19D形式
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JR貨物19D形コンテナ
19D形コンテナ(19D-18097)
全長(内寸法)3,715mm (3,642mm)
全幅(内寸法)2,450mm (2,270mm)
全高(内寸法)2,500mm (2,252mm)
荷重5t
内容積18.7m3
自重1.5t
扉位置両側側面
製造初年1996年(平成8年)
製造メーカー東急車輛製造、JINDO他
外面色赤紫色(JRFレッド)、黄緑6号
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真上の四隅に吊上げ用のツイストホールが装備された。 ラフテレーンクレーンで吊られて内航船に積み込まれる19D-36677。
岡山市/新岡山港で行われていた平成30年7月豪雨の影響で、鉄道輸送が不能になった山陽本線の鉄道代行輸送風景。

JR貨物19D形コンテナ(JRかもつ19Dがたコンテナ)は、日本貨物鉄道(JR貨物)が配備している、鉄道輸送用長さ12ftの5トン積み有蓋コンテナである。
目次

1 概要

2 構造

3 参考文献

4 関連項目

概要

本形式は19B形の改良型であり、相違点は阪神淡路大震災を機に、災害等により長期間の鉄道輸送障害が起こった時の内航船による、鉄道代行輸送体制に即応出来るようにコンテナ下部四隅に内航船積固定用のツイストロック式のホール形隅金具と、上部四隅にクレーン吊り作業に対応した簡易式隅金具が新たに付属したことである。

2019年(平成31年)1月5日現在、34,066個使用されている。2017年には、50000番台を突破した。

登場時は旧型の国鉄コンテナの老朽取換用として製造されていたが、後に18D形などのJR初期に製造されたコンテナも置き換えている。2017年度までは仕様変更を重ねながら、JR貨物の主力コンテナ形式として19G形と共に増備が続いていたが、2018年3月17日のダイヤ改正でコキ50000形の営業運転が終了することにより、背高コンテナの運用上の制限がなくなったため、2018年度より20D形へ製造が移行した。

初期に製造された本形式は老朽化が進んでおり、内張りを張り替えて塗装変更する更新工事を施して使用されている。しかし近年、新たに製造された本形式により、初期製造の個体も置き換えが進み、廃棄されたり静脈物流専用のW19D形や死重用途のZD19D形に改造されたりしている。

なお、廃棄された19D-5001が、整備の上、鉄道博物館においてコキ50000に積載状態で展示されている。
構造

両側扉二方開きで、外法寸法は高さ2,500mm、幅2,450mm、長さ3,715mm。最小内法寸法は高さ2,252mm、幅2,270mm、長さ3,642mm。側入口は高さ2,187mm、幅3,635mm。床面積は8.3m2、内容積は18.7m3。最大積載量は5t

塗装は19B形に準じており、赤紫色(JRFレッド)一色に、白抜きで側面および妻面の右上にJRFマーク、側面中央には横長で菱形状の線が配されている。 観音開きドア面の左下にJRマークと「日本貨物鉄道株式会社」の文字が入れられていた。
19D-3 (旧、百済貨物駅にて)

初期に製造された個体は、側面左下にJRマークと「日本貨物鉄道株式会社」の文字が入れられていたが、すぐに「JR貨物」へ変更となった。

量産途中で、エコレールマークのシールが貼り付けられるようになった。

量産が進むと、側面左上に「環境にやさしい鉄道貨物輸送」(前期)、「環境にやさしい鉄道コンテナ」(後期)とキャッチコピーが書かれたステッカーが貼られるようになった。このステッカー貼り付けは本形式から始まっている。

老朽化が目立つ個体については、内張りを交換する更新工事が施されている。同時に塗装も専用のものに塗り直されており、白線が消されたうえに、JRFマークが小さくなっている。更新工事の実施を示す表記については、製造番号の後ろに「◇(ひしがた)」の記号が付いたもの、「更新」の英訳である「renewal」の頭文字「R」を追記したものがあり、中には目印がない個体があるなど、多種多様である。

1996年 - 東急車輛大阪製作所にて第一号が落成。

2001年 - 東急車輛大阪製作所にて屋根リブが追加された新形状である5000番台が設計、製造された。

2003年 - 東急車輛大阪製作所にて両開き通風コンテナの試作を開発。19D-12101、12102。

2007年 - 30000番台の製造開始、東急製・中国国際海運集装箱(CIMC)製共に外枠設計の見直しがなされた。

2009年 - 鉄道コンテナ50周年を記念して、国鉄コンテナに使用された黄緑6号を基調としてロゴマークや文字を黒に塗り、大型のエコレールマークステッカーを貼り付けた個体が50個製作された。

2012年 - 日本製の製造所が東急車輛製造から総合車両製作所へと変更になる。

2014年 - 最新ロットの42000番台からは、塗装が大きく変更されている。赤紫色を基調としている点は従来と変わらないが、JRFマークと白線が廃止され、側面右上にJRマーク、その下に「JR貨物」の文字が入れられている。妻面右上にも「JR貨物」の文字がある。また、キャッチコピーのステッカー貼り付けも省略されている。

なお、2011年(平成23年)後半に試作コンテナとして、19D-90001と19D-90002の2個が東急和歌山製作所で製造された。ドアロッドが4本となっており、荷票受・表示票受の位置や、リブの形状も既存のものとは大きく異なっている。塗装は黄緑6号を基調とし、側面左上にJRマーク、その下に「JR貨物」の文字が入れられており、左下にはエコレールマークを貼り付けている。これらの個体は宇都宮貨物ターミナル札幌貨物ターミナル苫小牧貨物駅→宇都宮貨物ターミナル間の限定運用となっており、のちに限定運用を示す表記が側面右上に追加されている。19G形でも同じ仕様の試作コンテナが2個製造されている。

2016年4月には、京都鉄道博物館での展示用として28901番が総合車両製作所で製造された。貨物輸送には使用されず、展示用として特別に製造された。

0番台(19D-291)

更新工事が行われた個体(19D-8679R)
製造番号の末尾に「R」の文字を追記している

50周年記念コンテナ(19D-33700)

42000番台(19D-43002)

内航船による鉄道代行輸送が行われていた、岡山市/新岡山港へクレーン吊りの出来る19Dを二個積載して、隣県の兵庫県/神戸(タ)から到着した風景。

参考文献

『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

「JRコンテナ」,『JR貨物時刻表2019』公益社団法人 鉄道貨物協会, 2019年3月, p199

関連項目

JR貨物のコンテナ形式










日本の鉄道コンテナ(国鉄・JR貨物所有)
11ft級

有蓋コンテナ 国 鉄 :5000 - 6000 - 7000 - C10 - C11 - C12

12ft級

有蓋コンテナ 国 鉄 :C20 - C21 - C30 - C31 - C35 - C36 - C40 - C95 - NC1 - ZC1
JR貨物:18A - 18B - 18C - 18D - 18E - 19A - 19B - 19C - 19D - 19E - 19F - 19G - 19H - 20A - 20B - 20C - 20D - 20E - 20G


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