2010年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火
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エイヤフィヤトラヨークトルの2010年の噴火
2010年4月17日にみられた噴煙柱。
火山エイヤフィヤトラヨークトル
年月日2010年4月14日
場所 アイスランド
.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯63度37分59秒 西経19度36分00秒 / 北緯63.633度 西経19.6度 / 63.633; -19.6座標: 北緯63度37分59秒 西経19度36分00秒 / 北緯63.633度 西経19.6度 / 63.633; -19.6
火山爆発指数4

2010年4月14日から25日にかけての火山灰の雲を合成した地図。
プロジェクト:地球科学プロジェクト:災害

エイヤフィヤトラヨークトルの2010年の噴火(エイヤフィヤトラヨークトルの2010ねんのふんか)では、アイスランドエイヤフィヤトラヨークトルでの一連の主要な火山活動に関わる事象を解説する。

この噴火は、火山噴火としては比較的小規模であったが、2010年4月の6日間を最初の期間とし、以後、西ヨーロッパ北ヨーロッパの全域で航空運行に重大な混乱を引き起こした。その後、一局に集中された混乱が2010年5月まで継続した。噴火は2010年10月に終わったと公式に宣言された。そのとき氷河の雪は溶けなかった。
概要

まず2009年の年末に地震活動が始まり、2010年3月20日までに徐々に強さが増加した。始まった小さな噴火の火山爆発指数(VEI)の値は1と評価された[1]

2010年4月14日に始まった活動から噴火は第2段階に入り、2010年4月15日から20日にかけてヨーロッパのIFR空域の大部分を閉鎖に至らしめた灰雲(en)を生じさせた。その結果、ヨーロッパの地域内での航空便だけでなく、地域外からヨーロッパへの、またはヨーロッパから地域外への、多くの航空便がたいへんな規模でキャンセルされ、第二次世界大戦以後の航空運行の混乱としては最もひどい状況を引き起こした。

噴火の第2段階は2010年4月14日に始まり、放出されたテフラの量は2億5千万立方メートル(3億3千万立方ヤード)(.mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1⁄4 km3)となった。噴煙柱はおよそ9キロメートル (30,000 ft)の高さに至り、VEIは4と評価された[2]

2010年5月21日までには、噴火の第2段階は、新たな溶岩または灰が発生されない程度に収まった。

2010年5月24日の朝までには、ソゥルオゥルフスフェットル( ⇒Torolfsfell)の上に設置されたウェブカメラがとらえた映像は、硫黄を含むガスの排出によって生じた青っぽい靄に取り巻かれた水蒸気の柱だけを示した。

地表に広がる大量の乾いた火山灰を地表風がしばしば舞い上げることで、「灰霧」が起きて可視性が悪くなり、火山のウェブカメラによる観測を不可能にした[3]

2010年6月6日の夕方までには、小さな新しい噴火口が、少量の灰の放出を伴う爆発的活動が観測された主要な噴火口の西部に開放された[4]。地震計のデータは、地震動の頻度と強さがまだ噴火前に観測されたレベルを上回っていることを示した。これを受けて、アイスランド気象庁(IMO)とアイスランド大学地球科学研究所( ⇒Institute of Earth Sciences, University of Iceland。IES)の科学者達は火山の観測を継続した。

2010年10月、アイスランド大学地球科学研究所の科学者、Armann Hoskuldssonは、地域がまだ地熱によって活動的で、再び噴火するかも知れないが、噴火が表向きは終わっていると述べた[5]
噴火の背景詳細は「エイヤフィヤトラヨークトル」を参照

エイヤフィヤトラヨークトル(アイスランド語: Eyjafjallajokull。発音: [???ja?fjatla?j?k?tl?] listen[ヘルプ/ファイル])は、アイスランドにある比較的小さな氷河の1つである。氷河はスコゥガル村の北、そしてより大きな氷河ミルダルスヨークトルの西にある。

氷河の氷冠は、高さ1,666メートル(5,466フィート)の火山を覆っている。その火山は、最後の氷河期以来、比較的頻繁に噴火している。ごく最近に起こった大規模な噴火は、920年1612年(このときはわずか3日間続いたと考えられている)、そして1821年から1823年(断続的に1年以上の間)にかけて起きていた[6]。なおエイヤフィヤトラヨークトルの噴火の後には、隣にあるより大きなカトラ火山で噴火が続いて起こっている[7]
噴火の経緯

※地名へのリンクには、一部英語版Wikipediaの記事へのリンクも含む。
観測の開始

2009年のクリスマスの近日中に、火山性地震がエイヤフィヤトラヨークトルの火山地帯で続発し、火山の地下7 kmから10 kmの地点を震源とした小規模な地震(ほとんどがマグニチュード1か2)は数千回にも及んだ[8]

2010年2月26日、エイヤフィヨットル地方のソルヴァルスエイリ (Torvaldseyri) 農場にあるアイスランド気象研究所(位置としては、今回の噴火口の南東15 kmほどの地点[9])のGPSが、付近の地殻が3 cm南方に移動したことを指し示し、そのうちの1 cm分は4日以内で移動したことがわかった。この異常な地震活動とそれに伴う地殻変動は、エイヤフィヤトラヨークトルにある火山のマグマ溜まりにマグマが溜まりつつあり、その圧力によりソルヴァルスエイリ (Torvaldseyri) 農場付近で大規模な地殻変動が起こりつつあるという地球物理学者たちの仮説を裏付けるには充分な証拠となった[10]

地震活動はますます活発になり、同年3月3日から3月5日にかけては、火山を震源とする地震が3,000回も観測された。噴火の前兆と捉えるにはあまりにも微弱なもの(マグニチュード2)がほとんどだったが、付近の町では体に感じるような地震も増えてきていた[11]

なお、実際に火山が噴火した後の2010年4月23日、日本の陸域観測技術衛星だいちの撮影した画像を東京大学地震研究所が分析した結果、2009年8月末頃から山体が膨張する地殻変動が始まっていたのが判明している。おそらくは地下にマグマがたまっていったことにより、2009年8月から2010年4月までの間に火口周辺が約20cm、北東10kmの付近が約70cm隆起していたという[12]
第1段階:溶岩を噴出する噴火フィムヴェルズハゥルスで最初に発生した亀裂を観察している人々。.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}英語版ウィキニュースに本記事に関連した記事があります。


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