ホワイトハウス前の公園のシーンで、ベンチに座っている男性という役でクラークがカメオ出演している。スタンダード・サイズに編集された版では画面外になってしまって見ることができない。また、看護師が読んでいるシーンで使われる雑誌『タイム』の表紙には、アメリカ大統領としてクラークが、ソ連書記長としてキューブリックが、それぞれ描かれている。
スタッフ
原作:アーサー・C・クラーク
監督・製作・脚本・撮影:ピーター・ハイアムズ
SFXスーパーバイザー:リチャード・エドランド
SFX ボス・フィルム・コーポレーション(BFC)
音楽:デイヴィッド・シャイア
美術:アルバート・ブレナー
編集:ジェームズ・ミッチェル
ビジュアル・フューチャリスト:シド・ミード
豆知識
フロイド博士がApple ComputerのMacintosh、Apple IIcを浜辺で使用するシーンがあり、アップルコンピュータによる映画におけるプロダクト・プレースメント(商品を映画作品などに登場させることで商品を認知させ、商品ブランドを構築する広告手法)の初期の例とされる。ただしこの製品は映画と同じ1984年発売であり、進歩の早いコンピュータ製品で作中の年代まで実用的に使われている可能性があるかどうかは公開当時から疑問視された。
ソビエト連邦が存続していることを前提にした上に米ソ冷戦が続いているという設定で作られたストーリーのため、現実の歴史は異なる展開となった。1991年にソ連は崩壊。フロイド博士が海辺で雑誌『オムニ』を読むシーンがあるが、実際の書籍版の『オムニ』は1996年に発行を中止している。また、前作に登場したスペースプレーンをはじめ、本作でもテレビCMで登場するパンアメリカン航空も1991年に経営破綻して解散している。
主な視覚効果製作を手がけたEEG(="Entertainment Effects Group")は元々、前作で多くの視覚効果を発案したダグラス・トランブルのプロダクションだった。視覚効果監修を務めたのは『ジェダイの復讐』でILMを退いたリチャード・エドランド。視覚効果を65mmカメラで撮影するトランブルのスタイルを継承した。EEGでの仕事は他に、同じ年の『ゴーストバスターズ』があった。EEGはこの後社名をBFC(="Boss Film Corporation")と改める。
ディスカバリー号が再登場するが、前作で撮影に使われたディスカバリー号の模型は設計図と共に失われていた。これは他の作品への転用を防ぐ目的でキューブリックが破棄させたといわれる。そのため映像を基に新たにディスカバリー号が製作された。レオーノフ号関係のデザインはシド・ミードが手掛けている。また、シド・ミードは小道具で使用されたオムニの表紙をデザインした。
ジョン・ホイットニーJr.