この項目では、主に日本の事例について説明しています。
その他の国や地域(#他国の例)の緊急通報用電話番号については「緊急通報用電話番号」をご覧ください。
その他については「119」をご覧ください。
国際電気通信連合は、2012年に世界標準の緊急通報用電話番号として、アメリカで使われる911番とヨーロッパなどで使われる112番を割り当てている[1][2]、その他の番号についても世界地図で示す。 .mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{} 112 911 112と911 その他の番号、リダイレクト番号なし
119番[注釈 1](ひゃくじゅうきゅうばん)は、日本で火災を発見した時(火事)、急病人・怪我人を発見した時(救急)、事故や災害等で助けを必要とする時(救助)など、緊急時に消防へ助けを求める時に通報する電話番号である[注釈 2]。 1890年(明治23年)12月16日、加入電話[注釈 3]交換事業を創業した逓信省は、日本初の電話番号119番を日本橋区の東京郵便電信局に指定した。消防組織を内包していた警視庁は数年遅れて加入電話に入り、その電話番号1430番が市民からの火災報知に用いられた。 1917年(大正6年)4月1日、逓信省は東京で火災報知用電話制度を導入した[3][4][5]。これは各電話局ごとに事前に定めた窓口となる消防署へ専用線を架設し、火災報知に限って、電話交換手に(電話番号を省き)『火事』と告げるだけでそこへ接続される有料サービスである。 1919年(大正8年)4月1日、逓信省は東京・大阪・横浜で実施されてきた火災報知用電話の無料化に踏み切り、さらに翌年には京都・名古屋・神戸でもこのサービスを開始した。こうして六大都市で『火事』と告げるだけでよい火災報知用電話制度(無料)が始まったが、他の都市では消防署の加入電話番号を告げる有料報知が続いた。 1926年(大正15年)[注釈 4] 1月20日、交換手によって行なわれてきた回線接続の自動化が順次スタートした。自動化完了エリアでは火災報知用の電話番号として112番が逓信省により選定されたが、誤接続が多発した。原因調査の結果、電話局の自動交換システムの仕様にも起因するものであり、112番の末尾を局番に未使用の「9」番に改めることにより、電気的な誤接続の回避が見込めることがわかった[6]。 1927年(昭和2年)10月1日、逓信省は火災報知用の電話番号を119番に改めた[7][8][9]。なお元号が大正から昭和に変わっているが、火災報知に112番が使われたのは僅か1年9箇月ほどでしかない。応急救護用としても119番を使い始めたのは1936年(昭和11年)1月20日で、警視庁消防部に新設された救急隊によるものだった[10][11]。 1948年(昭和23年)3月9日に消防組織法[12] が施行され、警察組織から消防組織が分離独立し119番を引き継いだ。 1949年(昭和24年)6月1日、GHQ/SCAPの郵電分離政策により、逓信省は郵便ビジネスの郵政省と、通信ビジネスの電気通信省に分割された[13]。しかし僅か3年後の1952年(昭和27年)には日本電信電話公社が創設され、電気通信省の電報・電話ビジネスを継承した。そして日本電信電話公社の手により119番の設置基準などがはじめて明文化されたのが1953年(昭和28年)8月10日だった[14]。 消防法 (昭和23年7月24日 法律第186号) [注釈 6]第二十四条 火災を発見した者は、遅滞なくこれを消防署又は市町村長の指定した場所に通報しなければならない。 2017年(平成29年)度における119番通報の総件数は8,442,390件で、内訳は救急・救助が5,983,978件(70.9%)、火災は74,669件(0.9%)だった[15]。また通報に使われた回線別にみると携帯電話42.6%、加入電話33.0%、IP電話等24.4%となっている[15]。
概要
消防法第24条により火災の通報は何人たりとも義務づけられており[注釈 5]、また第44条で虚偽の通報は処罰対象と定められており、偽計業務妨害罪に追加されて処罰される。
2 すべての人は、前項の通報が最も迅速に到達するように協力しなければならない。
第四十四条 次のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金又は拘留に処する。
(中略)二十 正当な理由がなく消防署又は第二十四条(第三十六条第七項において準用する場合を含む。)の規定による市町村長の指定した場所に火災発生の虚偽の通報又は第二条第九項の傷病者に係る虚偽の通報をした者