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The Great Daylight 1972 Fireball
1972年の昼間火球(1972ねんのちゅうかんかきゅう、Great Daylight 1972 Fireball、または US19720810)は、1972年8月10日の協定世界時20時29分、アメリカ合衆国ユタ州からカナダのアルバータ州上空にかけて、地上57kmの大気圏内を100秒間にわたって小天体が通過したことによって発生した火球である。アメリカ時間(中部標準時 UTC-6)では14時30分で、多くの人々に目撃され、ワイオミング州のグランドティトン国立公園を訪れていた観光客によって8mmカメラで撮影された。
通過した小天体が石質の隕石であれば径が3m、あるいは彗星起源の氷天体であれば径は約14m(重量は約1,500トン)と解析されたが、1994年にチェコの天文学者ズデネェック・セプレハは、データを見直し、大きさは2mから10mであったと推定した。小天体の進入速度は約15km/秒で、小天体が100秒間大気圏内にあるうちに800m/秒ほど減速し、宇宙空間に飛び去った。またその際、この天体の軌道は大きく (例えば軌道傾斜角は15度から7度へと) 変化した。
進入角がもっと大きければ、隕石は大気の抵抗によって速度を失い大気中で爆発したと思われる。爆発のエネルギーや爆発する高度は進入角や密度で異なるが数キロトンのエネルギーであったと推定される。下表は Collins らによる概略プログラムによる爆発エネルギーの計算値である。
直径 (m)密度進入角エネルギーロス爆発高度重量エネルギー 火球が現れるのはまれで、見られる時間も極めて短いので、火球の科学的なデータが得られたことは少なかった。科学的な研究が行われた事例には以下のようなものがある。
33.41度1.3キロトン43 km0.7キロトン
33.445度1.3キロトン39 km0.4キロトン
80.91度6キロトン80 km0.4キロトン
80.945度6キロトン45 km2キロトン
科学的に調査された火球
1972年8月10日:US19720810、アメリカ合衆国とカナダの上空を15km/秒で通過した。
1990年10月13日:チェコスロバキアの上空を40kgの質量の隕石が97.9kmの高さを41.5 km/秒で通過した。
2006年3月29日:日本の上空で71.4kmの高さを18.8 km/秒で通過するのが観測された。
2007年8月7日:EN070807、European Fireball Network が観測した火球。
関連項目
アースグレイジング火球
外部リンク
US19720810 (Daylight Earth grazer) orbital characteristics from Global Superbolide Network Archive, 2000
⇒fireball, meteorite, bolide, meteor, video and photo link to photos and cine film by Linda Baker
Earthgrazer: The Great Daylight Fireball of 1972
⇒Earth-grazing fireball on March 29, 2006
2000年以前
861年直方隕石
1492年エンシスハイム隕石
1516年南丹隕石
1632年南野隕石
1783年の流星物体(英語版)
1860年の流星物体
1908年ツングースカ大爆発
1913年の流星物体
1947年シホテアリニ隕石落下
1954年ホッジス隕石
1960年ガオ・ギニー隕石
1969年アエンデ隕石
1969年マーチソン隕石
1972年の昼間火球
1976年吉林隕石
2000年タギシュ・レイク隕石
2001年以降
2002年東地中海の火球
2002年シベリアの火球
2007年カランカス隕石
2008 TC3(アルマハータ・シッタ隕石)
2008年バザード・クーリー隕石
2009年スラウェシ島の火球
2012年サッターズミル隕石
2012年イギリスの流星物体
2013年チェリャビンスク州の隕石落下
2014 AA
2018 LA(英語版)
2019 MO(英語版)
2022 EB5
2023_CX1
木星上
1994年シューメーカー・レヴィ第9彗星
2009年木星衝突(英語版)
2010年木星衝突(英語版)
関連項目
地球近傍天体
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