2017年カタルーニャ独立住民投票
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2017年カタルーニャ独立住民投票
Referendum sobre la independencia de Catalunya 2017  (
カタロニア語)
Referendum de independencia de Cataluna de 2017  (スペイン語)
カタルーニャ州を共和制の独立国家とすることに賛成しますか?
開催地 スペイン カタルーニャ州
開催日2017年10月1日 (2017-10-01)

結果得票数得票率
賛成2,044,03892.01%
反対177,5477.99%
有効投票数2,221,58597.17%
無効票・白票数64,6322.83%
投票総数/投票率2,286,21743.03%
登録有権者5,313,564100.0%

ウェブサイト: ⇒Government of Catalonia

2017年カタルーニャ独立住民投票(2017ねんカタルーニャどくりつじゅうみんとうひょう、カタルーニャ語: Referendum sobre la independencia de Catalunya 2017、スペイン語: Referendum de independencia de Cataluna de 2017)は、2017年10月1日に同州州議会の承認のもと公式に実施された、スペインからのカタルーニャ州独立の是非を問う住民投票である。この投票をめぐってスペインは分裂含みの展開となり、1975年の民主化以来、同国最大の騒乱となった[1]
背景

スペインのカタルーニャ州では独立運動が存在しており、近年では2014年11月9日に非公式ながら独立住民投票が行われ独立派が8割を占めたが、反対派が投票を棄権したため投票率は4割程度にとどまった[2]

2015年9月27日に投開票された自治州議会選挙でも独立賛成派が過半数を占め、アルトゥール・マス州首相主導のもと同年11月9日に18ヶ月以内に独立するというカタルーニャ独立手続き開始宣言が州議会にて採択されたが、これは2016年8月にスペイン憲法裁判所によって違憲であると判断されている[3]
推移
実施を宣言

2016年にマスより州首相の座を継いだカルラス・プッチダモンは2016年9月、独立の是非を問う住民投票の実施について中央政府との話し合いに意欲を示す一方、翌2017年7月までに中央政府から前向きな返答がない場合は合意がなくても9月に住民投票を行うこと表明した[3][4]。しかしスペイン政府は地方の独立をめぐる住民投票には一貫して反対であり、憲法裁判所も違憲との判断を下していた[5]。2016年10月、カタルーニャ州議会は住民投票実施を決議したが、スペイン憲法裁判所は12月14日に決議を5ヶ月間停止する処分を下し、従わない場合はプッチダモン州首相とカルマ・フルカデイ州議会議長が刑事罰に問われると警告した[6]

2017年6月9日、プッチダモン州首相は独立を問う住民投票を10月1日に実施すると発表し[5]、州政府は賛成多数となった場合は48時間以内に独立を宣言すると発表[7][8]。反対派が勝利した場合は即時に地方選挙を実施することも合わせて発表した[7]。スペイン中央政府は、住民投票は違法と報道官を通じて発表した[9]

住民投票に向け中央政府と自治州政府の対立が増す中、2017年8月17日にバルセロナで車が群衆に突っ込み、140人が死傷するというテロ事件が発生する[10]。プッチダモン州首相は事件を受けて、中央政府の影響を受けない治安対策が必要と主張、独立の正当性を訴えた[2][11]

8月末には独立派である自治州議会の与党によって、独立派が勝利した場合は国境管理や立法権限を州政府が掌握し、カタルーニャ共和国を創設するという法案を発表[2]。9月6日には住民投票を実施する法律が自治州議会で成立したが、中央政府は即座に憲法裁判所に提訴し法律は差し止められ[8][11]、手続きを凍結するよう命じた[12]。9月11日のディアーダ・ナシウナル・ダ・カタルーニャ(カタルーニャの日)にはバルセロナを中心に独立を目指すデモが行われ、州警察発表で約100万人、中央政府代表者の報道官発表でも約35万人が参加し、独立派の勢いが示された[8]
投票阻止の動きデモ隊にゴム弾を打つ警官隊。バルセロナにて、2017年10月1日。「アヌビス作戦」も参照

中央政府による住民投票阻止の動きは激しさを増していき、スペイン検察当局は9月12日に投票箱や選挙のビラなど住民投票で使用される可能性のある物品を押収するようカタルーニャ州警察に命令。投票所の担当者に送付されるはずだった通知書4万5000通や投票用紙1000万枚を押収した[12][13]。翌13日には住民投票の実施に協力しているカタルーニャ州内の市町村の首長約700人に対する刑事捜査を命じたほか、裁判所への出頭に応じない場合は身柄拘束も辞さない構えを見せ、州政府の強い反発を招いた[14]

9月20日にはスペイン警察当局がカタルーニャ州政府の複数の庁舎を捜索、経済担当閣外相など当局者14人の身柄を拘束した。また財務省は自治州の財政を掌握し、住民投票実施のための公金投入を阻止した。プッチダモン州首相はこれらの措置に対し、カタルーニャ州の自治機能を停止させるものと反発した[12][13][15][16]。9月下旬には憲法裁判所が州政府の投票責任者ら24人に対し投票準備をやめない限りは罰金を毎日支払うよう命じた[12]

しかし9月21日、プッチダモン州首相はテレビ演説で住民投票を予定通り行うと発表した[17]。9月22日には内務省が住民投票阻止のため3000?4000人の警察官を動員し[18]、また同日、選挙管理委員会(英語版)は解散された[19]。カタルーニャ州検事総長は、投票所として使用される予定の建物を封鎖するため警察官を配置するとしたほか[20]、警察当局は9月27日までに約1000万枚の投票用紙を押収し、翌28日には投票用紙をさらに600万枚と投票箱を押収[21]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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