この記事は中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、議論中です。そのため、中立的でない偏った観点から記事が構成されているおそれがあり、場合によっては記事の修正が必要です。議論はノートを参照してください。(2006年12月)
2002年ソルトレークシティオリンピックのフィギュアスケート・スキャンダルでは、2002年にソルトレークシティオリンピックにおけるフィギュアスケート競技において発生した採点・判定への疑惑提起からその処置にいたるまでを総称したものである。
この一連の件は関係機関(IOCあるいはISU)において正式な名称を与えられているわけではないが、一般に「2002 Olympic Winter Games figure skating scandal」「figure skating judging scandal」などと呼ばれて、議論の対象となっていた。
2002年に開催されたソルトレークシティオリンピックにおけるフィギュアスケート競技では、判定を巡る激しい論争が発生した。国際オリンピック委員会は当初2位であったカナダペアにも2個目の金メダルを授与するという異例の事態となった。この事件をきっかけにしてフィギュアスケート競技の採点方法が全面的に変更された。この事件に続いて国際スケート連盟(ISU)内部の内紛が発生し、ISU技術委員のロン・フェニングら一部の理事が連盟の運営方針を痛烈に批判し、ISU及び各国のスケート連盟から追放されるという事態ともなった。 問題の発端は、2002年2月11日に行われたペア競技のフリースケーティングであった。ショートプログラムを1位で通過したロシアのエレーナ・ベレズナヤ&アントン・シハルリドゼのペアが、フリースケーティングにおいて男性が1回だけジャンプ着氷時にステッピングアウトを犯してしまった。一方で、続いて滑ったカナダのジェイミー・サレー&デヴィッド・ペルティエのペアもノーミスで演技を終えた。演技終了後、カナダのペアには大歓声が注がれ、会場もカナダのペアも優勝を確信した。しかし、採点では9人のジャッジのうち5人がロシアのベレズナヤ&シハルリドゼのペアに1位を付け、カナダのサレー&ペルティエのペアは銀メダルとなった。 当初、サレー&ペルティエ組はこの結果を受け入れていたが、アメリカとカナダのマスコミはノーミスであったサレー&ペルティエ組が着氷ミスをしたベレズナヤ&シハルリドゼ組に負けるのは不当判定であるとして大騒ぎを始めた(他国のメディアはこの騒ぎを客観的に報道するのみであった。)[1]。フリースケーティングの翌日である2月12日に開かれたISUの技術委員会においてフランスのジャッジであったマリー・レイヌ・ルグーニュ
スキャンダル
2月15日、この騒ぎを受けてISUのオッタビオ・チンクアンタ会長が独自の行動を表明し、「フランスの審判員に不適切な行為があった」という理由を示してフランスの審判員の判定を削除し、1位をつけたジャッジの数を4対4の同数に変更してカナダ組にも金メダルを授与した。
この問題に関してISUは、4月30日にルグーニュとフランス連盟会長に3年間の国際試合出入り禁止及び次回開会国であるイタリアの2006年トリノオリンピックでの出入り禁止を決定しており[2]、全ての調査を終えた[3]。 ベレズナヤ&シハルリドゼRUSCHNUSAFRAPOLCANUKRGERJPN ペア競技のレフリーとジャッジ[4] この事件をきっかけとして、フィギュアスケート競技の国際競技会における採点方法は大きく変化した[5]。チンクアンタ会長はオリンピック開催期間中である2月16日に早くも「数日以内に新しい採点システムを提案する」と表明[6]。2月18日に発表された素案についてチンクアンタ会長は「判定における国と国の間の裏取引を防ぐためのシステムである」としている[7]。この新採点システムについてISUは構想発表時に「ソルトレイクシティで発生したような判定を巡るトラブルを一掃する為のシステム」と説明している[8]。 なお、新旧の採点システムの具体的な違いについては、「フィギュアスケートの採点法」の項目中に詳細な説明があるので、本項では省略し、本事件との関わりに限定して説明する。
採点の分析
技術点5.85.85.75.85.75.75.85.85.7
芸術点5.95.95.95.95.95.85.95.85.9
席次112112122
サレー&ペルティエRUSCHNUSAFRAPOLCANUKRGERJPN
技術点5.85.95.85.85.85.95.85.95.8
芸術点5.85.85.95.85.85.95.85.95.9
席次221221211
役職名前所属国
レフリーロン・フェニングISU
アシスタント・レフリーAlexander LakernikISU
ジャッジ No.1マリナ・サナヤロシア
ジャッジ No.2Jiasheng Yang中華人民共和国
ジャッジ No.3Lucy Brennanアメリカ合衆国
ジャッジ No.4マリー・レーヌ・ルグーニュフランス
ジャッジ No.5Anna Sierockaポーランド
ジャッジ No.6Benoit Lavoieカナダ
ジャッジ No.7Vladislav Petukhovウクライナ
ジャッジ No.8Sissy Krickドイツ
ジャッジ No.9杉田秀男日本
採点方法の歴史的意義