2ちゃんねる
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」と評された[29]

初代管理人の西村博之は、西鉄バスジャック事件の際に取材を受け「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」[30]と答えた他、2ちゃんねるでは騙されないための自衛策として、「ソース(情報源)はどこ?」と聞くのが常識となっていたが、その後のスマートフォンの普及に伴い電子掲示板からSNS全盛期に時代が移り変わると、ソースを確かめないで拡散してしまう人が増え、大衆のネットリテラシーが後退したと評している[31]

また、ひろゆきは「2ちゃんねるはメディアの出演者などの悪口を書く文化も作ってしまった」という指摘に、「そういう需要がもともとあって、2ちゃんねるが廃れた後、Twitterに書かれるようになっただけだ」「今のTwitterをはじめとしたネット社会は、ソースがないものを平気でばらまいても、誰もそれを責めない。2ちゃんねるの文化の方がまともだったではないか。騙された人が騙されたまま放置されている状態がかなり多い。騙されている人って、自分が騙されていることも分からない。でも『それは助けた方がいいよね』といってくれる人もいない。困っている人は、ずっと困っているままなのかなと思うことがある」と主張している[32]

ひろゆきは2ちゃんねるが廃れた理由として訴訟問題をあげ、「需要とそれを提供する側の問題で、当時は提供する人が僕しかいなかった。日本国内でやるとトラブルが多いので、今はTwitterだったりFacebookだったり日本で使われているサービスは全部外国が作ったサービスだ。日本でやると、いろいろなところで文句を言われて足を引っ張られるので、日本でやる人がいなくなって、外国のサービスにみんないってしまった」と評している[32]

一方で2017年11月に10代女子向け総合メディア「マイナビティーンズ」が発表した13?19歳の女性1006人にアンケートを取り集計した「10代女子が選ぶ今年の流行語」の「コトバ」編の第3位に5ちゃんねるの「なんj」(実況ch#なんでも実況J板)由来である「ンゴ」が選ばれたこともあった[33]。「わろたンゴ」「泣いたンゴ」「お疲れンゴ」「おいしかったンゴ」と語尾につけるものとして流行ったが、由来が5ちゃんねるで元東北楽天ゴールデンイーグルスドミンゴ・グスマンが2008年開幕戦でリリーフ失敗してしまったことを揶揄した書き込みから発祥した自虐的な意味合いとしてではなく、語尾の響きが面白いという理由で使われているとねとらぼは報じている[34]

5ちゃんねるの「冷笑文化」は2023年現在のSNSの文化に影響を与えており、中央大学講師でジャーナリストの渋井哲也は「ネットの冷笑文化のルーツは1999年に誕生した掲示板『2ちゃんねる』にさかのぼります。そこでウケるのは“本音を言っているように感じられる表現”。匿名で書き込めて、レスが伸びる(多くコメントがつく)ことで、気分が高揚する点が特徴です」「暗黙のルールの多い2ちゃんは、書き込むにはハードルが高いけれど、閲覧だけしている人も少なくない。今に通じるネットでの冷笑的な振る舞いは、2ちゃんや2ちゃん的なものによって強化されたといえるでしょう」「ひろゆき氏が冷笑文化を浸透させたわけではなく、世の中の映し鏡です」「冷笑文化は自然発生的に生まれたもので、端的に言えば“祭り”です。祭りを盛り上げるために冷笑的な言動をしたり、“マジレス”をしたりする。本物の祭りだって何の神様かわからないのに参加しますよね。それと同じで、騒がれていることが事実かどうかは重要ではありません。盛り上がって楽しむネタになればいい。こうした構図は2ちゃんねるもSNSも同じで、変わっていません」と主張している[35]。2ちゃんねるのユーザーについては「2ちゃんねらー」を参照
訴訟と所有権の移転詳細は「西村博之」を参照

2ちゃんねるでは誹謗中傷名誉毀損、第三者の個人情報著作物無断転載薬物の密売情報などが書き込まれた際に必要十分な対処がされないことが多く[22][注釈 1]、管理人(当時)のひろゆきに対する民事訴訟が後を絶たなかった。

