1984年ロサンゼルスオリンピック
[Wikipedia|▼Menu]
なお、ロサンゼルス大会の不参加国はソビエト連邦、東ドイツポーランドチェコスロバキアハンガリーブルガリアベトナムモンゴル北朝鮮キューバエチオピアアフガニスタンアンゴライラン[注釈 2] などであった。不参加国は本大会に対抗する形でフレンドシップ・ゲームズを開催した[注釈 3]

一方、社会主義陣営の国のうちソ連と距離を置いていたユーゴスラビアニコラエ・チャウシェスク政権のルーマニアはモスクワオリンピックとロサンゼルスオリンピックの双方に参加してロサンゼルスオリンピックではルーマニアは開催国である米国に次ぐ数の金メダルを獲得し、中華人民共和国中ソ対立でアメリカと接近したため、モスクワオリンピックは不参加、ロサンゼルスオリンピックは参加して金メダルはルーマニアと西ドイツに次ぐ数を獲得した。
聖火ランナー

大会委員長のピーター・ユベロスは一般市民の聖火ランナーからも、参加費用を徴収しようと計画。一緒にオリンピックを作る一員として、聖火ランナーに参加してくれる人なら、資金的な協力もしてくれる、というのがユベロスの考えだったのだが、聖火を運ぶのは、もともとギリシャ委員会の管轄で、ギリシャ委員会は「聖火を商品化するとは五輪を冒涜する行為」と待ったを掛けてきた。

しかし結局、ユベロスがギリシャ委員会を説得して有料聖火ランナーは実施された。この時には1936年ベルリンオリンピックで、日本代表でマラソン競技に優勝した孫基禎も聖火ランナーの一員として走っている。
大会マスコット

イーグルサムをモチーフにしたマスコットで、これを主人公にしたテレビアニメも製作、放映された。
エンブレム

オリンピックエンブレムの星にある13本の横線は、米国独立時の13州を表しているという。赤・白・青は、アメリカの国旗の色を表しているという[1]。デザイナーはロバート・マイルズ・ラニアン。
ハイライト

ソ連・東欧圏の選手が出場しなかった結果、射撃の蒲池猛夫(日本)、体操女子個人総合のレットン(アメリカ)など、幾つかの競技で、それまでメダルに縁の無かった国に金メダルをもたらした。特にレットンの金メダル獲得はアメリカで体操のブームを呼び、多くの子供達が体操競技を始めた結果、のちの体操競技におけるアメリカ勢の躍進の原動力となった。また、「女子選手には危険過ぎる」との理由で長年開催されていなかった女子マラソンがこの大会から公式競技となったが、8月開催の大会のため酷暑の中でのレースとなり、温度を下げるためにコース中にシャワーを設置するなど対策を行ったものの、ガブリエラ・アンデルセンスイス)が脱水症状により千鳥足でゴールする事となった。ソ連や東ドイツが不参加した結果、アメリカ合衆国は、自国開催であるからこそ、最大限に力を発揮した。
開会式

開会式はアメリカ東部時間に合わせて午後5時から開式。

ロナルド・レーガンによる開会宣言、ジョン・ウィリアムズによるオリンピックテーマ曲、風船を持った人間による人文字、軽飛行機による「WELCOME」の文字の描かれた幕を牽引した展示飛行、飛行船2隻による巨大な「WELCOME」の幕の上空掲揚、ビル・スーターの操縦する個人用ジェット推進飛行装置・ロケットベルトを使った空中遊泳(俗にロケットマンと呼ばれた)、多数のピアノを使用したラプソディ・イン・ブルーの演奏などが催され、とくにロケットマンの演出は大きな話題を呼んだ[2]
閉会式

閉会式は8月12日午後6時30分に開式通告され、五輪旗がロサンゼルスのトーマス・ブラッドリー市長からIOCのサマランチ会長に、そしてソウル市の廉普鉉市長に手渡された。また、大会委員長のユベロスにオリンピックオーダーの称号が与えられた。聖火が消灯された後、UFOとの音と光の交信が行われ、宇宙人が登場。そして花火で大会が締めくくられた。
競技会場

本大会は主にロサンゼルス郡オレンジ郡サンバーナーディーノ郡サンディエゴ郡ベンチュラ郡の5郡にまたがって開催された。一部、他州で開催された種目もあった。
ロサンゼルス郡
ロサンゼルス市内

イーグルス・ネスト・アリーナ(
カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校のキャンパス内) - 柔道

ガーステン・パビリオン(ロヨラ・メリーマウント大学のキャンパス内) - ウエイトリフティング

ドジャー・スタジアム - 野球(公開競技)

ポーリー・パビリオン - 体操

ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム - 開・閉会式、陸上競技、マラソン・ゴール

ロサンゼルス・メモリアル・スポーツ・アリーナ - ボクシング

マクドナルド・オリンピック・スイム・スタジアム(南カリフォルニア大学のキャンパス内) - 競泳、飛込、シンクロナイズドスイミング

その他のロサンゼルス郡内

アーテシア・フリーウェイ(91号フリーウェイ) - 自転車競技団体ロードレース

ウェインガート・スタジアム(
モントレー・パーク市、イースト・ロサンゼルス・カレッジのキャンパス内) - ホッケー

エル・ドラド・パーク(ロングビーチ市) - アーチェリー

オリンピック・ベロドローム(セブン-イレブン・ベロドローム、カーソン市、カリフォルニア州立大学ドミンゲスヒルズ校のキャンパス内) - 自転車競技トラックレース

ザ・フォーラム - バスケットボール

サンタアニタパーク競馬場 - 馬術

サンタモニカ・カレッジ - マラソン・スタート[3]

サン・ヴィセンテ通り、オーシャン・アヴェニュー、90号ハイウェイ、エクスポジション大通りなど - マラソン[3]

ローズボウル - サッカー決勝

ローリー・ラネルズ・メモリアル・プール(ペパーダイン大学のキャンパス内) - 水球

ロサンゼルス・テニスセンター(カリフォルニア大学ロサンゼルス校のキャンパス内) - テニス

ロングビーチ・コンベンションセンター(ロングビーチ市) - フェンシング

ロングビーチ・アリーナ(ロングビーチ・コンベンションセンター内) - バレーボール


ロングビーチ・ショアライン・マリーナ(ロングビーチ市) - セーリング

オレンジ郡

アナハイム・コンベンションセンター(
アナハイム市、ディズニーランド・リゾートの隣) - レスリング

コト・デ・カザ[注釈 4] - 近代五種フェンシング、射撃、ランニング、馬術

タイタン・ジム(カリフォルニア州立大学フラトン校のキャンパス内) - ハンドボール


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:77 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef