2ちゃんねる
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こうした構図は2ちゃんねるもSNSも同じで、変わっていません」と主張している[35]。2ちゃんねるのユーザーについては「2ちゃんねらー」を参照
訴訟と所有権の移転詳細は「西村博之」を参照

2ちゃんねるでは誹謗中傷名誉毀損、第三者の個人情報著作物無断転載薬物の密売情報などが書き込まれた際に必要十分な対処がされないことが多く[22][注釈 1]、管理人(当時)のひろゆきに対する民事訴訟が後を絶たなかった。

しかし、ひろゆきは代理人弁護士を立てず、裁判への出席もしなかったため、ほとんどの裁判敗訴した(→擬制自白)。にもかかわらず損害賠償金を支払っていない。本人はそれについて次のように語っている。「僕は沖縄から北海道まで訴えられているので、自腹で日本中を回るか、1件100万円以上払って弁護士をつけるかなんです。でも『(裁判を)やらない』という選択肢をとったら何も起きなかった。これが現状。勝とうが負けようが、払わなければ一緒なんですよ」「もし僕に金を払わせたいなら、国会議員に言って、そういう法律を作ればいい」[36]

2006年から2007年にかけて破産宣告の第三者申し立てが行なわれ「2ちゃんねるのドメイン(2ch.net)」を含むひろゆきの財産仮差押えの申請がなされるなどし[37][38]2009年1月2日に、ひろゆきはシンガポールの「PACKET MONSTER INC.」に運営権を移転し管理人から退くこととなった[39]。しかし、実質的な運営権は移転しておらず管理会社は名義貸しをしただけであり[40]、ひろゆきは2013年に東京国税局から約1億円の広告収入の申告漏れを指摘された[41]

2010年1月には、2ちゃんねる内の書き込みを書籍化した『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』のひろゆきに支払われていた印税が差し押さえられ、初めて損害賠償金が回収された[42][43][44]
2ch.scと5ch.net詳細は「2ちゃんねるの歴史#管理権限紛争」を参照

2014年2月19日、2ちゃんねるの実質的管理権限が何らかの理由により「ジム」に移転、「ジム」が2ちゃんねるの実質的管理者となる。「ジム」と思われる人物の主張によれば「『N.T.Technology』会長ジム・ワトキンスがサーバー料金の未払いを理由に、当時の運営陣であるひろゆきらを全員解任し、管理人にワトキンス本人とその親族が就任する」という主旨の発表であった[45]

同年4月1日、ひろゆきは運営から外されたことについて「違法な乗っ取り行為である」と宣告し、2ちゃんねる(「2ch.sc」。略称「sc」)という名称の電子掲示板を設立し、自身が管理人に就任した[10]。2ch.scについては「2ちゃんねる (2ch.sc)」を参照

これに対しワトキンスは「2ch.net」のドメインは「Race Queen Inc.」が所有し、現在の運営体制にも違法性はないとした上で、ひろゆきに対する法的対応を検討すると応酬した。「ひろゆき氏側とは協議を続ける意向だが、何ら司法判断が存在しない状態で、Race Queen inc.と商取引(広告掲載契約等)をすることに違法性があるということは法的には誤った判断」と批判し、「かかる商行為に違法性があるとの西村博之さんの主張は、Race Queen Inc. の名誉を著しく毀損するものであり、法的対応を検討せざるをえません」としている[46]

一方でひろゆきは、2009年1月に2ちゃんねるを名義上シンガポールの「パケットモンスター社」に譲渡し、同5月には著書『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』を扶桑社から出版し「2chを手放した」と公言していた[47][48]ため、2ちゃんねらーたちは「西村は嘘つきだ」とバッシングをした[49][50]

2015年9月、ひろゆきは4chanのQ&Aセッションでワトキンスを相手取り、日本において2ちゃんねるの所有権をめぐる訴訟を提起したことを表明[51]

2016年5月 - 7月、日本国内における「2ch」「2ちゃんねる」の商標権をひろゆきが取得した[52][53]。一方で世界知的所有権機関(WIPO)は、ひろゆきからの「『2ch.net』のドメインが不法占拠されている」という申し立てを却下した[54]。これを受け、Race Queen Inc. は「2ch.net」のTOPページにおいて「西村氏によるこれまでの一連の主張は全くもって虚偽で、2ch.scを含む西村氏の言動は運営を妨害する違法行為なので今後厳正に対処する」とコメントした[55]。結果として、日本国内における「2ch」「2ちゃんねる」の商標権はひろゆきが、ドメイン「2ch.net」の登録権限は Race Queen Inc.が管理している状況となった[56]

この時期、特許庁はRace Queen Inc.が申請していた「2ch」「2ちゃんねる」の商標登録の無効審判請求を棄却した[57]。この判決を受けて、ワトキンスは同年10月1日、2ちゃんねるを「Race Queen Inc.」から「Loki Technology社」に譲渡すると発表した。ワトキンスは「西村博之からの妨害行為により、ユーザーに安全かつ快適な利用を提供することが困難になったため」としている[58]。譲渡先とされた「Loki Technology社」は、「権利関係で無用な紛争を生じさせないため、掲示板を新たに『5ちゃんねる(5ch.net)』として運営する」ことを発表した[59]。ちなみに「5ちゃんねる」および「5ch」は、2ちゃんねるの技術担当者であり、8chan(現・8kun)の元管理人であるCode Monkey★が日本国内で権利を有する商標である[60][61][62]

2018年6月22日、ひろゆき(東京プラス株式会社)が2ちゃんねるの所有権をめぐり「NTテクノロジー社」を相手取った民事訴訟で、NTテクノロジー社の債務不履行を認め、同社に損害賠償および前払いのサーバー使用料の返還を命じる東京地裁判決が出た[63]。翌2019年4月25日には、「8chan(8ch.net)」のTwitterアカウント(@infinitechan)において「東京高等裁判所にて一審判決を破棄し、東京プラス社の請求がすべて棄却された」という趣旨の発表がなされた[64][65]。2019年12月4日、「5channel (5ch.net)」のTwitterアカウント(@5chan_nel)において「最高裁判所での上告棄却により、東京プラス社の請求がすべて棄却された東京高裁判決が確定した」という趣旨の発表がなされた[66]

2020年10月27日8chan(現・8kun)創設者でありワトキンスのビジネスパートナーであったフレドリック・ブレンナンは「5ちゃんねる」への名称およびドメイン変更の理由について「西村博之はUFMJRA(統一外国金銭判決承認法。アメリカ合衆国法)を用いた2ちゃんねるの差し押さえを画策しており、それを回避するための物だった」という見解を述べている[67]

ジャーナリスト清義明は、ウェブサイトの持つ所有権の不透明性を利用して「2ちゃんねるは脱法ビジネスのごとく運営されてきた」と指摘しつつ、管理権紛争をめぐる判決結果をもとに「2ちゃんねるとは誰なのか」ということについて次のように総括した。2ちゃんねるは、サーバーに蓄積されたデータのことなのか、それともサイトのドメインのことなのか、または商標のことなのか、それとも西村博之本人のことなのか。仮に会社が運営しているとしたら、パケットモンスター社というペーパーカンパニーなのか。ウェブサイトとは誰なのかという不透明性を利用して、様々な脱法ビジネスが繰り広げられたということである。この正解は誰にもわからない。ただ最高裁までいった2ちゃんねる乗っ取り裁判では、サーバーの所有者でありドメインも保有しているジム氏に軍配があがった。この判例が現在はすべてである。 ? 清義明 (2021年3月26日). “Qアノンと日本発の匿名掲示板カルチャー【2】西村博之とジム・ワトキンスの2ちゃんねる骨肉の争い/下”. 論座(RONZA). 朝日新聞出版. 2021年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。


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