1988年のル・マン24時間レース
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1988年のル・マン24時間レース
前年:1987翌年:1989
1988年のコース

1988年のル・マン24時間レース(24 Heures du Mans 1988 )は、56回目のル・マン24時間レースであり、1988年6月11日[1]から6月12日[2]にかけてフランスのサルト・サーキットで行われた。
概要

1982年のル・マン24時間レース以来燃費規制が根本にあることに対する反発があり、国際スポーツ委員会(FISA、現国際自動車連盟)から「燃費を気にしてスローダウンする光景が見られるのはレースではない」という意見が出るなどレースらしい競争を求める声が大きくなりつつあり、この頃から車両規則を巡って新しい動きが具体化し始めた[1]。具体的にFISAから出たのはフォーミュラ1と同じ3,500ccの自然吸気エンジンで戦うという案であった[1]

ユノディエールは全面再舗装されていた[3]
C1

ポルシェ・962Cは古さを隠せず[3]、一時V型8気筒エンジンを搭載する新型を投入する動きもあった[3]が、長年のロスマンズの支援が終焉し[3]新たなスポンサーが現れなければ試作もできない状況[3]で、車両規則が変わる可能性が出て来たことがポルシェの新シャシ開発断念を後押しした[1]。すでにワークスはスポーツカー世界選手権に参戦しておらず[4][5][1]、ル・マン24時間レースのみへの参戦とした[4][5][1]。チームマネージャーのピーター・フォーク、デザイナー兼エンジニアのノルベルト・ジンガーにとりまさにこのレースが最後の仕事で、ジンガーは後に「まだやり残した仕事がある、という気分だった。962Cはまだ充分戦える。だったら、最後にひと花咲かせてやろうじゃないか、と逆に闘志が湧いたものさ」と語っており[3]、連覇を8に伸ばすべく努力した。当初は到底ジャガーに敵わないと思われていたが、エンジンマネージメントシステムをボッシュと共同で[5]従来の6MBマイクロプロセッサ1個搭載[6]のモトロニックMP1.2に代わって20MBプロセッサを5個搭載[6]するMP1.7という新型を開発[5][3]、フルデジタル化[6]して制御をきめ細かく[1][6]して燃費を大幅に向上[5]しながらも圧縮比9.5[6]から決勝ブーストでも常時700PSを実現[6]して燃費と出力を両立[1][6]、ル・マン24時間レースのためだけに3.2リットルの水冷エンジンを準備[1][注釈 1][注釈 2]、ヴァイザッハの風洞でロングテールの形状を検討[6]、高速走行で有利なように低くし[1][5]、既存のシャシナンバー007、008に加えシャシ番号010を新規に制作して計3台を投入[5]するなど連勝記録伸長に意欲を見せた[1]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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