1600メートルリレー走
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1600メートルリレー走(1600メートルリレーそう、英語: 4x400 metres relay)は、4人で400mずつリレーしながら走り、その時間を競う陸上競技である。
概要

1600メートルは約1マイルであることから、マイルリレーとも呼ばれる。また、4×400mRや1600mRと表記されることも多い。ほとんどの大会ではマラソンなどを除いて最終種目として行われることが多く、大いに盛り上がる種目である。

第1走者のみがセパレートレーンで走り、第2走者が第2コーナーを回ってからはオープンレーンとなる。この為、選手同士の接触や接触によるバトンの落下、また競り合いによる激しい肉弾戦も展開される。走力も重要だが、リレーゾーンではコーナートップ制を取っていて、2走から3走、3走からアンカーへのバトンパスは、走り終えた選手がバトンを受けて走り出す選手の進路を妨げてしまう(走り終えた直後であり、後ろは見えない)危険もあり、ここでのタイムロスもまた勝負の行方を左右するのでバトンパスも重要である。

基本的には400mを得意にする選手で構成されることが多いが、持久力があり、ラストスパートの強さを生かせる800メートル走の選手や、障害走ながら同じ距離を走る400メートルハードルの選手が起用されることも多い。またスピードを武器とする100m、200mを本業とする選手がオリンピック世界陸上競技選手権大会の決勝で、メダル獲得や入賞への切り札として投入され、大きく貢献することもある(日本では伊東浩司、世界ではアリソン・フェリックスなどが該当する)。但しこれは多くの大会の場合、彼らの本職である4×100mRの決勝と本種目の予選が同一日(最終日の前日)に重なっており、たとえ2、3時間の間隔が開いていてもかけもちが難しい(スタッフも無理をさせたくないのが本音と思われる)という日程面の影響もある。

男子、女子に加え、男女混合がU18では2015年世界ユースから、U18以外では2017年世界リレー以降国際大会で行われている。
現在の競技状況

世界的に男子は、アメリカ合衆国が400メートルのベストタイム43 - 44秒台の選手を多数擁する絶対の選手層で、実力が突出しているが、2 - 8位ぐらいまでは実力的にほとんど差がない状態である。1990年代後半?2000年代の初めには日本の実力は5位前後で、今後の強化次第では世界選手権オリンピックでのメダル獲得は決して夢ではないと思われていた時期もあった。戦前の1932年ロサンゼルスオリンピックで5位入賞を果たして以来、長らく決勝に進めない状況が続いていたが、1996年アトランタオリンピックで戦後初の5位入賞を果たし、2003年世界陸上パリ大会では7位入賞、2004年アテネオリンピックではこの種目としては世界大会過去最高の4位(3位とは100分の9秒差)に入っている。反面決勝の常連である4×100mRに比べると選手の層が薄く、選手個人の故障などもあってベストな状態で挑めることが少なく、北京オリンピックではベストメンバーを組めず予選で敗退するなど、現在では決勝進出が目標となっている[1]世界陸上選手権は第1回からの連続出場を続けてきたが、2009年参加標準記録を切ることができず、連続出場が途切れた[2]

女子はアメリカ、ジャマイカロシアなどが実力上位と考えられ、日本は世界選手権やオリンピックの出場枠の上位16位が当面の目標であったが、2008年北京オリンピックで史上初めて出場枠を手に入れ、予選敗退ながらも日本記録に匹敵する走りを披露した。
男子

記録タイム氏名所属日付
世界2分54秒29
アンドリュー・バルモンクインシー・ワッツブッチ・レイノルズマイケル・ジョンソン アメリカ合衆国1993年8月22日
世界ジュニア3分00秒33Zachary Shinnick、Josephus Lyles、Brian Herron、Sean Hooper アメリカ合衆国2017年7月23日
日本2分59秒51佐藤風雅川端魁人ウォルシュ・ジュリアン、中島 佑気ジョセフ 日本2022年7月24日
学生3分03秒71小林稔、向井裕紀弘、中川亘、山村貴彦日本大学2000年5月21日
学生(混成)3分03秒20太田和憲、堀籠佳宏、山村貴彦成迫健児 日本2005年8月20日
日本ジュニア3分04秒11ウォルシュ・ジュリアン、油井快晴、北川貴理加藤修也 日本2014年7月27日
高校3分07秒81庄籠大翔、 渕上翔太、 小坂洸樹、 冨永湧平東福岡高等学校2022年10月2日
中学3分25秒5尾崎宏文、井谷弘志、矢追孝、谷脇啓司川西町三宅町組合立式下中学校1987年6月28日
中学(混成)3分21秒88山下永吉、小栗良太、田島凌、大石真功静岡県中学選抜2007年11月23日

女子

記録タイム氏名所属日付
世界3分15秒17
タチアナ・レドフスカヤオルガ・ナザロワ、マリヤ・ピニギナ、オルガ・ブリズギナ ソビエト連邦1988年10月1日
世界ジュニア3分27秒60アレクサンドリア・アンダーソン、Ashlee Kidd、ステファニー・スミス、Natasha Hasting アメリカ合衆国2004年7月18日
日本3分28秒91青山聖佳市川華菜千葉麻美青木沙弥佳 日本2015年8月29日
学生3分34秒70渡辺なつみ、丹野麻美青木沙弥佳、金田一菜可福島大学2007年10月28日
日本ジュニア3分34秒83天野恵子、笠島里美、山形依希子、柿沼和恵 日本1992年9月20日
高校3分37秒67戸谷温海、川田朱夏、戸谷湧海、佐々木梓東大阪大学敬愛高等学校2016年8月2日
高校(混成)3分35秒03青山聖佳、杉浦はる香、大木彩夏、神保祐希日本選抜U192013年11月2日
中学3分54秒88徳田由美子、松本恵、飯島直美、鈴木真紀三芳町立藤久保中学校1988年11月3日

世界記録
世界記録の変遷

1977年以降の電気計時公認記録

男子[3]タイム氏名所属日付場所大会
2分56秒16ダニー・エベレットスティーブ・ルイス、Kevin Robinzine、ハリー・レイノルズ アメリカ合衆国1988年10月1日ソウルオリンピック
2分55秒74アンドリュー・バルモンクインシー・ワッツマイケル・ジョンソンスティーブ・ルイス アメリカ合衆国1992年8月8日バルセロナオリンピック


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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