11ぴきのねこ
[Wikipedia|▼Menu]

『11ぴきのねこ』は、馬場のぼるが著作した絵本シリーズ、またそのシリーズの第1作のタイトル。11ぴきのねこたちが力を合わせ怪魚を捕まえる物語。かわいらしい絵と意外なストーリー展開が特徴。シリーズ全般に子ども向けでありながら、11ぴきいることによる集団心理、団結することによる効果、「とらねこたいしょう」によるリーダーシップなどが描かれている。2020年9月時点でシリーズ累計発行部数は451万部を記録している[1]

1967年に『11ぴきのねこ』がこぐま社より刊行され、翌年第15回サンケイ児童出版文化賞を受賞した。以後6作にわたって『11ぴきのねこ(と)?』の題名で出版された。『11ぴきのねことあほうどり』は文藝春秋漫画賞、『11ぴきのねこ マラソン大会』はボローニャ国際児童図書展エルバ賞を受賞している。

1980年1986年にはアニメ映画化もされている。アニメ映画のリバイバル上映は一切ないが、カートゥーン ネットワークなどで放送されたことがある。
シリーズ作品
11ぴきのねこ (1967年)

11ぴきのねことあほうどり (1972年)

11ぴきのねことぶた (1976年)

11ぴきのねこ ふくろのなか (1982年)

11ぴきのねことへんなねこ (1989年)

11ぴきのねこ マラソン大会 (1992年、絵巻えほん)

11ぴきのねこ どろんこ (1996年)

他に『11ぴきのねこ かるた』(1994年、かるた)など。
『11ぴきのねこ』(第1作)
あらすじ

空腹を抱えた11匹の野良猫たちは、「じいさんねこ」に湖に巨大な魚がいることを教えられる。湖に赴いた猫たちは、巨大な魚を捕まえるために苦闘する。
備考

作中に「ねんねこさっしゃれ」という歌が登場するが、版元の
こぐま社は「中国地方の子守唄」ではないかとしている[2]

登場キャラクター(シリーズ)

作中に登場する猫たちは、いずれも人間と同じ2足歩行をしている。
とらねこたいしょう
11匹のねこのリーダー。白体色に青い縞模様がある。「諸君(しょくん)!」と他の10匹のねこを呼ぶ、みんなのまとめ役で常に列の先頭に立つ。OAVでのオープニングや一部のグッズでは、黄色で黒の虎縞模様だった。
ねこたち(10匹)
とらねこたいしょうの部下、お供のねこたち。色は初期は紫色、後に水色。顔も姿も他のねことそっくりだが、全員それぞれが兄弟でも家族でもないらしい。大将とは出会った時から、仲間だった。同一かは不明だが、原作の裏表紙にいつも1匹だけ別行動をしているねこがいる。映画では一人一人、声や性格が異なっており、『あほうどり』ではメンバーの一匹が3羽目の娘あほうどりと恋に落ちた。
市長
ネコの町の市長。黄色でめがねをかけている。11匹の猫たちが町を騒がしくしてばかりいるあまりに、苦情の手紙が住民から届き、11匹のいたずらに怒ることもある。映画『あほうどり』では、当初は猫たちのコロッケに感動して彼らに賞を与えようとするが、後に住民たち同様コロッケに嫌気がさし、掌を返すように態度を変え、彼らがあほうどりの島に行くと聞いた際に喜ぶなど、市長として難ありな部分もある。
警察署長
ネコの警察官。色はグレー。いつも市長に怒られてばかりだが、市長同様に11匹の猫たちのいたずらに手を焼いており、その11匹に対して「これ以上周りに迷惑をかけたら解散だ!」と怒鳴り散らす。映画『あほうどり』では市長同様、当初は猫たちを高く評価するが、コロッケに食べ飽き、コロッケを死刑にしようとしたり、猫たちが旅に出ると聞くと大喜びするなど、都合の良い性格である。
ヒゲ長じいさん
その名の通り、ヒゲの長い老人ネコ。11匹に巨大魚のありかを教える。しかし、町の皆や市長達は信じようとはしない。原作では長老ねこがありかを教える。
巨大魚(きょだいぎょ)
クジラぐらいの大きさの魚。湖の小島で寝息を立てて寝っころがるので、
肺魚の一種と思われる。原作では真向からねこたちが巨大魚に挑むも敗北してしまうが、アニメ映画での特技は子守唄で、歌に誘い込まれたねこたちを食おうとする。弱点も子守唄でねこたちに捕らわれ、水辺にたどり着くうちに食べられてしまう。
ネコの魚屋さん
魚屋で働く職人。11匹のネコに魚を盗み食い(厳密にはねこたちを追いかけようとしてネコの魚屋が落とした魚を11匹が食べた)されたことで警察署長に抗議する。
あほうどり
アホウドリ島からやってきたあほうどり。10羽のきょうだいがいる。数字が3までしか数えられず、猫たちから出された6個のコロッケを「3が2つ」と数えていた。ねこの作るコロッケが大好物で、映画では11ぴきのねこに勧められ、店のコロッケを全部平らげるほどの食いしん坊である。コロッケに飽きてしまったねこたちに「鳥の丸焼き」を想像させられ、食べられそうになるが、最後まで気づくことはなかった。アニメ映画では先述の3までしか数えられない面と、どこか抜けているところがある面が強調され、山猫に食べられそうになっても慌てる様子がなかったり、猫たちの代わりにコロッケを作ろうとして上手く行かず失敗ばかりする。
山猫たち
あほうどりを誘拐して捕われにした悪い猫たち。アニメ映画のみ登場。
ジャンボあほうどり(11羽目)
ねこのコロッケ屋に尋ねた小さいほうのあほうどりの、一番上のお兄さん。他の10羽のあほうどりより明らかに大きく、「11わあっ」と勢いよく出て来る巨大あほうどり。あまりの巨大さに、最初ねこたちは「あほうどりのオバケだ」と驚いて逃げ出してしまうが、ねこたちの気球を咥えて「コロッケお願いしまぁす」と阻止する。実際はとても人が良く、面倒見がいい鳥で、映画ではたくさんのコロッケをご馳走してくれた礼に11ぴきのねこたちを空の散歩に連れて行ったり、島の料理をご馳走する。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:21 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef