2022年の台風
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また、2022年の台風は強いラニーニャ現象が影響し、日本近海で発生する台風も多く、日本で大きな被害を出した台風14号や台風15号、日本近海で発生した後に小笠原諸島を通過しつつ沖縄付近まで南下してから北上して韓国へ強い勢力で上陸した台風11号などと言った特異な動きをする台風もあった[3][4][5]

台風1号の発生は4月8日であるが、この台風はこの時期にしては珍しく小笠原諸島へかなり接近し日本の東へ通過した[6]

その後、7月まではインド洋地域での強い対流活動が原因で台風の発生はいずれの月も平年を下回っていたが、8月の下旬になると日本近海の対流活動が活発化し、熱帯低気圧の発生が急増。小笠原諸島の東にあった熱帯低気圧が急発達し、台風11号になると強い勢力で小笠原諸島に接近。現地では屋根やバイクが飛ぶなどと言った被害が発生した[7][8]

その後9月になると対流活動が更に活発化し、平年値5個を越す、7個の台風が発生した[9][10]

台風14号は、日本近海で発生した熱帯低気圧が中心気圧910hPa、最大風速55m/sまで急発達して沖縄を除く地域で始めて台風による特別警報(暴風・高潮・波浪)が発令された。速報値では伊勢湾台風並の勢力で上陸すると伝えられていたが、確定値では940hPaで上陸したことになっており、予想されていたよりも弱い勢力で上陸した。しかし、それでも日本で5番目に強い勢力で上陸しており、この確定値により関西空港のタンカー衝突事件を起こした、平成30年台風第21号より強い勢力で上陸したことになった[11][12]

また、非常に強い勢力を保ったまま日本上陸したのは平成30年台風第21号以来、2000年以降では2回目となる稀に見る珍しい強さを持った台風であったと言える。

同月に発生した台風15号は、室戸岬付近で発生した熱帯低気圧が、台風の勢力にまで発達して静岡県にかなり接近し、1ヶ月の断水などと言ったインフラ被害を引き起こして激甚災害に指定されるなどと顕著な被害を残した[13][14][15]

10月になっても対流活動は依然として活発で平年値3.0を上回る5個の発生となったが、強い勢力にまで至った台風はわずかに1つであった。しかしその一方で人的被害は多く、台風22号はフィリピンで100人以上の死者を出す原因となった大雨などをもたらした[16][17]
月別の台風発生数

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
2135751125


日本への接近数:11個(1号・4号・5号・6号・8号・11号・12号・14号・15号・17号・18号)
[18]

日本への上陸数:3個(4号・8号・14号)

各熱帯低気圧の活動時期
各台風の活動時期



台風に分類されている熱帯低気圧
台風1号(マラカス)

タイフーン (JMA)
カテゴリー4 タイフーン (SSHWS)



発生期間4月6日 ? 4月15日
ピーク時の強さ90 kt (10分間平均) 
945 hPa

202201・02W・バシャン

JTWC は、4月3日に熱帯擾乱の存在を最初に指摘した。気象庁は 4月6日にこれを熱帯低気圧として認識した。その翌日、JTWCはこの熱帯擾乱を熱帯低気圧とし、02Wと命名した。

4月8日の午前6時、カロリン諸島(北緯5.8度、東経145.9度)で熱帯低気圧が台風1号(マラカス)になった[19]。そして、時速15qと自転車並みの速度で北西へ進み、勢力を強め、フィリピンの東を西へと進んだ。そして、フィリピンの責任範囲に入ったため、PAGASAはフィリピン名バジャンと命名した。その後、強い勢力の状態で小笠原諸島を通過した。[20][21][注 2]

北東よりに進んでいったあと、4月16日午前3時に日本の東(北緯30.0度、東経143.7度)で温帯低気圧に変わった[22]。4月18日に温帯低気圧は域外へ出た。

なお気象庁の事後解析では最低気圧が、950hPaから945hPaへと上方修正されている[確 1]

台風1号の名前「マラカス(Malakas)」はフィリピンが提案した名称で、タガログ語で「強い」という意味である。

なお、アジア名「マラカス」はこの台風限りで引退となる予定であるが、イギリスの専門家による指摘の内容(ギリシャ語スラング・μαλ?κα?のラテン文字化と一致するため)が台風委員会にて改めて審議が行われる予定である[23]
台風2号(メーギー)

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)



発生期間4月11日 ? 4月12日
ピーク時の強さ40 kt (10分間平均) 
996 hPa

202202・03W・アガトン詳細は「令和4年台風第2号」を参照

10日9時、フィリピンの東(北緯10.8度、東経125.9度)で熱帯低気圧が台風2号になった[24][25]

同時期に発生した台風1号の影響で藤原の効果が発生し北上できず、フィリピンに停滞したままあまり発達しなかった。

その後、4月12日午後3時に熱帯低気圧(北緯11.4度、東経125.0度)に変わった[26]

4月12日、熱帯低気圧が消滅した。

フィリピン付近でほとんど停滞していたため、洪水や土砂崩れが多発し、死者が58人に増えた。そのうちレイテ州のバイバイシティーでは4月13日時点で47人が死亡し27人が行方不明、100人以上が負傷した。洪水や道路の寸断、停電などが発生し、1万7000人以上が避難している。

最終的に死者は214人まで増加し、負傷者などが300人以上出た[27]

なお、気象庁の事後解析では最大風速が18m/s (35kt)から20m/s (40kt)、最低気圧が998hPaから996hPaへ上方修正されている。また、台風の発生した時間が4月11日午前0時に変更された[確 2]

台風2号の名前「メーギー(Megi)」は大韓民国が提案した名称で、朝鮮語で「ナマズ」を意味する。

なお、アジア名「メーギー」はこの台風限りで引退となり[23]、フィリピン名「アガトン」もこの台風限りで使用中止となった[28]
台風3号(チャバ)

タイフーン (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)



発生期間6月30日 ? 7月3日
ピーク時の強さ70 kt (10分間平均) 
965 hPa

202203・04W・カロイ

6月29日午前3時ごろ、トラック諸島で発生した低圧部が南シナ海で熱帯低気圧となった。その後発達していき、気象庁は「24時間以内に台風になる可能性がある」と発表した。その後6月30日の午前9時(北緯15.8度、東経115.5度)に台風3号(チャバ)となった[29]。その後北上し、中国・華南に上陸し7月3日15時(北緯24.4度、東経110.6度)に熱帯低気圧となった[確 3]。7月12日頃、この台風から変わった温帯低気圧は消滅した。

この台風から変わった熱帯低気圧の影響で、中国の広東省では竜巻の被害が複数確認され、12人が死亡した[30]

台風3号の名前「チャバ(Chaba)」はタイ王国が提案した名称で、タイ語で「ハイビスカス」を意味する。
台風4号(アイレー)

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)


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