50州の硬貨に加え、ワシントンD.C.および海外領土である準州自治領および自由連合州アメリカ領ヴァージン諸島プエルトリコグアムアメリカ領サモア北マリアナ諸島のデザインを裏面に描いたクォーター硬貨を作るという内容であった。この法案[1]は2007年12月に上院承認を経てジョージ・W・ブッシュ大統領が署名した。50州記念硬貨に使用されている文字のフォントは、描かれている州ごとに異なるが、そのほとんどは「Albertus MT」フォントから派生したものが使われている。

2006年6月7日には、「アメリカ・ザ・ビューティフル25セント硬貨法」が下院に提出され、2008年12月にブッシュ大統領が署名し法案が成立。この各州の国立公園がデザインされたアメリカ・ザ・ビューティフル25セント硬貨プログラム(America the Beautiful QuartersR Program)は2010年から開始しており、12年間継続される予定[2]

2022年10月24日から、アメリカ合衆国憲法修正第19条(男女同権)百周年を記念したアメリカ人女性25セント硬貨(英語版)シリーズ(2022?2025年)の初年度で、映画俳優アンナ・メイ・ウォンも選ばれてその肖像が25セント硬貨の裏に使われて、流通が始まる。アメリカ合衆国の貨幣にアジア系アメリカ人の肖像が使われるのは、これが初めてである。このコインの表はこれまで通りジョージ・ワシントンで、裏が彼女で、フィラデルフィアおよびデンバーアメリカ合衆国造幣局で製造される。[3]
銀貨

現在希少なワシントン・クォーター銀貨は以下の通り。数字は硬貨に刻まれた製造年。製造所を表すミントマークは「D」がデンバー、「S」がサンフランシスコで、マークが無いものはすべてフィラデルフィアの造幣局で製造されたものである。また、下記の種類はプルーフ硬貨ではない。

1932 D

1932 S

1934 - 表側が二重に打ち出されたもの(Double Die Obverse、略称DDOと呼ばれる)

1935 D

1936 D

1937 (DDO)

1937 S


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