007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

製作費$250,000,000 - $301,000,000[3][4]
興行収入 $774,153,007[5]
$127,715,138
$160,891,007
27億1200万円[6]
前作007 スペクター
テンプレートを表示

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(原題: No Time to Die)は、2021年イギリスアメリカ合衆国合作によるスパイアクション映画イーオン・プロダクションズが製作する「ジェームズ・ボンド」シリーズの第25作目となる[7]

第94回アカデミー賞ではビリー・アイリッシュとフィニアス・オコネルがアカデミー歌曲賞を受賞。『スカイフォール』、『スペクター』に続く三作連続の受賞となった。

主演のダニエル・クレイグは、架空のイギリスMI6エージェントのジェームズ・ボンドを演じるのは5回目であり、本作品がクレイグ自身最後のボンド映画となり「ダニエル・クレイグの007を完結する」と語っている。監督はキャリー・ジョージ・フクナガ、脚本はニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、フクナガ、フィービー・ウォーラー=ブリッジが務める。

レア・セドゥベン・ウィショーナオミ・ハリスジェフリー・ライトクリストフ・ヴァルツロリー・キニアレイフ・ファインズが前作の役柄を再演し、ラミ・マレックラシャーナ・リンチアナ・デ・アルマス、ダリ・ベンサーラ(フランス語版)、ビリー・マグヌッセンデヴィッド・デンシックが新キャラクターとして出演する。

企画開発は2016年に始まった。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、『007 スペクター』(2015年)の公開後、ソニー・ピクチャーズの契約満了に伴い、国際配給権を獲得したユニバーサル・ピクチャーズが配給するシリーズ初の作品。メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)の合弁会社であるユナイテッド・アーティスツ・リリーシングは、全世界のデジタルおよびテレビ放映権を含む北米の権利を保有している。また、ユニバーサルは、全世界での物理的な家庭用メディアでの発売権を有している[8]ダニー・ボイルは当初、監督と脚本をジョン・ホッジと共同で担当することになっていた。両者は2018年8月に創造性の違いから離脱し、その1カ月後にボイルの後任としてフクナガが発表された。キャストの大半は2019年4月までに契約していた。プリンシパルフォトグラフィーは2019年4月から10月まで、ワーキングタイトル『Bond 25』で行われた。最終的なタイトルは2019年8月に発表された。

ボイル監督の離脱とその後の新型コロナウイルスのパンデミックによる数回の延期の後、最終的にイギリスでは2021年9月30日、日本では10月1日、アメリカでは10月8日に公開された。
ストーリー

少し過去の冬、ノルウェー。幼少期のマドレーヌ・スワンは自宅にいたところを、「能面の男」によって襲撃される。男はかつて、マドレーヌの父親で「スペクター」の一員でもあるミスター・ホワイトに、自身の家族を殺害されたという経緯があった。マドレーヌと同居していた母親は、無抵抗のまま彼によって殺害される。隠れていたマドレーヌは戸棚で拳銃を見つけ、男の不意をついてこれを射殺したかに思われたものの、男の身体を家の外に引きずり出している最中に男は息を吹き返す。結氷湖の上を逃げようとした彼女は足下の氷が割れて水中へ転落するが、男はなぜか彼女を救い上げる。

スペクターとの戦いの後、現役を退いたボンド(ダニエル・クレイグ)とマドレーヌ(レア・セドゥ)はイタリアマテーラにて平穏な生活を送っていたが、マドレーヌは自らの過去をすべては明かせずにいた。それでも凶事を紙に書いて燃やすという現地の祭で、ひそかに紙に「能面の男(l'homme masque)」と書いて火を点ける。ボンドは過去と決別するため、かつて愛したヴェスパー・リンドの墓を訪れたが、そこにスペクターの紋章が描かれた1枚の紙を見つけると直後に墓が爆発しボンドはダメージを負ってしまう。ホテルに残したマドレーヌの身を案じたボンドは、襲撃してきたスペクターの傭兵たちと交戦しながらもマドレーヌと合流する。傭兵の1人であるプリモ(ダリ・ベンサーラ)の発した言葉や、重犯罪者刑務所に収監中の元「スペクター」首領、ブロフェルドからの電話でマドレーヌの裏切りを疑いながらも、武装したアストンマーティン・DB5で追跡者たちを振り切る。ボンドは彼女への疑いを拭いきれず、到着した駅でマドレーヌ一人を列車に乗せて決別する。

5年後、ボンドはジャマイカでひとり穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、彼のもとを旧友でもあるCIAエージェントのフィリックス・ライター(ジェフリー・ライト)がアメリカ国務省のローガン・アッシュ(ビリー・マグヌッセン)を伴って訪れ、プリモたちに襲撃された研究所から誘拐されたというロシア出身の細菌学者ヴァルド・オブルチェフ(デヴィッド・デンシック)を救い出して欲しいと依頼するが、ボンドはそれを断り2人と別れる。住居に戻ろうとした矢先、車(ランドローバー・シリーズIII)のトラブルに見舞われて途方に暮れていたボンドは現地の女性に声を掛けられ、「ノーミ」(ラシャーナ・リンチ)と名乗った彼女のバイクで帰宅する。自宅につくと女は現地人の偽装を解き、ボンドに「私が今の007よ」と明かし、ボンドが余計なことをしないように牽制して出ていった。

翌日、ボンドはフィリックスの電話を鳴らす。フィリックスの指示でキューバに赴いたボンドはCIAエージェントであるパロマ(アナ・デ・アルマス)と合流、そこでスペクターの構成員全員が集うブロフェルドの誕生日パーティ会場に潜入する。そこでプリモの義眼を通してブロフェルドと対峙(たいじ)し、直前にオブルチェフが開発していたナノマシンで命を奪われそうになる。しかし、開発中にオブルチェフがデータを入れ替えていたことで、逆にスペクターの構成員だけが全員ナノマシンで命を奪われ、ボンドは命拾いする。その後はノーミがオブルチェフの身柄を一度は確保するも、パロマとの協力もあってボンドが彼を奪還し、フィリックスが待つ洋上の漁船に連れてくる。しかし、そこでオブルチェフとアッシュがとある組織の配下であることや、MI6の部長M(レイフ・ファインズ)がオブルチェフに「ヘラクレス計画」[注釈 1]と呼ばれるナノマシンの開発をゆだねていたことが判明する。さらに襲撃を受けてフィリックスが被弾し、ボンドとともに船内に閉じ込められる事態に陥る。ボンドは脱出に成功するもののフィリックスが命を落とし、アッシュとオブルチェフの逃亡を許してしまう。

ロンドンに戻ったボンドはアストンマーティン・V8 ヴァンテージ・サルーンをガレージから引っ張り出してMI6に向かい、Q(ベン・ウィショー)やマネーペニー(ナオミ・ハリス)の協力のもと情報を得る。そしてMとの会話において、ナノマシンの開発はもともと純粋に国防のためであったこと、オブルチェフにやましい点がなかったこと、この時点でスペクター唯一の生き残りであるブロフェルド(クリストフ・ヴァルツ)とボンドを接触させることの危険性に加え、ブロフェルド自身がマドレーヌ以外の相手との面会を断っている旨を聞かされる。

一方、マドレーヌが勤務する病院に「能面の男」ことリューツィファー・サフィン(ラミ・マレック)が、かつて彼女の銃弾で割られた能面を携えて訪れると、ナノマシンでブロフェルドを殺害するよう依頼する。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:114 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef