007
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映画版でも踏襲されており、ボンドが紅茶を飲むシーンはない[1][2]

はカクテルのウォッカ・マティーニ(本来はジンベースのカクテルであるマティーニウォッカベースにしたもの)をステアせずにシェイクし「舌がしびれるほど冷やして」飲むのが好きで、彼の決め台詞になっている。また、ウォッカとジンの両方とも用意して(ゴードン・ジン 3、ウォッカ 1、キナ・リレ 1/2)、よくシェイクしてシャンパン・グラスに注ぎ、レモンの皮を入れるというオーダーをしたものは、ヴェスパーという名で現実世界でも親しまれている。

ウィンザーノットにしている奴は信用できない」と考えており、ウィンザーノットでタイを結ぶことはない。紐靴には拘りはなく、スリッポンを履くことも多い。

これらの服装や食の好みはフレミングの好みが色濃く反映されている。フレミングは「ウィンザーノットなんて手間のかかる結びをしている奴は顕示欲が強くて、付き合いたくない」とまで述べている。愛用している拳銃は、第一作『007 ドクターノオ』の劇中でベレッタM418(en:Beretta 418)を使っていたのを、武器担当者のアドバイスでワルサーPPKへ切り替え、(後にワルサーP99へ変更)以来同銃である。

誕生日は映画によってそれぞれ異なり、ダニエル・クレイグがボンド役を演じた『カジノ・ロワイヤル』以降の作品では設定が一新され、1968年4月13日ベルリン生まれという設定になっている。両親が登山事故で亡くなったところまでは原作と同様だが、その後にスコットランド郊外にあるスカイフォールを実家としてキンケイドに育てられた後に、オーベルハウザーという人物に引き取られ義兄のフランツと共に育ったという出生に変更されている。また、義兄のフランツと義父のオーベルハウザーは、皮肉にも登山中の雪崩事故に巻き込まれて死亡し、またも天涯孤独となってしまう。ドイツ系の義父に育てられた経緯からかドイツ語、『慰めの報酬』にてボリビアのホテルの受付とのスペイン語で会話するシーンが、また『スペクター』にてメキシコでテロリスト同士がイタリア語で会話するシーンを盗聴する描写があることから、多言語に長けている。『スカイフォール』ではアルコール依存症で引退を勧められ、復帰テストにもお情けで合格させてもらう、といった原作の人物像を多少反映したボンドということになっている。
「007」の呼び名

ジェームズ・ボンドには、任務遂行中は自分の一存で容疑者を殺めても不問にされる殺人許可証(いわゆる「殺しのライセンス」)が与えられており、「007」(00セクションに所属する7番の番号を振られたエージェント)のコードネームを持つ。

英語圏では、普通これを「ダブル・オー・セブン(Double O Seven)」と読む[注釈 2]。なお、映画『007は二度死ぬ』の劇中では、タイガー田中が「007」を"zero zero..."と発音しているシーンもある。

英語圏以外では読み方は様々で、ドイツでは"null null sieben"、フランスでは"zero zero sept、日本では「ゼロ・ゼロ・セブン」などと読まれることも多い[注釈 3]コカ・コーラ ゼロが『慰めの報酬』公開時にタイアップした時には、「zero zero 7」のデザインで日本を含む世界35か国以上の国々で発売された。
イアン・フレミングの小説

ジェームズ・ボンド 小説・短編小説シリーズ
James Bond Novel and Short stories
著者
イアン・フレミング
訳者井上一夫
発行日 イギリス
1953年4月13日 - 1966年6月23日
発行元 ジョナサン・ケープ
早川書房
ジャンルスパイ
イギリス
言語英語
形態上製本

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ジェームズ・ボンド



007 カジノロワイヤル

007 死ぬのは奴らだ

007 ムーンレイカー

007 ダイヤモンドは永遠に

007 ロシアから愛をこめて

007 ドクター・ノオ

007 ゴールドフィンガー

007 サンダーボール作戦

007 わたしを愛したスパイ

女王陛下の007

007は二度死ぬ

007 黄金の銃を持つ男


007号の冒険

007号/ベルリン脱出

テンプレート - ノート
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フレミングは銀行員、ジャーナリストなどを経て、第二次世界大戦中は海軍情報部とMI6で特別工作に携わっており、この経験を活かして007を書いたと言われる。

「ジェームズ・ボンド」という、英語圏ではやや凡庸な印象の強い名前は、戦前の活劇映画的な、華やかな印象の名を、フレミングが意識的に避けたものである。フレミングが愛読する鳥類研究書の著者の名から取られた。

フレミングの小説「007シリーズ」は1953年の第1作『カジノ・ロワイヤル』に始まって、フレミングが没する1964年まで書き継がれる。

当初はそれなりの評価を得ながらも、あまり売れなかった。そのため、フレミングは何度もシリーズを終了しようと考えるが、そのたびに映像化の話が出てきて、シリーズは継続されることになった。本格的に売れ始めるのは1950年代後半で、そのきっかけは、フレミングと縁があったケネディ米大統領が『ロシアから愛をこめて』を愛読書のリストの中に入れたことだった[注釈 4]

その作風は、従来のイギリスにおける主流であった重厚なリアリズムスパイ小説とは対極にあり、華やかで享楽的な設定の中で、アメリカのハードボイルド小説の影響を受けたシビアな暴力やアクションを描くものであった(『カジノ・ロワイヤル』はその好例である)。

しかし、やがて西部劇スペースオペラさながらの「悪役から美女を救い出す」凡庸なパターンにはまってしまった結果、1950年代末期以降の作品はマンネリ化し、誇大妄想的な設定が多くなった(1959年の『ゴールドフィンガー』など)。
影響

映画・コミックへの影響も非常に多大である。敵の手に落ちて拷問を受ける場面もこの種のヒーローとしては非常に多く、作家の小泉喜美子は『メインディッシュはミステリー』で「優雅なサディズム」と評している。

超人的なプレイボーイのスパイをヒーローとし、グラマラスな美女を配した「洗練されたマッチョイズム」の物語は大衆の嗜好に合致し、また冷戦状況下では、東側諸国を絶対悪に擬す安易な設定が濫用しやすかったことから、1950年代後半以降、膨大な量の007亜流の小説が世界各国に氾濫した。星新一は「悲しくなるほど安易な物まねで、関係者の頭脳ゼロを見せつけられる思いである」とエッセイ『きまぐれ博物誌』169ページで述べ、唐沢俊一五島勉の『危機の数は13』について触れた部分で以下のように表現した。おりしもそのころ、007シリーズの大ヒットによって世はスパイ・ブームまっさかり。日本でも模倣作がツクダニにするほど出回っており、とても国際的スパイがつとまるとは思えないスカスカ頭の色男を主人公に、銃と車と秘密兵器と裸のねーちゃんが出てきさえすれば読者は喜ぶ、と心得て(実際喜んだのだが)いいかげんに書きとばしたような三文小説が続出していた。 ? と学会 編 『トンデモ本の逆襲』 宝島社文庫170p、太字も原文ママ

石ノ森章太郎(当時のペンネームは石森章太郎)の『サイボーグ009』は「ゼロゼロセブン」呼称がタイトルの元なっており、名探偵コナンゴルゴ13、石ノ森の仮面ライダーにも影響を与え、少年時代の押井守も007ファンであり、ウルトラシリーズ第一作ウルトラQの音楽にも影響を与えている[3]


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