1972年の日本シリーズ
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(巨)○菅原(1勝)、関本、堀内?森
(急)●山田(2敗)、戸田、牧?種茂、岡田

[審判]セ沖(球)セ竹元 パ道仏 セ岡田功(塁)パ斎田 セ谷村(外)

阪急の先発は山田、巨人の先発は菅原勝矢。3回表巨人は先頭の柴田勲が四球で出塁、1死後、王の一塁線を破る安打を放ちで一死一、三塁と好機を作る。続く長嶋茂雄の犠牲飛球で巨人が先制。阪急はその裏先頭の福本が四球で出塁するが、菅原は福本の盗塁を警戒し一塁へ牽制球を投げ続け、8球目、福本は菅原の牽制に誘い出され一二塁間の挟殺プレーでアウト[11]

巨人は5回表、1死から高田が左前安打で出塁、王が四球で出塁、続く長嶋は山田の初球をスイングするも止めようとしたバットに手が出て浅い右翼飛を放つも、阪急の右翼手長池が捕球できずに安打となり満塁となる[12]。続く末次が山田の足元へ強いゴロを放つも山田がグラブを差し出すのが遅れて打球が中前に抜けて、2点適時打となり3-1[13]

阪急は6回裏、先頭の住友が四球で出塁、続く加藤が菅原の足を直撃するライナー放ち無死一、二塁。菅原は負傷して降板、二番手は関本四十四。だが、続く長池、森本潔がいずれも初球に手を出して凡退[12]。二死後、代打ソーレルの適時打で1点を返す。

阪急は9回裏、先頭の長池が四球で出塁、続くソーレルが安打で無死一、二塁とチャンスを作る。ここで巨人は堀内がリリーフ登板、第1戦から4連投となる。ここで阪急ベンチは続く打者岡田幸喜。巨人の内野陣はこの場面で阪急がバントで進塁か強打するかを見極めるため、堀内に対し二塁へ牽制球を投げるよう指示する[14]。登板したばかりの堀内は指示通り二塁へ牽制[14]。この時岡田はバントの構えを見せた。この動きを見た巨人の野手陣は「バントではなく強攻してくる」と予測、果たして岡田は遊撃左へライナーを放つが黒江がこれを好捕し、二塁に入った土井にトスして併殺、阪急は二死一塁となる[14]。阪急はなお大橋がレフトポール際へあわや本塁打という大飛球を放ち[15]、結局四球を選ぶ。続く代打当銀秀崇も四球を選び二死満塁と堀内を攻めるも、福本のセンター前へ抜けようかというライナーを土井が好捕し、ゲームセット。

公式記録関係(日本野球機構ページ)
第5戦

10月28日 西宮 入場者27269人

巨人0053000008
阪急0100000023

(巨)○高橋一(1勝)?森
(急)米田、●戸田(1敗)、牧、児玉、山田、足立?種茂、岡田
本塁打
(巨)王1号ソロ(3回戸田)、長嶋2号ソロ(3回戸田)、黒江1号2ラン(3回戸田)、森1号ソロ(3回戸田)
(急)
大熊1号ソロ(2回高橋一)、長池3号2ラン(9回高橋一)

[審判]セ松橋(球)パ斎田 セ岡田功 パ道仏(塁)セ谷村 パ田川(外)この日まであまり派手な攻撃を見せなかった巨人の主砲ONが、午後一時四十五分を期して、突如として阪急の頭上に襲いかかった。それから一時間、休むひまもなく攻めつける巨人の猛攻撃を見せつけられて、私はふと、第二次大戦の戦場で、連合軍から受けた猛爆撃を思い出した。三原脩[16]

予定されていた27日金曜日の試合は雨で順延し、28日土曜日に第5戦が行われた。巨人の先発は高橋一三、阪急の先発は今シリーズ初登板となるベテランの米田哲也。阪急が2回裏に大熊の本塁打で先制。西本監督は3回表から米田から戸田善紀へ継投する。戸田をこの試合で起用したのはシリーズ3試合に登板して6イニングを無失点に抑えた実績を西本監督が買ったものだった[17]。3回表巨人は一死から王、長嶋が連続本塁打を放って逆転。続く末次が四球で一塁へ出塁すると、次打者黒江透修が2点本塁打、さらに次打者の森昌彦も本塁打を放ち、1イニング4本塁打のシリーズ記録をマークして5得点をあげる[17]。戸田はわずかアウト1つ取っただけで降板し、牧憲二郎が登板。

巨人は4回にも阪急四番手の児玉好弘から、長嶋の二塁打と黒江の内野安打で3点を追加して、8-1とリードを広げた。9回裏、阪急は長池が2点本塁打を放ったが時すでに遅く、最後は先発の高橋一が岡田幸喜を三振に仕留め、巨人が4勝1敗で8年連続日本一を達成。高橋一は完投で4年連続のシリーズ胴上げ投手となった。

雨で試合が1日順延した際、西本は恵みの雨だと喜んだ。西本は第5戦の先発投手について、足立を起用して勝利すると、第6戦の後楽園での舞台を若い投手で乗り切らなくてはならず若手に後楽園は荷が重いとし、第6戦以降を見据えたものだったと明かした[18]。だが、阪急はすでに3敗を喫し「阪急にはあすがないはずなのに、西本監督の頭の中には“あす”があった」(読売新聞[18])と西本の用兵はマスコミに疑問視された。さらに、戸田の起用についても「あそこ(長島に打たれたところ)でとまってくれば止まってくれればという気持ちだった」という西本の決断は、マスコミの批判を浴びた[19]

公式記録関係(日本野球機構ページ)
表彰選手

最優秀選手賞、最優秀投手賞 堀内恒夫(巨)

敢闘賞
足立光宏 (急)

打撃賞 王貞治(巨)

技能賞 末次民夫(巨)

優秀選手賞 長嶋茂雄(巨)

テレビ・ラジオ中継
テレビ中継

第1戦:10月21日

日本テレビ 実況:赤木孝男 解説中上英雄 ゲスト解説:野村克也南海選手兼任監督

NHK総合 実況:岡田実 解説:小西得郎鶴岡一人


第2戦:10月23日

日本テレビ 実況:越智正典 解説:佐々木信也 ゲスト解説:岡村幸治東映)、坂井勝二大洋


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