2014_FIFAワールドカップ観戦チケット違法販売問題
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『2014 FIFAワールドカップ観戦チケット違法販売問題』は、2014 FIFAワールドカップにおいて国際サッカー連盟の関係者がいわゆるダフ屋行為に関わっていた事件である。
経緯

ブラジルの警察当局では2014年5月以降、電話盗聴やチケット販売現場の隠し撮りを続けるという方法で、販売組織の実態を解明し、さらに20カ所を家宅捜索して観戦チケットおよそ100枚のほか多数のパスポートや携帯電話、米ドル紙幣を押収した[1]

2014年7月3日にブラジルのリオデジャネイロの警察当局が記者会見を行い、この問題が明らかになったもの[2][3][4][5]

すでに警察当局は2014年7月1日、チケットの違法販売組織を一斉に摘発してアルジェリア人ら11人を逮捕し供述などによって、FIFAの関係者が販売組織にチケットを横流ししているとの見方を強めていて、電話の通話記録によってチケットの違法販売に関与した疑いのあるFIFAの関係者の「ファーストネーム」が判明した[2][3][4][5][1][6][7]。また、逮捕された11人の中には弁護士やブラジルの警察OBも含まれていて、「W杯の過去4大会でも開催地に拠点を置き、チケットを違法販売した」と供述していて、それぞれの大会でおよそ200万レアル(およそ9200万円)を売り上げていた[1]。また、その際に、131枚のチケットが押収され、そのうち70枚はスポンサー向け選手向けなどの関係者用のチケットだったためで[8][7][3]、「FIFAルート」の横流しが浮上[7]、さらに警察の発表によれば疑惑がかかっている関係者はブラジル人ではなく、ワールドカップのために当地を訪れている人物だとしていて、FIFAの事務所やスタジアムに自由に出入りできるため観戦チケットの入手は容易だったとしている[3]

この違法販売には、FIFAのチケット販売部門を担うMATCH社の社員が関与した疑いもあり、容疑者を特定するためにFIFA側に捜査協力を要請する方針だという[2]

このMATCH社は、FIFAからワールドカップのチケット販売を請け負う公式代理店として世界中に販売ネットワークがある。MATCH社の大株主には、FIFAのブラッター会長の甥であるフィリップ・ブラッターが社長を務める、スイスのインフロント・スポーツ・アンド・メディアという会社が大株主だという会社も含まれている[9][7][10]。この販売組織はFIFAが発行していたワールドカップの会場の通行証のほかに、スポンサーやNGO団体、代表チーム関係者に割り当てられたチケットを所有していた。3つの旅行会社を通じて、通常の3倍から20倍の価格でチケットを販売していた[1]。警察当局は「決勝戦のチケットは3万5000レアル(約160万円)で取引された可能性もある」と指摘[1]。このMATCH社では過去のワールドカップでも最大9500万ドルを荒稼ぎしていたとされていて、継続的なFIFAルートの存在が疑われている[7]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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