2007年の気象・地象・天象
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さらに秋も記録的高温で西日本では歴代1位の暖秋となった。特に9月は太平洋高気圧の勢力が異常に強く、九州では連日のように季節外れの熱帯夜真夏日を観測したりするなど、この残暑は10月上旬まで続いた。西日本は少雨傾向となり、ところどころで渇水による影響も発生した。

11月は前半は移動性高気圧に覆われ晴れたため高温傾向で推移し、同月後半にはこの時期としては強い寒気が南下し北日本では大雪に見舞われるなど、寒暖の変動が大きい11月であったが、月平均では気温は平年並みに推移した。12月も寒暖の変動が大きかったが、冬型の気圧配置になる日が少なく寒気の南下が弱かったため、気温は高めであった。
2007年の猛暑 (日本)も参照。

2007年は上記の影響で、全国的に雨が少なく全国の年降水量平均は平年の9割弱であった。徳島他2地点では年降水量の最小値を更新している(2007年:860.5mm、平年値:1540.7mm)。

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世界


1月から2月にかけてエルニーニョ現象が起こった。この影響があると見られる、南米アフリカ東部の豪雨、東南アジアの低温、北米ヨーロッパの嵐が相次いだ。

南アジアではモンスーンの豪雨や暴風雨が相次いだ。インドでは8月末までの死者が合計2200人近くに達した。バングラデシュでは100万件近い家が被害を受け、約1,600万人が被災し、直接的な被害に加えて赤痢呼吸器疾患などの感染症が蔓延し、8月末までの死者は835人に達した。ネパールでも150人以上が死亡した。10月初旬のOCHAの報告では、今年のモンスーンの大雨による死者は4,000人以上、6,600万人が影響を受けたという。また、11月のサイクロンはバングラデシュを中心に大規模な洪水を発生させ、水害による死者はネパール国内だけで合計4,000人近くに増えた。

オーストラリアでは、2006年に引き続いて年の前半は東部、後半は南部を中心に記録的旱魃が継続した。6月や7月は沿岸部を中心に集中豪雨が発生するなど、所々で降水量の多い時期もあったが、降水量が極端に少ない地域もあった。同国では農業を中心に大きな打撃を受けるとともに、この旱魃と地球温暖化の関連性が大きく取り沙汰され、11月24日に行われた同国の総選挙での与党の大敗の要因の1つとなったとの見方がある。

また、5月ごろからラニーニャ現象が発生した。北大西洋振動などの影響も見られ、6月上旬・中旬に南アジア、6月下旬と7月下旬にヨーロッパ南東部、8月上旬・中旬にアメリカ中西部・南部、8月中旬に日本と、北半球各地に次々と熱波が襲来し、多くの死者も出た。

アメリカでは、南部、南東部、中西部の一部で少雨となり、記録的な旱魃となった地域もあった。

中国では、内陸部を中心とする南部で少雨が続き、年間降水量が平年の2割程度に満たない地域もあった。

一方南半球では、南アフリカや南アメリカ南部に数回に渡って寒波が襲来し、珍しい大雪となった地域があった。

イギリスなどヨーロッパ西部の広範囲で、秋の降水量が少なかった一方、同時期にヨーロッパ西部では多雨となった。

アフリカでは、長期の旱魃が続く地域がある一方、集中豪雨や長雨に見舞われる地域も多かった。西アフリカでは7月?10月の雨季の間に記録的な洪水が発生し、各地で合わせて200人以上が死亡、80万人近くが影響を受けた。

北アメリカや中米ではカテゴリー5のハリケーン2つをはじめとして、勢力の強いハリケーンが複数直撃したり、熱帯性暴風による大雨が降るなどし、暴風や洪水などによる被害が出た。

極地の氷は縮小した。特に9月、北極海の氷の縮小により、これまで年中を通して氷に閉ざされていたカナダ北方の「北西航路」から氷が消えたことが欧州宇宙機関の衛星により観測された。

