2012年のSUPER_GT
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2012年のSUPER GT
前年:2011翌年:2013

2012年のSUPER GTは、2012年3月31日・4月1日に岡山国際サーキットで開幕し、10月27日・28日にツインリンクもてぎで閉幕した全8戦と、11月16日 - 18日に富士スピードウェイで行われたJAFグランプリのシリーズである。
前年からの主な変更点
レース日程

高騰する参戦コストの低減を目的に、2009年よりレース距離が短縮されていた第2戦(富士)と第5戦(鈴鹿)については、それぞれ500kmおよび1,000kmの従来のレース距離に戻される。

また、第7戦(オートポリス)については当初10月13日・14日の開催を予定していたが、同日に富士でFIA 世界耐久選手権の第7戦が開催されることから日程を2週間前倒しし、玉突きで第6戦(富士)も1週間前倒しされた。さらに、JAFグランプリについても、前年に近隣で開催されたプロゴルフツアーの三井住友VISA太平洋マスターズと日程がバッティングし宿泊施設の確保等に問題が生じたため、1週間遅らせて開催されることになった[1]

なお、JAFグランプリ終了後に中国の珠海国際サーキットで特別戦を行う予定であることが第1戦の定例会見で発表され[2]、5月時点では12月23日の決勝開催で詰めの交渉を行っているとしていた。この時点ではGT500/300各クラス15台ずつ計30台のオールスター戦として、両クラスの混走で50分から1時間のレースを行う予定だった[3]。しかし、プロモーションを行う時間が不足していることを理由に今期の開催を断念し、翌2013年に開催できるか再検討することとなった[4]
レギュレーション
GT500クラス

後述するGT300クラス車両の実質的なポテンシャルアップに合わせ、リストリクター径の拡大等が行われる。
GT300クラス
FIA-GT
前年度の独自調整ではなく、
FIA GT1世界選手権にて設定しているBOP(バランス・オブ・パフォーマンス)を流用し[5]、GTA独自の調整は行わない。仮に、独自調整必要が生じた場合は、GT3車両全てに一律で行うとされている。ただし、開幕戦に関してはFIAのBOP発行が遅れたため、前年度の内容を参考にGTA独自の調整で調整が行われた。2011年以前の車両に関しても、最新のBOPが適用される。FIA-GT2車両やLM-GTE車両は、前年度にエントリーしていたチーム及び車両のみが使用できる。こちらもJAF-GTカテゴリーCおよびD同様に2011年度とほぼ同じレギュレーションが適用される。
JAF-GT
カテゴリーA(BRZCR-Z)およびカテゴリーB車両(プリウスIS350)に限り、14インチ幅のタイヤ、パドルシフトおよびトラクションコントロールシステムの使用が認められ、FIA-GT車両とのバランスを取る為に、リストリクター径拡大等の措置も同時に行われている。当初は2011年限りでエントリー不可とされていたカテゴリーCおよびD車両については、新規の参戦は認められず、前年度までエントリーしていたチーム及び車両のみ参加が可能となっている(リストリクター径の拡大はされているが、基本的にほぼ2011年と同じレギュレーションで走らなければいけないとされる)。
マシン
GT300クラス

富士重工業は、2011年のJAFグランプリにおいてBRZで参戦する計画があることを発表し[6]東京モーターショー2011においてGT300仕様の車両を公開した。車両開発はスバルテクニカインターナショナルが行い、R&D SPORTが参戦することも、東京オートサロン2012において発表した[7]

GAINERは、フェラーリ・458 GTCに代わりアウディ・R8 LMS ultraで参戦することを発表した[8]。なお、同車両は世界第1号車である。

aprは、カローラアクシオに代わりSUPER GT初のハイブリッドカーであるトヨタ・プリウスで出場することを決定し、東京オートサロン2012にて車両を公開した[9]。ただし、危険物の輸出入に関する規制で日本からリチウムイオン電池の持ち出しができないため、現状ではハイブリッド車両を国外に輸送するには特別な手段を使わない限り輸送できないことから、第3戦(セパン)ではハイブリッドシステムを搭載せずに参戦することとなった[10]。また30号車はゲイナーと同様アウディR8 LMSウルトラを投入。aprは2台体制で参戦する。

