2010年の台風
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2010年の台風
軌跡の地図
最初の台風発生3月24日
最後の台風消滅10月30日
最も強かった
台風台風13号 ? 885 hPa,
125 kt (10分間平均)
熱帯低気圧の総数31
台風の総数14
タイフーンの総数9
スーパータイフーンの総数1
総死亡者数398
総被害額2.95 億ドル (2010 USD)
年別台風
2008, 2009, 2010, 2011, 2012

2010年台風(2010ねんのたいふう、太平洋北西部で発生した熱帯低気圧)のデータ。

年間を通しての台風の発生数はわずか14個であったが、これは1951年の統計開始以降で最も少ない発生数である[1][2][3][4]。平年の発生数(約26個)のおよそ半分であり、それまでの最少記録であった1998年を更に下回った(発生数が20個に満たなかったのは2010年と1998年と1969年のみである)。

日本に接近した台風の数だけでも7個であり、統計史上4番目の少なさであった。7個のうち2個(台風4号9号)は上陸台風であったが、いずれの台風も九州西方沖から対馬海峡(釜山付近)を通って日本海側から上陸するという珍しい台風であった(9号は統計史上初めて北陸地方に上陸)。すなわち、一般的な台風のように太平洋側から上陸した台風は1個もなかったことになる。ちなみに、沖縄への接近数は6個(平年は約7個)と少なめ、伊豆小笠原諸島への接近数も2個(平年は約5個)とかなり少なかった。

台風1号は3月24日に発生し、決して遅くはなく平年並みであったが、その後7月になるまでは台風が1個も発生しない状態が続き、8月から10月までは発生したものの、11月や12月には一切発生しなかった。

中央太平洋と東太平洋におけるハリケーンの発生数も記録的に少なく、太平洋全域で異常なほど静かなシーズンとなっていた[5]

この年は台風の経路が全体的に西に偏っており、東経150度より東側の領域を通過した台風はなかった[5]

さらに、発生場所が高緯度だった台風が多かったこともこの年の台風の特徴といえる。気象庁によれば、フィリピンの東海上における太平洋高気圧の勢力が強く、発達した積乱雲が出来にくい状態であったことが一因とされている[4]。2010年は、春から夏にかけて、南米ペルー沖の海面水温が高いエルニーニョ現象から、低いラニーニャ現象に移行した年であった[6]。この年と同様に台風の発生が少なかった1998年も移行年であり、移行年はフィリピンの東の海上が高気圧になるという分析もあるという[6]
台風の発生数

台風の年間発生数発生数が多い年発生数が少ない年
順位年発生数順位年発生数
11967年
3912010年14
21994年 1971年3621998年16
41966年3532023年17
51964年3441969年19
61989年 1974年 1965年3252011年 2003年 1977年 1975年
1973年 1954年 1951年21
92013年 1992年 1988年 1972年
1958年31

台風の日本接近数

台風の年間日本接近数(上陸数を含む)接近数が多い年接近数が少ない年
順位年接近数順位年接近数
1
2004年 1966年 1960年1911973年4
42012年1721995年5
52018年 1955年1631977年6
72019年 2000年 1997年 1994年
1965年 1961年 1958年1542020年 2010年 1983年 1979年7
82017年 2009年 1998年 1969年
1964年 1951年8

月別の台風発生数

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
1254214

各熱帯低気圧の活動時期
「台風」に分類されている熱帯低気圧
台風1号(オーマイス)

201001・02W・アガトン

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)



発生期間3月24日 ? 3月26日
ピーク時の強さ35 kt (10分間平均) 
998 hPa

3月22日21時に、カロリン諸島熱帯低気圧が発生。北西に移動しながら少しずつ発達し、24日21時にフィリピンの東で台風となって、アジア名「オーマイス(Omais)」と命名された[7]。また、フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)はこの台風について、フィリピン名「アガトン(Agaton)」と命名している。この年初の台風だが、ほぼ平年並みの時期に発生した。しかし台風はほとんど発達せず、最盛期でも中心気圧は998 hPaまでしか下がらなかったことに加え、寿命も短く、発生から2日後の26日に消滅した。
台風2号(コンソン)

201002・03W・バズヤン

タイフーン (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)



発生期間7月12日 ? 7月18日
ピーク時の強さ70 kt (10分間平均) 
970 hPa
詳細は「平成22年台風第2号」を参照

7月12日にフィリピンの東海上で発生し、アジア名「コンソン(Conson)」と命名された[8]。また、フィリピン大気地球物理天文局はこの台風について、フィリピン名「バズヤン(Basyang)」と命名した。13日にはフィリピンのルソン島中部に上陸し、死者や行方不明者を出した[8]。その後は南シナ海を通過して中国海南島に接近した後、ベトナム北部に上陸し、18日に熱帯低気圧に変わった。7月12日までの時点で台風が2個以下しか発生していない年は、1951年以降ではこの年を含め6つしかなく、中でも1975年と1998年は1個だけだった(最大は1971年の15個)[8]
台風3号(チャンスー)

201003・04W・カロイ

タイフーン (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)


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