1000年女王
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今敏が監督を担当したアニメーション映画「千年女優」とは異なります。

新竹取物語 1000年女王
ジャンルSF
漫画
作者松本零士
出版社サンケイ出版

その他の出版社
小学館(愛蔵版・文庫版・コンビニコミック)
産業経済新聞社(コンビニコミック)

掲載誌サンケイ新聞
西日本スポーツ
レーベルワクワクコミックス
発表期間1980年1月28日 - 1983年5月11日
巻数5巻(単行本)
3巻(愛蔵版・文庫版)
話数1000話
アニメ
原作松本零士
監督西沢信孝
キャラクターデザイン兼森義則
メカニックデザイン板橋克己
音楽宇崎竜童朝川朋之
アニメーション制作東映動画
製作東映動画
放送局フジテレビ
放送期間1981年4月16日 - 1982年3月25日
話数42話
テンプレート - ノート

『新竹取物語 1000年女王』(しんたけとりものがたり せんねんじょおう)は、松本零士漫画、及びそれを原作としたアニメ。.mw-parser-output .toclimit-2 .toclevel-1 ul,.mw-parser-output .toclimit-3 .toclevel-2 ul,.mw-parser-output .toclimit-4 .toclevel-3 ul,.mw-parser-output .toclimit-5 .toclevel-4 ul,.mw-parser-output .toclimit-6 .toclevel-5 ul,.mw-parser-output .toclimit-7 .toclevel-6 ul{display:none}
作品解説

連載開始当時の1980年から見て近未来となる1999年を舞台に、1000年周期で地球に大きな災害をもたらす惑星ラーメタルの最接近という天文スペクタクルを交えながら、地球人の少年・雨森始とラーメタルから派遣された1000年女王であるラー・アンドロメダ・プロメシュームこと雪野弥生の交流を描いた作品。またこの機に乗じて地球移住をもくろむラーメタル人と地球人達との戦いも描かれる。

産経新聞」(当時の題字はカタカナ表記の「サンケイ」)の朝刊と「西日本スポーツ[注釈 1]で1980年1月28日から1983年5月11日までの月曜?金曜版に1ページずつ連載されていた。全1000回(全1000ページ)。なお、連載が休みとなる日曜版では「1000年女王ひろば」という読者投稿コーナーを設け、読者から寄せられた意見やイラストを掲載していた。漫画版、テレビ版、映画版ではキャラクターデザインや性格の設定に異同があり、ストーリー展開もそれぞれ異なる。

1978年から1981年にかけてヒットした『銀河鉄道999』を受けて、フジサンケイグループ東映が松本零士に原作を提供してもらい、産経新聞では漫画連載、フジテレビでは『999』の後番組としてテレビアニメシリーズ放映、映画版公開時にはニッポン放送でラジオドラマ放送など、グループを挙げての盛んなメディアミックス展開を行なった。宣伝も盛んに行われたことから、「宣伝女王」と揶揄されることもあった[1]。映画版は、後に多くのアニメの製作で行なわれることとなる製作委員会方式の先駈けである。

しかし、先に『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』で爆発的なブームを巻き起こしていた松本アニメブームはこのとき既に陰りを見せており、アニメファンの注目は同時期の『機動戦士ガンダム』へ移行し、『999』ほどの人気は得られずにこのプロジェクトは終了した。
タイトルとモチーフ

原作およびテレビアニメ版のタイトルロゴは「1000年女王」の文字を大きくとり、台形を逆さまにしたような形のデザインの上に尾を引く流星が描かれ、尾の中に「新竹取物語」と副題が書かれていた。この副題にあるように、モチーフは『竹取物語』(かぐや姫)である。松本によれば、本作を連載する6、7年前に描いていた漫画『ダイバー0』の「金星の1000年女王」というサブタイトルの回で1000年女王というキャラクターを登場させて以来、いつか長編にしようと構想を練っていたという[2][注釈 2]。また、タイトルで「1000」と付いているのは「(銀河鉄道)999」の次ということを意識しているからでは、との問いに対し松本は「いや、まったくの偶然です」と答えている[2]
松本作品における位置づけと『銀河鉄道999』との関連性

松本は本作について「この『1000年女王』はメーテルの母親にまつわる物語、つまり、時系列的に『999』以前のもので、私の宇宙物にとって、絶対に欠かせない作品なんです。この『1000年女王』が無いと、一つの輪の重要な接点が無くなるんです。」と述べており[3]、自身の作品世界を構築する上で重要な位置づけであることを明言していた。だが劇中ではそうした『999』との関連性については明示されることはなく、映画版のテレビCMで「1000年女王は、メーテルなのか?」というコピーが使われ始めた頃には松本自身も「雪野弥生はメーテル」[4]と言い出したこともあって連載中は本作が『999』の前史であることや、メーテルの母・プロメシュームの物語ということが大きくアピールされることはなかった。しかしその後、本作の後日談で『999』の前日談となるアニメ作品『メーテルレジェンド』(2000年)と『宇宙交響詩メーテル 銀河鉄道999外伝』(2004年)で本作のヒロイン・雪野弥生が『999』のプロメシュームであることが作中で明示された。2009年末から2010年初頭にかけて産経新聞出版より全3巻で刊行されたコンビニコミック版では、表紙に「メーテルの母の青春」というコピーが入っており、本作が『999』の前史であることと、メーテルの母・プロメシュームの物語であることをアピールするものとなっている。

