『2つのメロディ』(諾: To melodier)作品53は、エドヴァルド・グリーグが1890年に作曲した、2曲からなる弦楽合奏曲である。『2つの旋律』とも訳される。
いずれもノルウェーの詩人の詩による自作の歌曲を編曲したもので、第1曲は『2つの悲しき旋律』作品34(1880年)と同じオスムン・オラヴソン・ヴィニエ(英語版、ノルウェー語版)(1818年 - 1870年)の詩による歌曲集『12のメロディ』作品33(1880年)から、第2曲はビョルンスティエルネ・ビョルンソンの詩による歌曲集『「漁師の娘」からの4つの詩』作品21(1872年)からとられている。
1891年にライプツィヒのペータースから出版され、続いてピアノ独奏用にも編曲されて同社から出版された[1]。 原題は Norsk で、原曲は『12のメロディ』の第12曲「到達点」 (Fyremal) である。 軽快な舞曲風の主部と中間部からなる3部形式となっている。 原題は原曲ともに Det forste modes で、原曲は『「漁師の娘」からの4つの詩』の第1曲である。グリーグの代表的な歌曲の一つであり、管弦楽伴奏版も作られたがグリーグの生前には発表されず、長らく出版もされなかった。なお、ピアノ独奏用の編曲版は、『自作の歌曲によるピアノ曲 第2集』作品52(1890年)にも収められている。 原曲は2節からなるが、同じ歌詞を2回繰り返し歌っており、最初は穏やかに「初めての出会いの甘美さは」と歌い出すが、後半に向かって盛り上がり、「私たちは自然と共に一つになる」と情熱的な頂点をなす[1]。 この曲も原曲と同様に、主題旋律が2回繰り返されるだけ単純な構成となっている。
内容
第1曲 ノルウェーの旋律
第2曲 初めての出会い
脚注^ a b 『作曲家別名曲解説ライブラリー18』p.88
参考文献
『作曲家別名曲解説ライブラリー18 北欧の巨匠』(音楽之友社、1994年) 「はじめての出会い op.21―1」p.88(菅野宏和執筆)
表
話
編
歴
エドヴァルド・グリーグ
楽曲一覧
管弦楽曲
交響曲 - 秋に - ノルウェー舞曲(ジット編曲) - 古いノルウェーのロマンスと変奏 - 抒情組曲 - 交響的舞曲
劇付随音楽
2つの悲しき旋律 - ホルベアの時代から - 2つのメロディ - 2つのノルウェーの旋律
吹奏楽曲
ピアノ協奏曲
室内楽曲
チェロソナタ - 弦楽四重奏曲 - ヴァイオリンソナタ(第1番 - 第2番 - 第3番)
ピアノ連弾曲
7つのフーガ - ピアノソナタ - リカルド・ノルドローク追悼の葬送行進曲 - 抒情小曲集(トロルドハウゲンの婚礼の日(英語版)) - 人々の暮らしの情景(花嫁の行列の通過) - ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード - ホルベアの時代から - 古いノルウェーのロマンスと変奏 - スロッテル
合唱曲
南の修道院の前で - オーラヴ・トリグヴァーソン
歌曲
心のメロディ(ノルウェー語版)(君を愛す) - 4つの詩op.21(初めての出会い) - 「ペール・ギュント」からの歌曲(ソルヴェイグの歌 - ソルヴェイグの子守唄) - 王女 - ヘンリク・イプセンの6つの詩(吟遊詩人の歌 - 白鳥) - 5つの詩op.26(初めての桜草)- 12のメロディop.33(春) - ロマンス集op.39(モンテ・ピンチョから) - 6つの歌op.48(世の中はそうしたもの) - ヴィルヘルム・クラグの詩(待つ間に) - 山の娘(英語版、ノルウェー語版)