2018年に発覚した医学部不正入試問題
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2018年に発覚した医学部不正入試問題(2018ねんにはっかくしたいがくぶふせいにゅうしもんだい)とは、私立大学を中心とした日本の複数の大学の医学部が、女子や浪人生を不利に扱う、特定の受験生を優遇する、といった不正入試差別)を行っていた問題である。
概要

2018年7月、息子を東京医科大学に裏口入学させ、局長が逮捕された文部科学省汚職事件をきっかけに、読売新聞が東京医大に関する疑惑を独自に探った調査報道により、不正入試が明らかとなった[1]。報道を受けて同月、東京医科大学が女子に対して一律減点をしていたことを内部調査の結果として公表[2]。その後厚生労働省が全国81大学を調査したところ複数の大学が不適切な得点調整をしている疑いが生じた[3]。その後、2018年10月15日に昭和大学[4]、11月22日に神戸大学[5]、12月8日に岩手医科大学金沢医科大学福岡大学[6]、12月10日に順天堂大学北里大学[7][8]、12月12日に日本大学[9]聖マリアンナ医科大学[10]が相次いで得点調整を公表し、計10大学の医学部が募集要項には記載のない不適切な得点調整を行っていたことが明らかとなった[11]。聖マリアンナ医科大学だけは、募集要項にある「1次試験の成績に出願書類を総合の上、合格者を決定する」との記載部分が「調査票を参考にすることを明記している」、「属性による一律な評価は行っていない」とし不正には当たらないとしている[10]

2018年12月14日、厚生労働省は調査結果の最終報告書を発表、不正を認めた9校を「不適切」と認定し、聖マリアンナ医科大学を「不適切な可能性が高い」とした[12][13][14]。この10大学以外にも疑惑を招きかねない運用として、「同窓会などから推薦があった受験生のリスト作成」、「面接評価票への保護者が同窓生かどうかの記入」など9項目を挙げ、疑惑を招きかねない事案が見られた大学数は公表されていないが、十数校に上ると報道された[15]。これにより2018年に発覚した一連の医学部不正入試問題では、同窓会推薦リストの作成などの疑惑を招きかねない運用以上の操作を行っていた大学は20?30大学に最終的に上ることとなった[15]

東京医科大学では一般推薦入試において「試験問題の漏洩」に関し、第三者委員会から「合理的な疑いの余地を残す」と指摘された[16][17]。また、国会議員による裏口入学の口利きの事実も明らかになった[18][19][20][21][22]

2019年6月11日、文部科学省は2018年以前の入試で本来なら合格していたはずの元受験生のうち43人が2019年4月、計8大学に追加入学したとの調査結果を発表した[23][24]

2019年9月、金沢医科大学は2020年度入試からは同学医学部の卒業生の子供のみを対象とした定員7名の「卒業生子女入試」を新設すると発表[25]。2018年度入試で、明示せずに推薦書評価の際に同窓生の子女に加点したことが不適切とされたための対応としている[25]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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