2012年のFIA_GT1世界選手権
[Wikipedia|▼Menu]

2012年のFIA GT1世界選手権
前年:2011翌年:2013

2012年のFIA GT1世界選手権は、FIA GT1世界選手権の3年目のシーズン。2012年シーズンは、前2シーズンのGT1レギュレーションに代わってGT3レギュレーションで争われた。選手権はドライバーズタイトルとチームタイトルが懸けられた[1]。前年度チャンピオンチームのエクシス AMRはエクシス・レーシングと名前を変えて継続参戦した一方、ドライバーズチャンピオンのミハエル・クルムルーカス・ルーアは他カテゴリーへの参戦となった。

シリーズはフランスノガロ・サーキットで4月6日に開幕し、イギリスドニントン・パークで9月29日に閉幕した。全9戦中ロシアとスロバキアの2戦が新たに開催された。開幕戦では6つのマニファクチャラーと7つの新規参入チームがデビューを果たした。
開催カレンダー

SROグループのCEO、ステファン・ラテルは前年シーズン中に2012年のカレンダーはヨーロッパラウンドと同様にブラジル、アルゼンチン、アラブ首長国連邦でのレースが開催されると述べている。ラテルはまた、彼の考えではヨーロッパラウンドは最大4戦、これにオーストラリア、北米、ロシアでのレース追加の可能性も協議されていると語った[2]。2011年最終戦でラテルは2012年シーズンは、前2シーズンの開幕戦であったアブダビのヤス・マリーナ・サーキットに代わってフランスのノガロで開幕することを確認した[3]。アブダビラウンドはカレンダーから外れ、同様にシルバーストンザクセンリンクも外れることとなった。ポール・リカール・サーキットも外れ、代わってノガロ・サーキットで開催されることとなった。モスクワ・レースウェイで開催されるイベントは、ロシアで開催される初のメジャー・モータースポーツ・イベントとなる。また、最終戦はアルゼンチンのサンルイスからインドのブッダ・インターナショナル・サーキットで開催されることとなった[4]

シーズン開幕の一週間前、SROは更にカレンダーの改訂を行った。ザントフォールトとサンルイスがカレンダーから外れ、6月にスロバキアのアウトードロモ・スロバキア・リンク、9月に韓国の韓国インターナショナルサーキットでのレースが開催されることとなった。ロシアラウンドの日程は変更となり、当初より2週間遅れで開催されることとなった[5]。韓国でのレースは後にカレンダーから外れ、代替イベントが考慮された。7月1日、中国での2戦がキャンセルとなる[6]。7月27日にSROはキャンセルされた中国での2戦に代えて、ヨーロッパでのイベント:8月にスロバキアリンク、9月にニュルブルクリンクでのレースが開催されると発表した[7]。また、モスクワとニュルブルクリンクではGT1世界選手権とGT3ヨーロッパ選手権が同時に開催されることとなった。

ラウンド開催国サーキット開催日
1 フランスノガロ・サーキット4月9日
2 ベルギーゾルダー・サーキット4月22日
3 スペインナバラ・サーキット5月27日
4 スロバキアアウトードロモ・スロバキア・リンク6月10日
5 ポルトガルアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェ7月8日
6 スロバキアアウトードロモ・スロバキア・リンク8月19日
7 ロシアモスクワ・レースウェイ9月2日[8]
8 ドイツニュルブルクリンク9月23日
9 イギリスドニントン・パーク9月30日

エントリー
レギュレーション

より多くのメーカーが選手権に参加できるようにするため、SROグループとFIA世界モータースポーツ協議会は新しいレギュレーションを工夫し、様々なクラスの車両が一つの選手権を争い混走するのを許容した。新カテゴリーはGTワールドと呼ばれ、2011年のGT1規定とGT3規定およびそれらとバランスが取れるように改訂された2009年のGT2規定車両が混走することとなった[9]

SRO、FIAおよびチームオーナーは更なるミーティングの後、GTワールドからGT2車両を排除することと、GT3カテゴリーから規則を採用することに合意した。GT3車両は新たなGTワールド規定の仕様にアップグレードされることとなり、GT1車両はGTワールド仕様に性能を並べることとした。性能の均等化の過程として、GT3車両は最高速度を向上させるためカーボンブレーキの使用が許可され、排気騒音レベルの制限も抑えられた。GT3で許可されていたアンチロックブレーキもGTワールド規定で採用された。前2シーズンでは全ての車両がシーズン中に性能レベルを均等化させるためパフォーマンスのバランス変更が行われたが、GTワールドでも同様に行われることとなった[10]

2011年のFIA世界モータースポーツ協議会の最終ミーティングで、FIAとSRO、チームオーナー、マニファクチャラーは選手権の機構に関して、2012年シーズンは既存のGT1車両の数が十分でない場合GT3車両のみで運営することに同意した[11][12]。結局は1クラスのみでの運営となったため、GT3車両のために提案された性能アップグレード方策の大半は、排気騒音レベルと性能バランス調整のみを残して廃棄された。シリーズはまたタイヤを変更し、ミシュランに代わってピレリが供給することとなった[13]。また、シリーズはGT3車両によって争われることとなったが、FIA GT世界選手権に改名するという案も廃案となった。
チームおよびマニファクチャラー

新たなGTワールド・レギュレーションの一部として、前年までマニファクチャラーはその支援しなければならないプライベイターチーム数が2と規定されていたが、これが1に減少した。これによって前年まで5つだったマニファクチャラーが10以上に増加することとなった。2011年7月に実施されたスパ24時間レースでステファン・ラテルは、2012年シーズンは7つのチームとマニファクチャラーが参加し、いくつかのチームが継続参戦すると発表した。この中にはヤングドライバー AMR、ミュニッヒ・モータースポーツ、JRモータースポーツ、マルクVDS、ベルジャン・レーシングが含まれていた。しかしながら、マルクVDSとベルジャン・レーシングは後にブランパン耐久シリーズに集中するため本シリーズから撤退することとなった[14]。また、ヤングドライバー AMRもADAC GTマスターズに転向した[15]。JRモータースポーツとスモウ・パワーはFIA 世界耐久選手権に転向し本シリーズから撤退した[16]。2011年シーズンのチャンピオン、エクシス・レーシングは後にマクラーレンとジョイントしてシリーズへの参戦を発表、ミュニッヒはメルセデス・ベンツを使用することとなった。

2012年シーズンの新しいエントリーは、2010年シーズンのチャンピオンチーム、Vita4One レーシングがBMWのサポートを受けてマルクVDSに代わって復帰、また同シーズンに参加していたロイター・エンジニアリングもランボルギーニのサポートを受けて復帰する。GT3ヨーロッパ選手権に参加していたチーム WRTがGT1に転向、アウディのサポートを受け参戦、かつてタイトルを獲得したこともあるAFコルセフェラーリのサポートを受けて復帰する[17]。グリッド数は後に18台に拡大され、エグジム・バンク・チーム・チャイナはベルギーのポルシェ使用チーム、ミュールナー・モータースポーツの支援を受けて継続参加することとなり、またヴァルモン・レーシングチーム・ロシアはアストンマーティンのサポートを、スペインのツーリングカーチーム、サンレッド・エンジニアリングはフォードのサポートを受けて参加することとなった[18]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:105 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef