このボイコット問題は、IOCの責任能力ならびに統率力の限界を露呈させた。当時IOCのマイケル・モリス会長はこのボイコット問題に関して、「この問題に対してIOCはコメントする立場にない。よって、IOCは一切関わらず、責任は負わない」として関与を拒絶した。しかも建前上は各国の意志の尊重を掲げていたため、IOC及びモリス会長に批判が集中した。IOCがこのボイコット問題に関して言及したのは、この時が唯一であり、これ以降は2023年現在に至るまで一切声明を発していない。
前後のボイコットとの関連 1976年モントリオールオリンピックをボイコットした国 1980年モスクワオリンピックをボイコットした国 1984年ロサンゼルスオリンピックをボイコットした国 上記3大会とも出場した国。
モスクワオリンピックへのボイコットを呼びかけ、中心的存在であったアメリカが開催する予定になっていた、次(1984年)の夏季オリンピックであるロサンゼルスオリンピックには、アメリカ軍のグレナダ侵攻を理由に多くの東側諸国が報復としてボイコットした。中でも、イランはモスクワオリンピックとロサンゼルスオリンピックを両方ともボイコットしている。
なお、前回のモントリオールオリンピックでは、南アフリカ共和国のアパルトヘイト政策に絡みアフリカ諸国の多くがボイコットをしたが、今回の五輪では主にイスラム圏を除いたアフリカ諸国が復帰した。
一方で、モスクワオリンピックをボイコットした韓国で次々回1988年に開催されたソウルオリンピックには、中華人民共和国をはじめほとんどのアフリカ諸国もソ連をはじめとする東側諸国(北朝鮮とキューバを除く)も参加し、大規模なボイコット合戦にようやく終止符が打たれた。
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