1928年アムステルダムオリンピックの陸上競技・女子800m
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ザンダムの宿舎で泣き明かした人見は「このままでは日本に帰れない」と考え、エントリーだけはしてあった800mへの出場を竹内廣三郎監督(京都師範学校教諭)に懇願した[15]。800mの出場経験がない人見が世界のトップレベルの選手と争おうとするのを竹内は反対したが、人見の意志は固く、最後には竹内が折れた[5][15]。そして竹内と男子日本代表が集まって、出場経験のない人見のためにダグラス・ロウイギリス)を模範とした800mの走法と戦略を叩き込んだ[16]
結果
予選WR 世界記録 。AR エリア記録 。CR 選手権記録 。GR 大会記録 。NR 国家記録 。OR オリンピック記録 。PB 自己ベスト 。SB シーズンベスト 。WL 世界最高(当該シーズン中) 。Q 順位による通過

8月1日に開催され[16]、13か国25人が出場した[5][16]。コース取りは各選手によるくじ引きで決まった[16]。人見が控え室入りすると、見慣れない顔に他の選手は怪訝そうな表情を浮かべた[16]。当日は時々小雨が降っていた[16]
第1組

マリー・ドリンジャー(英語版)(ドイツ)とインガ・ゲンツェルスウェーデン)の競り合いで始まり、2周目に入るとドリンジャーが飛び出し、ゲンツェルを3m離してゴールした[17]。記録2分22秒4は世界記録を更新した[17]

順位選手国記録備考
1マリー・ドリンジャー(英語版) ドイツ2:22.4WR, OR, Q
2インガ・ゲンツェル スウェーデン Q
3ファニー・ローゼンフェルド カナダ Q
4ジョー・マロン(英語版) オランダ
5エリザベス・エストライヒ(英語版) ドイツ
6ディー・ベックマン(英語版) アメリカ合衆国

第2組

人見は最もアウトコースから出走した[16]。竹内監督から「予選通過を第一に、力をセーブせよ」との指示を受けた人見は、トップを走ったラトケ(ドイツ)にくっついて2位でゴールした[16]。観戦していた野口源三郎は、ラトケが美しいフォームで終始リードし、続いて人見も余力を残しながらゴールしたと記している[18]


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