2022年のロシアの動員
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ロシアの部分的動員動員令の1ページ目
現地名 Частичная мобилизация в России
日付2022年9月21日?現在
場所 ロシア
原因

一部地域がロシアの支配下にあったハルキウ州での2022年ウクライナ夏季の反転攻勢[1]


ロシアのウクライナ侵攻でのロシアの兵力の多大な損失[1]

ウクライナの支配地域での併合住民投票を開催する意図

主催者ロシア国防省
動員計画

?300,000人(ロシア国防省発表)

222,000人(ウラジーミル・プーチン大統領発表)[2]

ドミトリー・ペスコフによれば、機密扱いの第7条には徴兵数が含まれている[3]

2022年ロシアの動員(2022ねんロシアのどういん)は、2022年ロシアのウクライナ侵攻中の2022年9月21日ロシア連邦軍へのロシア国民の部分的な動員ウラジーミル・プーチン大統領が発表し、対応する政令第647号が署名された出来事。この決定は、ハルキウ州でのウクライナの反撃の成功直後かつ、ロシアが国家の承認を与えているドネツク人民共和国(DPR)、ルガンスク人民共和国(LPR)およびロシア軍占領下のザポリージャ州ヘルソン州におけるロシア編入に関する住民投票の発表の翌日に下された[4][5]

プーチンは演説の中で、部分動員は国防省軍参謀総長から提案されたと述べた。セルゲイ・ショイグ国防相は、ロシアには「莫大な動員予備力」があり、予備役の30万人を動員する計画であると発表した[6]。厳密には動員活動はすぐに始まった[7]

動員発表により、プーチンはウクライナとの戦争におけるロシアの軍事的努力をエスカレートさせた。ロシア軍がハルキウ州中部および東部から大規模に撤退したにもかかわらず、プーチンは演説で、ウクライナにおけるロシアの目標は変わっていないと主張した。プーチンの演説は事前に録画され(対ウクライナ侵攻開始時の放送と同様)、モスクワ時間(UTC+3)午前10時に放送されたので、ロシアの全ての地域に同時に通知された可能性が高い。この演説は、とりわけ「軍の脱走」に対する最大10年の懲役刑に関する下院の刑法改正後に行われた[8]。プーチンは、アメリカ合衆国ヨーロッパ諸国がロシア連邦に対して「による恫喝」を行っていると非難し、自国の兵器の存在を思い出させた。また、動員の必要性を正当化するための住民投票の呼びかけを利用して、占領されたウクライナの「領土」がロシアの一部であると宣言される道を開く、急遽発表された住民投票への支持を再確認した[8]

プーチンはこれまで、動員を宣言することを避けてきたが、ハルキウ州でのロシアの撤退と、主戦派の民族主義者からの呼びかけが、プーチンを動かしたと見られている[9]。ロシアでの動員は、過去にも日露戦争[10]第一次世界大戦開始時および第二次世界大戦中のナチス・ドイツのソ連侵攻を受けて発表されている[11]

動員発表後、ロシア政府が戒厳令の可能性について議論していたと報じられたが[12][13]、大統領報道官ドミトリー・ペスコフは報道を否定した[14]。2022年10月11日時点で、ロシアの38地域が動員を完了したと発表している[15]。2022年10月14日、プーチンは部分的動員が「約2週間で」完了すると主張した[16]
背景

2021年から2022年初頭にかけて、ロシア連邦軍は、西隣のベラルーシ2014年に併合を宣言したクリミアを含むウクライナの国境近くに部隊を配置し、軍事演習を実施するなどした(ロシア・ウクライナ危機 (2021年-2022年))。

プーチン大統領が対ウクライナ攻撃開始時の2022年2月24日早朝に放送させた演説は『特別軍事作戦の実施について』であった。同月26日にロシア政府は国内メディアに、ウクライナでの軍事行動を報道する場合に「侵攻」という表現だけでなく「戦争」と呼称するすることも罰則の対象にすると通達した[17]。だが部分的動員を発令した同年9月にかけて、ロシアはウクライナ政府やウクライナ軍降伏や機能麻痺、領土を占領された状態での停戦休戦に追い込むことに失敗したうえ兵力の損失が積み上がり、ウクライナ軍の夏季反転攻勢で占領地の一部を奪還された。

モスクワ・タイムズ』の計算によると、ウクライナ侵攻開始以降、ロシア当局は動員の可能性を15回否定しており、動員発表の1週間前には3回否定された[18][19][20]。その例として、3月8日の国際女性デーにおいて、ウラジーミル・プーチンは、ウクライナでの戦闘に予備役を招集しないことを公に約束した[21][22]
ドネツクとルガンスク人民共和国左下のピンク色の地域は2014年にロシアが併合を宣言したクリミア半島ドンバス地域のピンク色の部分はDPRLPRの分離主義勢力が2014年9月時点で保持している地域を表す(都市は赤色表示)。

ウクライナ侵攻の5日前の2022年2月19日、ウクライナ東部で親ロシア派が樹立を宣言し、ロシア含め国際的に承認されたいかなる主権国家からも同日時点では承認されていなかったドネツク人民共和国(DPR)とルガンスク人民共和国(LPR)で総動員が始まり、何万人もの地元住民が強制的に軍務に就かされた[23][24][25]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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