2015年のル・マン24時間レース
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2015年のル・マン24時間レース
前年:2014翌年:2016
レース後の表彰式で表彰される総合順位上位3位入賞メンバーら

2015年のル・マン24時間レース(: 24 Heures du Mans 2015)は、フランス西部自動車クラブ (ACO) が統括する83回目のル・マン24時間レースであり、2015年のFIA 世界耐久選手権(WEC)の第3ラウンドでもある。2015年6月13日から6月14日にかけてフランスのサルト・サーキットで行われた。決勝レースの2週間前の5月31日にテストデーが実施された[1]
概要

予選でタイムレコードを出したニール・ジャニのドライブにより、ポルシェ・919ハイブリッドの18号車に乗るジャニ、ロマン・デュママルク・リープ組が、ポールポジションを獲得した[2]。決勝レースでは、ポルシェ・919ハイブリッドの19号車に乗るニック・タンディに、ル・マン24時間レースに初参戦したアール・バンバーニコ・ヒュルケンベルグで構成された3人組が、2位のポルシェ17号車に乗るマーク・ウェバーブレンドン・ハートリーティモ・ベルンハルト組に1ラップ差をつけて優勝した。ポルシェは、1998年以来となる通算17度目の総合優勝を果たした[3]。2位のポルシェの1周後方の3位に、前年の優勝者であったブノワ・トレルイエマルセル・フェスラーアンドレ・ロッテラーら3人がドライブするアウディ7号車が、アウディ勢の最先着車として入っている。

LMP2クラスでは、KCMGチームのオレカ-ニッサン47号車に乗るリチャード・ブラッドリーマシュー・ハウソンニコラ・ラピエール組が、クラス優勝した。彼等3人組は同一クラス内ポール・トゥ・ウィンを決めて一時は2位以下を周回遅れにするなど終始レースをリードしていたが[4]、スピンやコースオフなどのミスで、クラス2位のJOTAスポーツチームのギブソン-ニッサン38号車とのタイム差は結局48秒差に留まった[5]。KCMGとTDSレーシングは、オレカが開発した新型LMP2カーのオレカ・05を使用して本シーズンのWECに参戦していた。

LMGTE Proクラスでは、2台体制で臨んだコルベット・レーシングは63号車が予選中の事故で決勝レースの出場を断念して単独出走に追い込まれたが、決勝レースに出走した64号車に乗ったオリヴァー・ギャヴィン、トミー・ミルナージョーダン・テイラーら3人が、2011年以来となるクラス優勝をもたらした[6]。レース中はAFコルセフェラーリ51号車と激しく首位を争っていたが、レース後半に51号車がギヤボックストラブルによる修理作業で30分あまりピットに釘づけとなってしまい優勝争いから脱落すると、終盤は残るAFコルセ・フェラーリ71号車を相手に5周差をつけて余裕の勝利となった。

LMGTE Amクラスでは、ポール・ダラ・ラナがドライブするアストンマーティン98号車がレース終了45分前という時間でフォード・シケインにてクラッシュ事故を起こし、勝利を目前にして痛恨のリタイアを喫した。混戦のLMGTE AmクラスはSMP・レーシング72号車が優勝をつかみ取ることとなった[7]
スケジュール

スケジュール[8]
日程時刻 (CEST)イベント
ル・マン テストデー スケジュール
5月29日(金)09:00 - 18:00管理チェック、公開車検(サーキット)
5月30日(土)08:30 - 15:00
5月31日(日)09:00 - 13:00テスト・セッション
14:00 - 18:00
2015年のル・マン24時間レース スケジュール
6月7日(日)14:30 - 19:00管理チェック、公開車検(リパブリック広場)
6月8日(月)10:00 - 18:00
6月10日(水)16:00 - 20:00フリー・プラクティス
22:00 - 00:00予選
6月11日(木)19:00 - 21:00
22:00 - 00:00[N 1]
6月13日(土)09:00 - 09:45ウォームアップ
15:00第83回ル・マン24時間レース スタート
6月14日(日)第83回ル・マン24時間レース フィニッシュ

サーキットとレギュレーションの変更点サルト・サーキットのレイアウト

2014年のル・マン24時間レースの開催中に導入された「スローゾーン」というシステムに関して、ACOの定めるレギュレーションの2015年改訂版によると、スローゾーン内の速度制限は前年の60km/h(37mph)から80 km/h (50 mph)に緩和された。サーキットのゾーンの数は、マーシャルをサポートする為に各ゾーンに設置された新しい照明システムと一緒に19から35に増やされた[10]。雨中で行われた前戦(WECの第2ラウンド)のスパ6時間レースでの非常に悪い視界の為に2台のプロトタイプレーシングカーの衝突が引き起こされた対応として、LMPのプロトタイプレーシングカーを走らすチームに雨用フラッシュライトを、(WECの第3ラウンドの)ル・マンから追加で装備が義務付けられた[11]。ミュルサンヌ・コーナー(ユノディエール)からコルベット・カーブにかけて、サーキットの改修が行われた。ミュルサンヌ・コーナーからインディアナポリス・コーナーの区間とインディアナポリス・コーナーとポルシェ・カーブの区間には、以前と同じ場所に縁石が残されながらもコースサイドにも舗装がなされた。ポルシェ・カーブの最初のコーナーの外側に大きなラン・オフ・エリアを設置すると同時に、内側にセイファー・バリアという衝撃壁が設けられた。コルベット・コーナーにもグラベル(砂利)のラン・オフ・エリアが設置された[12][13]
エントリー
自動エントリー

自動エントリーの権利は前年度チャンピオンチーム、またはユナイテッド・スポーツカー選手権ヨーロピアン・ル・マン・シリーズアジアン・ル・マン・シリーズといったル・マンをベースとしたシリーズの優勝者に与えられる。またいくつかのシリーズは2位にも与えられた。2015年シーズンFIA 世界耐久選手権(WEC)にフルシーズン参戦するチームは自動的に招待枠を得た。自動エントリーが認められたチームは、車両は前年度の車両から変更することができるが、カテゴリーの変更は認められない。ヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMGTEカテゴリーの優勝者と2位には、LMGTE ProかLMGTE Amか出場するクラスを2つのカテゴリーから選択する権利が与えられるが、GTクラスの優勝者にはLMGTE Amクラスしかエントリーできない。アジアン・ル・マン・シリーズの2つのGTCクラスからの参戦者もLMGTE Amクラスしかエントリーできない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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