以下は、メジャーリーグベースボール(MLB)における1974年のできごとを記す。
1974年4月4日に開幕し10月17日に全日程を終え、アメリカンリーグはオークランド・アスレチックス(西地区優勝)が3年連続12度目のリーグ優勝で、ナショナルリーグはロサンゼルス・ドジャース(西地区優勝)が8年ぶり17度目のリーグ優勝であった。
ワールドシリーズはオークランド・アスレチックスがロサンゼルス・ドジャースを4勝1敗で破り、3年連続8度目のワールドシリーズ制覇でシリーズ3連覇となった。 アメリカンリーグ ナショナルリーグ
目次
1 できごと
1.1 ハンク・アーロンの715号本塁打
1.2 トミー・ジョンの手術
1.3 契約更改
1.3.1 ハンター
1.3.2 メッサースミス
1.4 記録
2 最終成績
2.1 レギュラーシーズン
2.1.1 アメリカンリーグ
2.1.2 ナショナルリーグ
2.2 オールスターゲーム
2.3 ポストシーズン
2.3.1 リーグチャンピオンシップシリーズ
2.3.1.1 アメリカンリーグ
2.3.1.2 ナショナルリーグ
2.3.2 ワールドシリーズ
3 個人タイトル
3.1 アメリカンリーグ
3.1.1 打者成績
3.1.2 投手成績
3.2 ナショナルリーグ
3.2.1 打者成績
3.2.2 投手成績
4 表彰
4.1 全米野球記者協会(BBWAA)表彰
4.2 ゴールドグラブ賞
4.3 その他表彰
4.4 アメリカ野球殿堂入り表彰者
5 出典
6 関連項目
7 外部リンク
できごと
東地区は、オリオールズが、久しぶりに優勝争いに加わったヤンキースを抑え、東地区優勝した。この年のオリオールズは3割打者皆無、本塁打20本以上打者も皆無で前年活躍したジム・パーマー (7勝)も大不調だったが、マイク・クェイヤー (22勝)、 デーブ・マクナリー (16勝)、ロス・グリムズリー(18勝)ら投手陣が踏ん張り、1969年に東西地区制になってから6年間で5度目の地区優勝であった。西地区は、前年までリーグ2連覇・シリーズも2連覇したアスレチックスが強く、キャットフィッシュ・ハンター(25勝)、ヴァイダ・ブルー(20勝)、ケン・ホルツマン(19勝)、リリーフにローリー・フィンガーズ(9勝・13セーブ)、ダロルド・ノウルズの投手陣が強く、打線も前年リーグもシリーズもMVPだったレジー・ジャクソン(打率.289・本塁打29本・打点93)、サル・バンドー(本塁打22本・打点103)、ジョー・ルディ(打率.293・本塁打22本・打点99)、ビリー・ノース(盗塁54)、それにバート・キャンパネリス(打率.290)らがいて攻守が固く、1971年から西地区4連覇であった。リーグチャンピオンシップシリーズは、アスレチックスが断然強く、初戦はオリオールズだったが第2戦からホルツマン、ブルー、ハンターが先発して3連勝して、リーグ3連覇となった。ただこの頃からオーナーと選手との間で深刻な対立が生まれていた。
個人タイトルは、ツインズの ロッド・カルー (打率.364)が3年連続4度目の首位打者、ホワイトソックスのディック・アレン (本塁打32本)が2年ぶり2度目の本塁打王、レンジャーズの ジェフ・バロウズ (打点118)が初の打点王、優勝したアスレチックスのビリー・ノース(盗塁54)が初の盗塁王となった。アスレチックスのキャットフィッシュ・ハンター(25勝・防御率2.49)が初の最多勝と最優秀防御率、レンジャーズのファーガソン・ジェンキンス (25勝)が3年ぶり2度目の最多勝、エンゼルスのノーラン・ライアン (22勝・奪三振 367)が3年連続3度目の最多奪三振であった。リーグMVPは打点王を取った ジェフ・バロウズ 、サイ・ヤング賞はアスレチックスのキャットフィッシュ・ハンターでこの年のシーズン終了後アスレチックスとの契約事項の一部不履行を訴えて、翌年ヤンキースに移籍した。
東地区は、パイレーツが前年9月に団子状態だった東地区の首位に一旦は立ったものの直後のメッツ戦で4連敗して結局3位に終わったが、この年も7月まで最下位に低迷していたけれども夏場から急浮上し、残り2試合でカージナルスと同率首位となり、カージナルスがエクスポズ戦でボブ・ギブソンを登板させて逆転負けし86勝で終わると、最終日のカブス戦の9回裏に振り逃げで同点に追いつき、10回裏マニー・サンギーエンのサヨナラ打で88勝となり、1970年から4度目の東地区優勝を決めた。前年に本塁打王と打点王を取ったウィリー・スタージェル(打率.301・本塁打25本・打点96)は無冠だったが、アル・オリバー(打率.321)、リッチー・ジスク(打率.313・打点100)、レニー・ステネット(196安打)らが活躍し、アストロズからきたジェリー・ロイス(16勝)、フィリーズからきたケン・ブレット(13勝)ら移籍組の投手の踏ん張りが目立った。西地区は、ドジャースが12年ぶり100勝の大台に乗せて初の西地区優勝となった。スティーブ・ガービー (打率.312・本塁打21本・打点111)、ジム・ウィン(本塁打32本・打点108)、ロープス(盗塁59)、そして投手ではアンディ・メッサースミス (20勝)、ドン・サットン(19勝)、リリーフの マイク・マーシャル (15勝・21セーブ・防御率2.42)らが活躍した。リーグチャンピオンシップシリーズは、ドジャースが第1戦はドン・サットンが完封、第2戦は同点にされた直後の8回に連続安打で快勝、第3戦は落としたが、第4戦でドン・サットンが好投しガービーが本塁打2本・打点4の活躍でドジャースが1966年以来7年ぶりのリーグチャンピオンとなった。