しかし、ひろゆきは代理人弁護士を立てず、裁判への出席もしなかったため、ほとんどの裁判敗訴した(→擬制自白)。にもかかわらず損害賠償金を支払っていない。本人はそれについて次のように語っている。「僕は沖縄から北海道まで訴えられているので、自腹で日本中を回るか、1件100万円以上払って弁護士をつけるかなんです。でも『(裁判を)やらない』という選択肢をとったら何も起きなかった。これが現状。勝とうが負けようが、払わなければ一緒なんですよ」「もし僕に金を払わせたいなら、国会議員に言って、そういう法律を作ればいい」[36]

2006年から2007年にかけて破産宣告の第三者申し立てが行なわれ「2ちゃんねるのドメイン(2ch.net)」を含むひろゆきの財産仮差押えの申請がなされるなどし[37][38]2009年1月2日に、ひろゆきはシンガポールの「PACKET MONSTER INC.」に運営権を移転し管理人から退くこととなった[39]。しかし、実質的な運営権は移転しておらず管理会社は名義貸しをしただけであり[40]、ひろゆきは2013年に東京国税局から約1億円の広告収入の申告漏れを指摘された[41]

2010年1月には、2ちゃんねる内の書き込みを書籍化した『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』のひろゆきに支払われていた印税が差し押さえられ、初めて損害賠償金が回収された[42][43][44]
2ch.scと5ch.net詳細は「2ちゃんねるの歴史#管理権限紛争」を参照

2014年2月19日、2ちゃんねるの実質的管理権限が何らかの理由により「ジム」に移転、「ジム」が2ちゃんねるの実質的管理者となる。「ジム」と思われる人物の主張によれば「『N.T.Technology』会長ジム・ワトキンスがサーバー料金の未払いを理由に、当時の運営陣であるひろゆきらを全員解任し、管理人にワトキンス本人とその親族が就任する」という主旨の発表であった[45]

同年4月1日、ひろゆきは運営から外されたことについて「違法な乗っ取り行為である」と宣告し、2ちゃんねる(「2ch.sc」。略称「sc」)という名称の電子掲示板を設立し、自身が管理人に就任した[10]。2ch.scについては「2ちゃんねる (2ch.sc)」を参照

これに対しワトキンスは「2ch.net」のドメインは「Race Queen Inc.」が所有し、現在の運営体制にも違法性はないとした上で、ひろゆきに対する法的対応を検討すると応酬した。「ひろゆき氏側とは協議を続ける意向だが、何ら司法判断が存在しない状態で、Race Queen inc.と商取引(広告掲載契約等)をすることに違法性があるということは法的には誤った判断」と批判し、「かかる商行為に違法性があるとの西村博之さんの主張は、Race Queen Inc. の名誉を著しく毀損するものであり、法的対応を検討せざるをえません」としている[46]

一方でひろゆきは、2009年1月に2ちゃんねるを名義上シンガポールの「パケットモンスター社」に譲渡し、同5月には著書『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』を扶桑社から出版し「2chを手放した」と公言していた[47][48]ため、2ちゃんねらーたちは「西村は嘘つきだ」とバッシングをした[49][50]

2015年9月、ひろゆきは4chanのQ&Aセッションでワトキンスを相手取り、日本において2ちゃんねるの所有権をめぐる訴訟を提起したことを表明[51]

2016年5月 - 7月、日本国内における「2ch」「2ちゃんねる」の商標権をひろゆきが取得した[52][53]。一方で世界知的所有権機関(WIPO)は、ひろゆきからの「『2ch.net』のドメインが不法占拠されている」という申し立てを却下した[54]。これを受け、Race Queen Inc. は「2ch.net」のTOPページにおいて「西村氏によるこれまでの一連の主張は全くもって虚偽で、2ch.scを含む西村氏の言動は運営を妨害する違法行為なので今後厳正に対処する」とコメントした[55]。結果として、日本国内における「2ch」「2ちゃんねる」の商標権はひろゆきが、ドメイン「2ch.net」の登録権限は Race Queen Inc.が管理している状況となった[56]

この時期、特許庁はRace Queen Inc.が申請していた「2ch」「2ちゃんねる」の商標登録の無効審判請求を棄却した[57]


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