1973年の阪神タイガース
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1973年の阪神タイガース
成績
セントラル・リーグ2位
64勝59敗7分 勝率.520
[1]
本拠地
都市兵庫県西宮市
球場阪神甲子園球場

球団組織
オーナー野田忠二郎
経営母体阪神電気鉄道
監督金田正泰
≪ 19721974 ≫

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1973年の阪神タイガース(1973ねんのはんしんタイガース)では、1973年の阪神タイガースの動向をまとめる。

この年の阪神タイガースは、金田正泰が2度目の監督就任をしたシーズンである。
概要

1972年村山実前監督の指揮権返上を受けて監督代行のまま指揮を執った金田正泰がこの年から再び監督に就任。金田新監督のもと、前年2位躍進の原動力となった江夏豊上田次朗をはじめ古沢憲司谷村智啓らがローテーションを守るなど投手陣は盤石だった。チームは開幕から前年8連覇の巨人が苦戦したこともありまずまずのスタートを切ると、7月までは中日と首位を争った。

だが、8月18日から9月22日にかけ8勝17敗2引分と足踏み、しかもその間巨人との対戦で5戦全敗し猛追される。この間、8月30日の中日戦では江夏と、中日先発・松本幸行による投手戦で、延長11回まで中日打線を無安打無得点に抑えていた江夏が自らサヨナラ本塁打を放ち、プロ野球史上初となる「延長戦ノーヒットノーラン」を達成した。

9月23日の広島戦ダブルヘッダーから10月7日の中日戦までは10勝1敗と一気に盛り返し、10月10日から後楽園球場での巨人との直接対決を迎える。第1戦は4番で正捕手の田淵幸一が逆転満塁本塁打を放ち、最後は江夏が締めて第1戦を逆転勝利[2]。翌11日の試合は3回まで7対0とリードするが、そこから巨人打線が反撃すると江夏が打ちこまれ、後を受けたリリーフ陣も失点し、勝てる試合を10対10で引き分けた[3]。その後、広島2連戦を1勝1敗とし、残り2試合で優勝マジック1が点灯、20日の中日戦(中日球場)に勝つか引き分けで優勝が決まるところに持ち込む[4]

その中日戦は、中日先発・星野仙一の前に打線が沈黙、先発の江夏も失点を許して2対4で敗れ、翌日の甲子園(雨で1日延びて22日)での巨人との最終戦直接対決に勝った方が優勝というNPB史上初の状況となった[4]。だが、その最終戦は0対9で大敗し9年ぶりのリーグ優勝は成らなかった[4]。試合終了直後には、敗戦に怒った阪神ファンが大挙してグラウンドになだれ込み、三塁側巨人ベンチを襲撃。逃げ遅れた巨人・王貞治ら数名が負傷するというアクシデントが発生。巨人・川上哲治監督の胴上げも行われない異常事態となった[5]。それにとどまらず、暴徒化した観客の対応に兵庫県警察機動隊が要請を受けて出動する事態に発展し[6]、球場外に出された後も騒ぐファンを沈静化させるため警察の依頼により試合終了から1時間以上が過ぎた後に監督の金田が外に出て、ハンドマイクで「私は涙こそ流していないが、気持ちの中は皆さんと同じく残念でたまらない。来年こそ一層がんばるので、ファンの皆さんも理解してほしい」と呼びかける結果になった[7]

この年は優勝した巨人に11勝13敗2分と善戦し、中日、広島、大洋には勝ち越したが巨人が16勝10敗と貯金を稼いだヤクルトに9勝17敗と大きく負け越したのがV逸の一因となった。

この年の巨人戦は先述の試合の他に、7月1日には先発・上田が9回裏二死までノーヒットノーラン。快挙達成まであと一人という所で長嶋茂雄にヒットを打たれるも完封勝利。8月5日には黒江透修の放った打球をセンターの池田純一が芝生に足をとられて転倒し後逸。「世紀の落球」とも言われたプレーでチームは逆転負けを喫する(試合後金田監督は「池田は悪くないけど、芝生が悪かった」と池田をかばった)など、印象的な試合が多かった。

一方、グラウンド外では険悪な出来事も幾つか起こり、8月には遠征先の名古屋の旅館で、以前から金田監督に冷遇され不満を募らせていた鈴木皖武が、シーズン終了後の11月23日に行われたファン感謝デー終了後には以前から金田監督と確執のあった権藤正利が、それぞれ金田監督を殴打する事態が発生した。鈴木は事態発覚後に球団から一ヶ月の謹慎処分、同年限りでの引退が決まっていた権藤に至っては、セ・リーグから勤続20年の連盟表彰を授与されるはずだったが、この一件で取り消しになり、自由契約扱いでの退団となった。
チーム成績
レギュラーシーズン

開幕オーダー1遊藤田平
2二野田征稔
3左池田純一
4捕田淵幸一
5一遠井吾郎
6右カークランド
7三後藤和昭
8中佐藤正治
9投江夏豊

1973年セントラル・リーグ順位変動順位4月終了時5月終了時6月終了時7月終了時8月終了時9月終了時最終成績
1位中日--大洋--広島--中日--巨人--巨人--巨人--
2位大洋0.5広島0.0中日阪神3.0阪神0.5阪神2.5阪神0.5
3位阪神1.5中日1.0阪神1.0広島4.0中日1.0中日3.0中日1.5
4位巨人2.5阪神2.5巨人3.5巨人4.5広島2.0ヤクルト6.0ヤクルト4.5
5位広島3.5巨人4.0大洋4.0ヤクルト6.5大洋2.5大洋6.0大洋5.0
6位ヤクルト4.0ヤクルト7.5ヤクルト6.5大洋9.0ヤクルト3.0広島6.5広島6.5


1973年セントラル・リーグ最終成績順位球団勝率
1位読売ジャイアンツ66604.524優勝
2位阪神タイガース64597.5200.5
3位中日ドラゴンズ64615.5121.5
4位ヤクルトアトムズ62653.4884.5
5位大洋ホエールズ60646.4845.0
6位広島東洋カープ60673.4726.5

[1]
オールスターゲーム1973詳細は「1973年のオールスターゲーム (日本プロ野球)」を参照

ファン投票監督推薦
田淵幸一上田二朗
江夏豊
藤田平
池田祥浩

入団・退団
シーズン開幕前

本節では、前シーズン終了から本シーズン開幕までの入退団について記述する。


入団

選手名背番号前所属備考
投手
五月女豊21日本石油ドラフト1位
渡辺博敏41西鉄金銭トレード
捕手
大和田正海33出原商店ドラフト外
内野手
森山正義26明治学院大学ドラフト2位
外野手
松永美隆39山口・宇部商ドラフト3位

退団

選手名背番号退団区分去就
投手
村山実11引退野球解説者
奥田敏輝48引退
但田裕介50引退
内野手
中村之保39引退
鎌田実41引退
外野手
山尾孝雄21引退
楠本秀雄33引退
上甲秀男35引退
マックファーデン57



選手・スタッフ

 阪神タイガース 1973


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