地震・火山

千島列島ソロモン諸島ペルー沖、スマトラ島沖など、海溝型の大地震が続発した。また、イギリス(ケント地震(英語版))やノルウェーアメリカ東部などの地震が少ない地域でM4?5程度の地震が相次ぎ、各地で話題となった。

東南アジア、オセアニア、日本、南アメリカ西部でM7?M8クラスの地震が相次いで起こり、多くの被害が発生した。M8以上の地震は4回も発生した(USGSの資料による)。また、この年最も死者が多かったペルー地震は死者約500人と伝えられており、年最多死者が1,000人を下回ったのは2000年以来となった。また、レユニオン島のピトン・ドゥ・ラ・フルネーズでは過去最大規模の噴火が起こったほか、インドネシアや南米・中米などで複数の火山が噴火した。イエメンのJabal al-Tair島で死者が出たほかは、火山活動による大規模な被害は無かった。
できごと
1月キリル千島列島沖地震の震源マックノート彗星、1月16日夕方シドニーにて

前年12月末?1月5日ごろ - インド北東部、ネパールバングラデシュで寒波により約110人が凍死。

1日?5日 - ブラジル南東部で豪雨、土砂崩れなどにより8,000人が被災。

4日 - イギリス気象庁(Met Office)が、2007年の世界の平均気温は過去最も高くなる可能性が高いとの予測を発表。過去最高だった1998年に並ぶかそれ以上になる確率は60%との予想。

1月11日?1月24日 - 低気圧が発達しながら北アメリカを通過。冬の嵐となり、カナダ五大湖沿岸部では大雪、アメリカ中西部の南部や西海岸、メキシコでは大雪と低温に見舞われ、交通網がマヒし、オレンジなどの農作物への被害や停電が相次いだ。東部にも影響は及び、ニューハンプシャー州ワシントン山では体感温度-65°Cという記録的な低温を観測した。各国で合計85人以上が死亡した。(2007 North American ice storm)

1月13日

前年11月の2006年千島列島沖地震に続き千島列島沖で強い地震千島列島沖地震)。北海道太平洋沿岸に津波警報、その他、北海道日本海沿岸・東北関東東海関西の各地方と、伊豆諸島小笠原諸島津波注意報北海道太平洋沿岸・東北地方小笠原諸島など各地で、津波を観測。

スリランカ中央部で洪水が発生し、13人が死亡、6万人が家を失った。

マックノート彗星光度が、彗星としては1935年以降以降2番目に明るい-6.0等まで上がり、日中でも肉眼で見ることができるほどの明るさになった。


1月17日?1月19日 - 低気圧キリル(Kyrill)がヨーロッパを通過。風や大雪によりヨーロッパの広い範囲で停電や交通の乱れ。死者は44人に上った。

1月21日 - インドネシアスラウェシ島でM7.5の地震が発生。2月1日に発生したM5.7の余震とあわせて5人が死亡。

月末?2月初め - 寒波の影響で、メキシコ北部を中心に75人が死亡。うち34人は暖房による一酸化炭素中毒で死亡していたことが分かった。また、数千頭の家畜が凍死するなどした。

2月ニューオーリンズの竜巻大雪に見舞われたアメリカ中西部(2月15日、NASAによる)サイクロン・ファビオ竜巻の被害を受けたエンタープライズ高校、ヘリコプターより撮影

上旬

ジャワ島東部で豪雨が続き、ジャカルタ周辺で洪水。50万以上の家屋が浸水し、100人近くが死亡。感染症の流行により更なる被害の懸念も。

インドシナ半島フィリピンで低温。野菜などに被害。カンボジアベトナムラオスタイ北部では2月としては最も低い気温を記録。


上旬?中旬 - 2006年12月から続く長雨によりペルー・ボリビア各地で洪水、60人以上が死亡・行方不明となり、35万人が家を失う。農地や家畜への被害、伝染病の流行も。

2月2日


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