ジャイアンツは、2011年は86勝76敗の地区2位でポストシーズンに4.0ゲーム差届かなかった。オフには打線強化のためにトレードでアンヘル・パガンやメルキー・カブレラを獲得し、2010年ワールドシリーズ制覇時の主力だった選手をその交換相手にしたり、FA後の再契約を見送ったりして戦力の入れ替えを進めた[10]。2012年は序盤こそ勝利数が伸びず、5月27日には地区首位ロサンゼルス・ドジャースに7.5ゲーム差をつけられたものの、1か月後の6月27日にはそのドジャースとの直接対決3連戦に全て零封で勝利し首位に並ぶ[11]。前半戦終了時点では46勝40敗の地区2位で、ドジャースとの差は0.5ゲームのみ。この首位争いは後半戦開始後もしばらくもつれ、ジャイアンツは7月下旬に内野手マルコ・スクータロや外野手ハンター・ペンスをトレードで補強した。8月に入ると、首位打者候補だったMe・カブレラが禁止薬物使用で50試合の出場停止処分を受け、ドジャースが大型トレードで戦力を増強するなど、苦しい局面が続く[12]。それでも8月20日以降は首位の座を譲らず、9月22日に2年ぶりの地区優勝を果たした[13]。平均得点4.43はリーグ6位、防御率3.68はリーグ5位。Me・カブレラの出場停止以外にも、抑え投手ブライアン・ウィルソンが開幕早々に右肘の怪我でシーズンを終えたり、エース右腕ティム・リンスカムが不振に喘いだりと様々な困難に見舞われたが、チーム全体でその穴を補った[14]。地区シリーズではシンシナティ・レッズを3勝2敗で[15]、リーグ優勝決定戦ではセントルイス・カージナルスを4勝3敗で[16]、それぞれ下した。 7月10日にミズーリ州カンザスシティのカウフマン・スタジアムで開催されたオールスターゲームは、ナショナルリーグがアメリカンリーグに8?0で勝利した。この結果、ワールドシリーズの第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、ナショナルリーグ優勝チームに与えられることになった。このオールスターには、タイガースからはプリンス・フィルダーとミゲル・カブレラの野手2人、そして投手のジャスティン・バーランダーが選出された[17]。ジャイアンツからはバスター・ポージーとメルキー・カブレラ、パブロ・サンドバルの野手3人に投手のマット・ケインが名を連ねている[18]。 バーランダーとケインはそれぞれのリーグの先発投手として登板した。1回表、バーランダーはMe・カブレラに左前打を浴び、ポージーを四球で歩かせ、サンドバルに満塁走者一掃の三塁打を許すなど、計5失点を喫した。ケインは2回裏にフィルダーを中飛に打ち取るなど、2イニングを無失点に抑えた。結果的にケインが勝利投手に、バーランダーが敗戦投手になった。また、Me・カブレラは4回表にも2点本塁打を放ち、2安打2打点でこの試合のMVPを受賞した。 バーランダーは試合後に「この試合が持つ意味ってのもわかるんだけどね、ファンのことも考えなくちゃ。僕が90mph(約144.8km/h)でコーナーを突く投球をするところなんか、ファンも観たがらないよ」と述べ、アメリカンリーグの勝利よりも100mph(約160.9km/h)前後の速球勝負でファンを楽しませることを心がけていたと明かした[19]。結局タイガースがワールドシリーズに進出し、エースのバーランダーは敵地での第1戦に登板することになる。一方のジャイアンツではその後、Me・カブレラが禁止薬物使用で50試合の出場停止処分を受けた。この処分はポストシーズン中に終わったが、ジャイアンツはMe・カブレラをシリーズに出場させない判断を下した[20]。 いずれのチームも第1回ワールドシリーズが開催された1903年より前に創設され、シリーズ出場回数も2桁に達している。しかし、ワールドシリーズでこの2チームが対戦するのは今回が初めてである[21]。 1997年から始まったレギュラーシーズン中のインターリーグでは、これまで2003年・2005年・2008年・2011年にそれぞれ3試合ずつ、計12試合が行われ、ジャイアンツが7勝5敗で勝ち越している[22]。直近の対戦はタイガースの本拠地コメリカ・パークでの3連戦で、ジャイアンツの2勝1敗だった。 両チームの出場選手登録(ロースター)は以下の通り。年齢は今シリーズ開幕時点でのもの。 デトロイト・タイガースサンフランシスコ・ジャイアンツ
ホームフィールド・アドバンテージ
両チームの過去の対戦
ロースター
名前の横の★はこの年のオールスターゲームに選出された選手を、#はレギュラーシーズン開幕後に入団した選手を、◎はリーグ優勝決定戦MVP受賞者を示す。
年齢は今シリーズ開幕時点でのもの。
守備位置背番号出身選手投打年齢ワールドシリーズ経験守備位置背番号出身選手投打年齢ワールドシリーズ経験
出場優勝出場優勝
投手62アル・アルバカーキ右右26初なし投手41ジェレミー・アフェルト左左332年ぶり3回目1回
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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