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2012年アメリカ在外公館襲撃事件
エジプト リビア イエメン
場所 エジプト、カイロ
リビア、ベンガジ
イエメン、サナア
日付2012年9月11日 - 2012年9月22日
標的アメリカ在外公館
兵器ロケット弾、自動小銃、対戦車砲など
死亡者数十名以上
負傷者数百名以上
動機映画イノセンス・オブ・ムスリムに対する抗議
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2012年アメリカ在外公館襲撃事件(2012ねんアメリカざいがいこうかんしゅうげきじけん)は、アメリカ合衆国で作成された映画"Innocence of Muslims"(イノセンス・オブ・ムスリム)がイスラム教を侮辱するものとして、これに抗議するためエジプトやリビアなどアラブ諸国のアメリカの在外公館が2012年9月11日以降、次々に襲撃された事件である。一連の襲撃事件で、在リビアのアメリカ領事館ではクリストファー・スティーブンス駐リビア大使ら4人が殺害された。公務中のアメリカ大使が殺害されるのは、1979年に駐アフガニスタン大使だったアドルフ・ダブス
(英語版)が殺害されて以来のことであった[1]。エジプト、リビアを発端とした反米デモは他のイスラム諸国にも波及することとなった。またスーダンでは、批判の対象はアメリカだけではなく、イギリスやドイツなどといったヨーロッパ諸国にも向けられた[2]。各国の治安部隊が在外公館への侵入を許したことは、2010年末からのアラブの春により強権体制が崩壊した影響で、治安維持能力が低下したことを浮き彫りにした[3]。 2011年、アメリカにおいてイノセンス・オブ・ムスリムという映画が作成される。この映画のうち約14分間の動画が2012年7月、YouTubeに投稿され、その中では預言者ムハンマドが残酷な殺人者であり、また子どもに性的ないたずらを行う、女性関係が派手な好色な人物であると描写されていたほか、ムハンマドを嘘つきとする場面も含まれていた[4]。当初、アメリカ国内では話題にならなかったが[5]、この映像のアラビア語版がイスラム社会でもテレビで取り上げられ、イスラム教においてムハンマドの姿を描くことは禁じられている上、あまつさえイスラム教を侮辱しているとも取れる内容であったため、イスラム教徒を大きく憤慨させることとなった[6]。 イノセンス・オブ・ムスリムはアメリカ在住のエジプト人のキリスト教系コプト教徒や、2010年にイスラム教の聖典であるクルアーンを燃やすなど過激な行動で知られるフロリダ州のテリー・ジョーンズ Facebookなどで映画の内容に対する抗議活動が呼びかけられ、2012年9月11日夜、エジプトの首都カイロにあるアメリカ大使館を3000人の群衆が襲った[11]。大使館の壁面に反米スローガンがスプレーで書かれたほか、数十人の若者が壁をよじ登り敷地内に侵入。掲げられていた星条旗を引きずり下ろして火をつけ燃やし、代わりにイスラム系武装組織の旗に似ている黒い旗が掲げられた[12]。カイロでの騒動では死者や負傷者は出なかったとされる[11]。 エジプトは2011年の革命を経て2012年に民政移管を果たしており、表現の自由と民主主義という概念にどう対応していくのか問われる事件ともなった[11]。この点に関して、エジプトのムハンマド・ムルシー大統領は、「表現の自由、抗議の自由、意見表明は保障されるが、私有・公有の財産や外国の外交使節・公館を攻撃することは許されない」と述べ、大使館に対する攻撃について批判している[13]。 9月15日、エジプトのヒシャーム・カンディール首相は、エジプトの抗議運動参加者のうち何人かが報酬を受け取ってデモに参加していたと供述していることを明らかにした。また、エジプトの大使館に対する抗議運動は警官隊の出動により15日には沈静化した[14]。 2012年9月11日、リビアの東部ベンガジにあるアメリカ領事館にイスラム厳格派「サラフィスト
背景
映画を作成した人物
事件の推移ベンガジでの攻撃で殺害されたクリストファー・スティーブンス大使
エジプト
リビア