[2.2.2]プロペラン
IUPAC名
トリシクロ[2.2.2.01,4]オクタン
識別情報
CAS登録番号36120-88-4
SMILES
C1C23C(CC2)(CC3)C1
特性
化学式C8H12
モル質量108.18 g mol?1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
[2.2.2]プロペラン(2.2.2-Propellane)は、プロペランの仲間の有機化合物である。正式名称はトリシクロ[2.2.2.01,4]オクタン、である。化学式C8H12またはC2(=C2H4)3の炭化水素で、それぞれ4つの炭素原子から構成され、1つのC-C結合を共有する3つの環を持つ。
この化合物は、[1.1.1]プロペランほどではないが、不安定である。共有炭素の結合角は、かなり歪んでおり、そのうち3つは90°に近く、他の3つは120°である。ひずみエネルギーは、93 kcal/mol (390 kJ/mol)と推定される。 [2.2.2]プロペランは、1973年に、先にキュバンを合成していたフィリップ・イートンのグループによって[1]、下記の方法で初めて合成された。 この合成は、エチレンのシクロヘキサン誘導体1への光化学[2+2]環化付加反応により、二環式化合物2を生成するところから始まり、続いて、カリウム tert-ブトキシドによる酢酸の脱離反応によってシクロブテン3が生成する。その後、二度目のエチレンの環化付加反応により化合物4となる。この化合物は、酢酸とナトリウムメトキシドを用いた脱プロトン化とp-トルエンスルホニルアジドとの反応によってジアゾケトン
合成
最終生成物10は、室温での半減期28分で。溶液中で自発的に異性化し、単環アミド11となる。 高度にフッ素化された[2.2.2]プロペランがデヴィッド・レマルのグループにより合成された[2]。
誘導体
関連項目
プロペラン
[1.1.1]プロペラン
[3.3.3]プロペラン
出典^ Philip E. Eaton and George H. Temme (1973), [2.2.2]Propellane system J. Am. Chem. Soc., volume 95 issue 22, pp. 7508?7510; doi:10.1021/ja00803a052
^ Zhang, Y.; Smith, J.R.; Lemal, D.M. (1996) "Octafluorobicyclo[2.2.0]hex-1(4)-ene: A Greatly Strained Alkene with Novel Reactivity" J. Amer. Chem. Soc., volume 39, page 9454. doi:10.1021/ja961656o