21世紀
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ピーター・ティール率いるファウンダーズ・ファンドは「空飛ぶ車を夢見ていたのに、手にしたのは140文字だ」というマニフェストで現状を表した[23]
21世紀初期における現状

本項目では2020年ごろまでの現状と展望を記述する。
コンピュータ・インターネット

21世紀初頭は、前世紀期末に引き続きIT関連のテクノロジーが高度化してきた時代である。従来からのパソコン携帯電話2010年代前半にフィーチャーフォンからスマートフォンに移行)に加え、2003年ごろからいわゆるデジタル三種の神器デジタルカメラDVDレコーダー薄型テレビ)をはじめ、デジタルメディアプレーヤーなどのデジタル家電機器が浸透した。こうして、2000年代後半においてコンピュータはすでに「一家に一台」から「一人一台」を超え、「一人多数台」のレベルへと移行するまでの普及を遂げた。これらは、「20世紀における21世紀像」を大きく上回る進化を遂げ、個々のコンピュータの性能も1980年代メインフレームを遥かに凌駕しており、情報通信技術による社会の変化は情報革命とも呼ばれる。

また現在においては狩猟社会(Society 1.0)農耕社会(Society 2.0)工業社会(Society 3.0)を超えて情報社会(Society 4.0)となっているほか、仮想空間現実空間を融合させ、広大なネットへのアクセスを可能にすることで、人類の身体的・時間的制約を解除するSociety 5.0とそのためのムーンショット計画を日本が提唱している。

コンピュータを常に身につけて利用するウェアラブルコンピューティングも、2000年代に携帯電話(スマートフォン)や携帯ゲーム機の普及により一般化した。ウェアラブルコンピューティングデバイスとして古くから構想されていたスマートウォッチヘッドマウントディスプレイ1990年代に既に商品化されていたが、本格的な普及が始まるのは2010年代後半に入ってからである。また同時期にはIoTM2M技術が浸透しはじめ、センサと無線接続機能を持つあらゆる製品がインターネットにつながり、相互に情報交換するようになるなど、ユビキタス社会の深化が進みつつある。家電製品や自動車などの組み込みシステムにはリッチなユーザインターフェースグラフィカルユーザインタフェース (GUI) や音声ユーザーインターフェース (VUI) )と無線ネットワーク機能(携帯電話回線への接続や無線PAN機能)が備えられ、スマートフォンなどと連携して動作するようにもなっている。

コンピュータの性能は集積回路の微細化(ムーアの法則)を主な原動力に急激に上昇しつづけてきたが、2000年代中頃から半導体産業はリーク電流の増大という量子力学的効果に起因する難問に直面した。集積回路を微細化しても以前ほどの高速化にはつながりにくくなり、コンピュータ技術はSIMDマルチコアなど、並列コンピューティングによる性能向上に舵を切った。またこの頃から回路の微細化が進んでも電力消費と発熱がそれに見合うほど減らなくなった(デナード則の崩壊)ため、回路上で同時稼働させることのできないエリアが増え(ダークシリコン問題)、ヘテロジニアス・コンピューティングや特定アプリケーションに特化した回路 (ASIC) の実装が重要になった[24]。さらに、2016年頃からは集積回路の微細化ペース自体も鈍化しはじめ、ムーアの法則に牽引された従来のコンピュータの性能向上パラダイムは終焉を迎えつつある[25]EUV露光、回路の多層化、3Dチップなどの新たな実装技術を駆使したとしても、2020年代中には集積回路の微細化が限界に達し従来のノイマン型コンピュータの性能向上が頭打ちになるとみられており、量子の性質を利用する量子コンピュータの普及も期待されている。

人工知能 (AI) の利用・応用は2010年代初頭までごく限られていたが、2012年以降のディープラーニングの普及によりその実用性が大幅に増し、IoTにより生成されるビッグデータの利活用(データマイニング)や、画像認識、画像処理・音声処理自然言語の処理意思決定支援自動運転車両など幅広い分野への応用が急激に進みつつある。
電話・移動通信

電話機はこれらをデザインした作品においても、固定端末であることが多かった。しかしすでに2000年代初頭、日本においては、多機能な携帯電話端末は子供や若者が個人用に保有するまでに普及し、「テレビ電話」も同時期に携帯電話や固定電話で実現されている。2000年代末にはiPhoneAndroidの登場を機に、タッチパネルによる直感的な操作性と、パソコン並みの柔軟な機能拡張性をそなえたスマートフォンの普及が一気に進んだ。

2010年代中ごろからは第4世代移動通信システム (4G) の普及によって大容量の通信が低コスト化し、固定回線同様の動画や音楽などの配信が携帯端末でも実用化した。将来的には第5世代移動通信システム (5G)(あるいはその先の第6世代移動通信システム (6G))への移行に伴いさらに高速化・大容量化・低遅延化などが見込まれ、これまでの携帯端末などにおける移動通信用途にとどまらず、IoTや自動運転車両、遠隔医療ロボット支援手術など様々な用途での活用も期待されている。
テレビ・ディスプレイ

テレビの形状も2000年代には、液晶テレビプラズマテレビの普及により薄型テレビが主流になり、従来のブラウン管型から完全に移り変わった。専用の器具を使えば当然、壁に掛けることも可能である。曲げることが可能な有機ELディスプレイも21世紀に実用化された。

また、2010年代に入り4K8Kなどの高解像度化や、120Hzや240Hzなどのリフレッシュレートの向上が進んでいる。また、両眼視差ホログラム技術などによる立体描写可能な3Dテレビ3DディスプレイVRデバイスも開発されている。
照明

21世紀に入ってから、地球温暖化防止・環境保護の観点から消費電力が多く短寿命である白熱電球の使用が控えられるようになり、消費電力が相対的に低い電球型蛍光灯LED照明への置き換えが進んだ。LED照明は当初は誘導灯や常夜灯など比較的低照度の用途での利用が主であったが、2000年代末から一般照明用光源としての普及が始まり、2010年代中ごろには一般用照明の主流となった。今後は有機EL照明の登場・普及も予想されている。
メディアの電子化

20世紀末までに、ほとんどの映像メディアが電子化され、21世紀に入ってからはデジタルカメラやカメラ付き携帯電話の普及により、写真の電子化が急激に進んだ。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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