本作の「姉妹が女王に反抗し、一方は賊に身を落とす」という設定は1996年にビッグゴールドで連載を再開した『999』とその関連作品に引き継がれ、これに伴いプロメシュームの一人娘という設定のメーテルと彼女とはライバルという位置づけだった女海賊エメラルダスは姉妹となり、『メーテルレジェンド』と『宇宙交響詩』は「かつてセレンと共に姉妹で女王ラーレラに反抗した弥生が、やがて自らが女王プロメシュームとなり、そして娘のメーテルと海賊エメラルダスの姉妹に反抗される」という因縁話となっている。
あらすじ

1999年[注釈 3]、地球へと接近する太陽系第10番惑星の存在が確認された。東京郊外のとある町[注釈 4]に住む中学生の少年・雨森始は、学校から帰宅した際に自宅の電子鉄工所で起こった爆発事故で両親を失ってしまう。自身も爆発に巻き込まれ、入院先の病院で謎の女性と出会う。数日後、伯父が所長を務める筑波山天文台を訪れると、そこには病院で出会った謎の女性がいた。彼女の名前は雪野弥生で、伯父の助手だという。

爆発事故と前後して、始の周りで怪事件が起こり始める。そこにちらつく謎の組織・1000年盗賊の影。やがて始は地球に近づく謎の惑星がラーメタルという名の星であること、弥生の正体がそのラーメタルから派遣され、永い間人知れず地球を導いてきた1000年女王であることを知る。

そして運命の時「1999年9月9日零時9分9秒」が、刻一刻と迫りつつあった。
登場人物
主要キャラクター
雨森 始 (あまもり はじめ)
- 戸田恵子主人公。ごく普通の中学生で、容姿は『999』の星野鉄郎に学生服を着せた感じのキャラクター。宇宙に強い関心を持ち、弥生に好意を寄せている。学校の成績はあまりいい方ではないが、真面目で心優しい少年。当初は両親の死を1000年盗賊によるものだと考え、仇を討とうとしていた。当初は鉄郎の1000年前の先祖という設定だったが、後に同じく『999』に登場するドクター・バンと同一人物とする説も出て、その説は根強く[5]、別冊宝島982『松本零士 大宇宙ファンタジー』などでそうした記述を確認できる[6]。〔漫画版〕弥生や夜森により知能をアップする装置にかけられ、宇宙船の操縦を行うなどの活躍を見せる一方、ラーレラの我が侭に散々振り回されつつも、ラーメタルに拉致されるなどの災難に逢う。その後、命がけのハンガーストライキを実行したり、弥生に一時天才に改造させられた潜在能力を駆使したり、夜森を自分の側に寝返らせる事で、ラーレラの心境に変化を与え、最終的に地球移住計画を断念させた。先祖はソフと呼ばれる弥生のはるか先代の女王が愛した原人だった。〔TV版〕1000年盗賊とも接点を持っていくうち、彼らもまた地球を救おうとしているのだと考えるようになり、反目しあう1000年女王と1000年盗賊を和解させるきっかけを作り、その行動力とひたむきさは、弥生とセレンの地球を救おうとする活動にも大きな影響を与えていく。終盤では、ヘリコプターを操縦し、ラーメタル接近による天変地異で逃げ遅れた人々の救助活動にも携わった。〔映画版〕弥生の教え子の劣等生という設定で登場。地球を守るべく、両親の仕事の事を知った後に、博物館にあるゼロ戦を使用するなどしてラーメタル兵とも戦った。ラーメタルとの戦いの後、死の床の弥生から、弥生の依頼が原因で両親を死なせる羽目になった事を詫びられるが、自分よりも長い年月の中で苦悩し、地球のために故郷と戦う羽目になり、セレン、ミライ、夜森、ファラといった自分よりも遙かに多くの大切な人々を喪ってしまった弥生の心中と悲しみ、立場を理解して許し、涙の別れを迎える。
雪野 弥生 (ゆきの やよい)
声 - 潘恵子詳細は「雪野弥生」を参照本作のヒロイン。アニメ版ではTV・映画ともにトップクレジットとして表示され主人公となっている。ラーメタル名は、映画版と漫画版ではラー・アンドロメダ・プロメシュームII世。TVでは「II世」が省略されている。1000年間、地球を見守る歴代1000年女王の一人で、地下大空洞内のラーメタル人による地下組織の頭目であり、漫画版と映画版では、1000年もの長い間に地球を支配する傍ら、地球人の良さと心を知って、地球を愛し、地球人に味方する心が芽生えていくが、自分の治世の間に優しかった地球人が、武器を手に採って戦い、血生臭い歴史を造るようになっていった事で、そうした地球人を変えてしまった母星ラーメタルと、その指令を実行した自分への後悔と嫌悪の念を人知れず抱き続けたり、自分の依頼発注したものが原因で始の両親が死ぬ結果となった事で、始への負い目も抱いている。


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