A SPEEDは、前年同様のアストンマーティン・V8ヴァンテージ GT2仕様で参戦するものの、シーズン途中よりアストンマーティン・V12ヴァンテージ GT3仕様に変更することを、チームのブログにおいて公表した[11]。なおアストンマーティンレーシングが公表した同車両のデリバリー第1陣にA SPEEDが含まれている事からシーズンの早い段階から投入されるのではと予想されている[12]
CR-Z GT300仕様

本田技研工業は、2012年のモータースポーツ活動発表会においてレーシングハイブリッドシステムを搭載したCR-Zを、第4戦(菅生)から投入することを発表した[13]。ハイブリッドシステムを中心としたパワープラントの開発は本田技術研究所が行い、チーム 無限の参戦サポートも合わせて行う。

ヒトツヤマ・レーシングは、アウディR8 LMSでGT300クラスに2台参戦することを発表した[14]

グッドスマイルレーシングは、前年同様BMW・Z4 GT3で参戦するが、2台体制となる。チャンピオンナンバーの0号車は、2011年モデルの新車を使用しこれまで同様の「初音ミク」カラーリング仕様の「GSR初音ミクBMW」として参戦[15]、第4戦からは2012年仕様にアップデートする[16]。4号車は前年使用車を2011年仕様にアップデートを行い、カラーリングもセガのゲームソフト「初音ミク and Future Stars Project mirai」とのタイアップによるオレンジベースにした「GSR ProjectMirai BMW」で参戦する[15]

JLOCは、ガヤルドRG-3を2台継続参戦させるが、今年はさらに、ドイツのライター・エンジニアリングが製作・デリバリーするFIA GT3仕様 ガヤルドLP600+を2台の、合計4台体制での参戦させる[17]。なお、4台体制での参戦は、ガヤルドRG-3とムルシエラゴRG-1を2台ずつ参戦させた2007年シーズン以来となる。

日産自動車は、GT300クラスにFIA GT3仕様のGT-Rを1台エントリーさせる。エントラント名には日産の若手ドライバー育成プログラムであるNDDPが使用される。監督は長谷見昌弘が務め、ゼッケン番号も旧ハセミモータースポーツの3番を使用する[18]

SHIFTは、FIA GT3仕様のメルセデス・ベンツ・SLS AMGで参戦する。

チームマッハはヴィーマック・RD320Rからフェラーリ458 GT3で参戦する。本来は2011年から投入する予定だったがフェラーリの意向もあり実現せず、2012年からの参戦となった。

ディジョンレーシングはFIA GT3仕様のシボレー・コルベットで参戦する。

エントラント
GT300クラス

LMPモータースポーツは、前年同様「
侵略!イカ娘」とのコラボレーションにより同作品のカラーリングが施されたフェラーリで参戦、監督はPACIFIC GROUP代表の神野元樹が就任し、ドライバーは前年の山岸大に加え、井口卓人が移籍する[19]

グッドスマイルレーシングは、前年同様GSR&Studie with TeamUKYOとして参戦、2台体制になるにあたり、0号車の監督を大橋逸夫総監督が、4号車の監督を片山右京スポーティングディレクターがそれぞれ担当する。またドライバーは0号車が谷口信輝に加え片岡龍也が移籍、4号車が番場琢に加え2010年に番場とコンビを組んだ佐々木雅弘が参加する[15]。また、BMWのカスタマー向けレースプログラム、『BMWカスタマーレーシング』のチームとしてBMWのサポートを受けることとなった[20]。第4戦以降、更にBMWジャパンからのサポートを受けることとなった[21]

ヒトツヤマ・レーシングは、ドライバーとしてスイス出身のシンディ・アレマンを起用することを発表した。SUPER GTとしては初の女性ドライバーの参戦となる[22]。体制は20号車に昨年HANKOOK KTR 34号車をドライブしたマイケル・キムと2年ぶりのレース復帰となる野田英樹が、21号車にアレマンとSAMURAI Team TSUCHIYAから移籍の都筑晶裕がドライブする。第3戦セパンからは20号車の野田英樹に代わって安岡秀徒がエースドライバーとしてドライブする。同時に20号車のカーナンバーが99号車に変更される[23]。第8戦では99号車のドライバーが第2戦でサードドライバーを務めた小林賢二と、2010年以来のSUPER GT参戦となるイゴール・スシュコに変更され、ドライバー登録上の関係からカーナンバーが77号車に変更された[24]

JLOCは、前年まで参戦していた青木孝行織戸学坂本祐也の残留を発表。また、Team TAISANから松田秀士と山下潤一郎が、LMPモータースポーツから山内英輝がそれぞれ移籍、そして2010年シーズンまでSUPER GTに参戦していた山西康司が、1年ぶりに同チームへ復帰する事も合わせて発表された[17]

SHIFTは、ドライバーに竹内浩典黒澤治樹を起用するが、竹内は2008年シーズン以来4年ぶりの参戦となる。また黒澤の父である黒澤元治がチーム顧問に就任する[25]。第6戦のみ、第5戦のクラッシュで怪我をした黒澤治樹に代わり土屋武士がドライブした。

Team TAISANは2005年以来となるエンドレスとのタッグが復活した。チーム名を「TEAM TAISAN ENDLESS」として参戦。911号車[26]は前年26号車でドライブした峰尾恭輔と前年第4戦、第5戦にサンダーアジアレーシングで参戦していた横溝直輝がドライブする[27]

TeamSGCは前年同様の体制で参戦を予定していたものの、チーム側の事情により開幕戦に出場しない事が明らかになり、第2戦以降の参戦も不透明な状況だったが[28]、第4戦より参戦することが決定した[29]。ドライバーは前年同様折目遼アレキサンドレ・インペラトーリだが、第7戦以降はインペラトーリに代わり山野直也がドライブする。

昨年はスポット参戦だったTeam ART TASTEは今期も参戦。ドライバーはティム・ベルグマイスターに加え、SAMURAI Team TSUCHIYAから土屋武士が移籍しコンビを組む[30]。第2戦ではベルグマイスターの弟であるヨルグ・ベルグマイスターも参戦した。しかし第2戦富士で大クラッシュしドライバーのティム・ベルグマイスターが負傷、この影響から第3戦セパンの出場を取り止め、6月27日に残りシーズンの参戦を中止することが正式に発表された[31]。 

ディジョンレーシングは「日本橋プロジェクト」とのコラボレーションを実施、同プロジェクトのイメージキャラクター「音々」と「光」のキャラクターラッピング仕様で参戦する[32]

チーム 無限は開幕前の発表時点では1stドライバーが武藤英紀に決定したのみだが、7月4日のもてぎでのシェイクダウンと同時に体制発表が行われ、2ndドライバーには中嶋悟の次男 中嶋大祐中嶋一貴の弟)が決まり、チーム代表には安井一秀、チーム監督には2004年、2005年にM-TECで監督を務めた熊倉淳一が就任した。カーナンバーは定番の16番に決まった[33]

テレビ・インターネット中継

前年同様、J SPORTSによるBS[34]/CSでの全戦生中継(第1戦の予選のみ録画で放送)と、テレビ東京系『SUPER GT+』でのダイジェスト放送が行われる。この他、ニコニコ生放送にて、J SPORTSの映像を使用して全戦の公式予選と一部のレースの公式練習の無料ライブ配信を行う[35]
エントリーリスト
GT500クラス

No.マシンドライバーエントラントタイヤ
1
S Road REITO MOLA GT-R 柳田真孝
ロニー・クインタレッリMOLAM


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