20センチュリー・ウーマン
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20センチュリー・ウーマン
20th Century Women
監督
マイク・ミルズ
脚本マイク・ミルズ
製作アン・ケアリー
ミーガン・エリソン
ユーリー・ヘンリー
出演者アネット・ベニング
グレタ・ガーウィグ
エル・ファニング
ルーカス・ジェイド・ズマン
音楽ロジャー・ネイル
撮影ショーン・ポーター
編集レスリー・ジョーンズ
製作会社アンナプルナ・ピクチャーズ
アーチャー・グレイ
モダン・ピープル
配給 A24
ロングライド
公開 2016年12月28日
2017年6月3日
上映時間118分[1]
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$7,000,000[2]
興行収入 $5,826,956[3]
60,000,000円[4]
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『20センチュリー・ウーマン』(トゥエンティセンチェリー・ウーマン、原題:20th Century Women)は、2016年アメリカ合衆国で公開されたヒューマンドラマ映画である。監督はマイク・ミルズ、主演はアネット・ベニングが務めた。

本作は批評家・観客の双方から称賛され、特にマイク・ミルズの脚本と演出及びアネット・ベニングの演技は「キャリアベストの仕事」と絶賛された(後述)。前者は第89回アカデミー賞において脚本賞にノミネートされたが、受賞は逃した。
ストーリー

1979年カリフォルニア州サンタバーバラ。 15歳の息子ジェイミーとの関係が上手くいっていないことに悩むシングルマザーのドロシーは、知人の写真家アビーとジェイミーの幼馴染ジュリーに助けを求めた。息子を支えてあげてほしい、と。その頃、ジェイミーは友人と共にロサンゼルスへロックコンサートに行っていた。帰宅したジェイミーは、親友のジュリーから「クラスメートと避妊せずにセックスをしてしまった。もしかしたら妊娠したかもしれない」と打ち明けられる。慌てたジェイミーは妊娠検査薬を購入した。検査の結果、妊娠せずに済んだことが判明する。その後、ジェイミーは今度はアビーから、癌検査の結果を聞きに行くのだけど一緒に来てくれないか、と相談され、病院に付き添うことになった。検査の結果、アビーはガンではなく良性であることが判明するが、子宮頸部が開きやすく妊娠に適さないと言うことを告げられた。病院に付き添ってもらったお礼として、アビーはジェイミーに秘密を打ち明ける。子宮に異常が出たのは自分の母親がジエチルスチルベストロール(DES:流産防止剤)を使用したからだと。

ある日、ジュリーはドロシーに「なぜ貴方は堅実な男性との恋愛ばかり追い求めるの? 貴方が本当に惹かれているのはウィリアムなのに。」と尋ねた。その考えも尤もだと思ったドロシーはアビーに刺激的な世界を教えてくれと頼んだ。アビーに教えてもらったパンククラブで、ドロシーとウィリアムは初めてキスをした。しかし、ウィリアムがアビーと肉体関係を続けていると知ったドロシーはそれ以上の関係になることを断った。ドロシーを愛していたウィリアムはアビーとの関係を清算した。ショックを受けたアビーはジェイミーとジュリーに「成功者になりたいならサンタバーバラを離れなさい」と言い放つのだった。

ジェイミーはアビーに連れて来てもらったロッククラブで酔っ払い、見知らぬ女の子とキスまでしてしまった。その頃、ウィリアムはドロシーから恋愛の育み方を教授されていた。ワンナイトラブばかり追い求めてきたウィリアムには、恋愛というものがよく分からなかったからである。クラブから帰ってきたアビーは、クラブを満喫するジェイミーを撮影した一枚をドロシーに見せた。その写真を見たドロシーは、自分の近くにいたのではジェイミーは充実した人生を送れないと確信するのだった。

ドロシーの下宿に住む人たちの人間関係は良好だったが、ジェイミーがフェミニズムへの関心を強めるにつれて、徐々に緊張感が生じていくことになった。
キャスト

アネット・ベニング - ドロシー・フィールズ、下宿の管理人でシングルマザー。ジェイミーの母親。

グレタ・ガーウィグ - アビゲイル・"アビー"・ポーター、子宮頸がんと闘病する写真家。

エル・ファニング - ジュリー・ハムリン、ジェイミーの親友。毎晩、ジェイミーと一緒に寝ているが、肉体関係を持ったことはない。

ルーカス・ジェイド・ズマン - ジェイミー・フィールズ、15歳の高校生。

ビリー・クラダップ - ウィリアム、大工として生計を立てる傍ら、ヒッピーのコミュニティにも顔を出している。

アリア・ショウカット - トリッシュ

ダレル・ブリット=ギブソン - ジュリアン

テア・ギル - アビーの母親

ローラ・ウィギンス - リネット・ウィンターズ

ナタリー・ラヴ- シンディ

ワリード・ズエイター - チャーリー

アリソン・エリオット - ジュリーの母親

製作
構想

ドロシーとアビーはそれぞれミルズの母親と姉をモデルにして構築されたキャラクターである。ミルズは「私は母親と姉に育てられたという気がしています。だから私はいつもパンクな世界にいる女性や私の周辺にいる女性に訴えかけるような作品を作ろうとしてきました。彼女たちとの交流を通して、私は異性愛者の白人男性の生とはどのようなものなのかを学んできました。本作ではそれを表現したかったのです。」と述べている[5]。ジェイミーというキャラクターにはミルズの経験が反映されているが、ジュリーはミルズの友人の経験を元に構築したキャラクターである[6][7]。ミルズは本作が自分を育ててくれた女性たちへのラブレターであると表現しており、「私を導いてくれたのはキャラクターそのものであり、実在する人間であった。勿論、私は実在する人々をモデルにこの映画を作ったわけですが、登場人物は実在する人そのものではありませんし、その人の全ての要素を投影することは出来ません。しかし、ドロシーが私の母親にそっくりなキャラクターであることは間違いないのです。」と述べている[8][9]。脚本を書き上げた後、ミルズはその映画化権をアンナプルナ・ピクチャーズに売却した。アンナプルナがミルズの脚本を購入したのは『人生はビギナーズ』に引き続いてのことである[10]
キャスティング

2015年1月、アンナプルナ・ピクチャーズとアーチャー・グレイの出資を得て、マイク・ミルズ自身が本作の監督を務めると発表された[11]。5月にはアネット・ベニング、グレタ・ガーウィグ、エル・ファニングの出演が決まった[12]。8月3日にはビリー・クラダップが本作に出演すると報じられた[13]

ドロシーを演じるに当たって、ベニングはミルズの母親が好きだった映画を鑑賞し、母親がどんな人間だったかを2人で議論したという[14][15]。フェミニストの写真家を演じるに当たって、ガーウィグはプロの写真家から撮影の技術を学んだだけでなく、キャラクターが読みそうな本を読んだり、聴きそうなレコードを掛けたりした。さらにガーウィグは、役のモデルとなったミルズ監督の姉と実際に話をしたのだという[16][17]。なお、ファニングはモーガン・スコット・ペックの著書『The Road Less Traveled』を参考資料として受け取ったのだという[18]
撮影

2015年9月8日、本作の主要撮影南カリフォルニアで始められ[11]、10月27日に終了した[19]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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