007_ムーンレイカー
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逆に『The Moonraker Sense(ムーンレイカーの常識)』『The Moonraker Plan(ムーンレイカー計画)』『Bond & The Moonraker(ボンドとムーンレイカー)』『The Moonraker(ザ・ムーンレイカー)』など、ムーンレイカーという語にこだわった対案をいくつも出して再考を促したのは編集者の方で、最終的にフレミングが説き伏せられる形で『ムーンレイカー』に落ちついた[1]

なお、このタイトルがどうかと思ったのはフレミングだけではなかったようで、アメリカで本書の初版が発行された際のタイトルは『Too Hot to Handle(熱すぎて手に負えない)』というものだった。
ストーリー

ジェームズ・ボンドは、英国の億万長者ヒューゴ・ドラックスがカードクラブでイカサマを働いているとの情報を得たMと共に、クラブへ向かうこととなった。ドラックスは第二次世界大戦中にイギリス軍兵士として従軍し、野戦本部が敵の破壊工作で爆破された際に重傷を負って健忘症に悩まされるものの、リハビリの後に退役して億万長者となった人物で、核搭載弾道ミサイル「ムーンレイカー[2]」を私費を投じて開発してその基地と共に国家に寄贈することを決め、偉大な国家的英雄と賞賛される紳士だった。

そんな彼がイカサマをやっている情報を掴んだMは疑問を覚えながらボンドと共にドラックスがいるクラブに赴くが、やはりドラックスはコントラクト・ブリッジでのイカサマ[3]で荒稼ぎをしていた。ボンドはさらなるイカサマ勝負を仕掛けてドラックスから大金を巻き上げるが、ドラックスの態度は相手を侮辱するうえ、まるで誇大妄想狂の変質者そのものという、国家的英雄らしからぬ無礼な男だった。

その翌日、ドーバーの断崖にあるムーンレイカー基地の保安主任が、色恋の刃傷沙汰で死亡する事件が発生。折しも来週の金曜日にはムーンレイカーを、核弾頭なしの状態で試射実験を行うことになっていたため、警視庁特別部とMはムーンレイカー開発を妨害しようとする何者かの工作があると判断し、ボンドを後任者として派遣する。ボンドは先んじて潜入していた特別部の婦人警察官ガーラ・ブランドと共に活動するが、やはり何者かに命を狙われることになる。

ところが、一連の事件の首謀者はドラックスその人だった。彼の正体は元ナチス親衛隊の生き残りドラッヘで、バルジの戦いにおいて特殊部隊を率い、イギリス軍に変装して破壊活動を行っていたが、イギリス軍の野戦本部を自動車爆弾で爆破した際に巻き込まれて重傷を負ってしまう。しかしこのおかげでイギリス軍に負傷兵として救助され、以後「ヒューゴ・ドラックス」と名乗ることとなった。ドラックスはナチス党率いるドイツを滅ぼした英国への復讐を遂げるため、長年の潜伏期間を経て英国の億万長者として名を挙げると、親衛隊時代の仲間とともに英国内にミサイル基地を開設。ソ連と手を結び、試射実験と見せかけてソ連から入手した本物の核弾頭をムーンレイカーに装備してロンドンを核攻撃するとともに、その混乱に乗じて株式市場で莫大な利益を上げる計画を立てていた。ムーンレイカーの発射まであと僅かと迫る中、ボンドとガーラは英国最大の危機を阻止しようとする。
出版

『007 ムーンレイカー』
井上一夫訳、東京創元社〈創元推理文庫〉、1964年、ISBN 978-4488138028

Moonraker Penguin Classics, 2004/06, ISBN 978-0141187563

脚注・参照[脚注の使い方].mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル 文学^ ただしフレミングは定冠詞 The を取っている。フレミングは本のタイトルに定冠詞を使うのを好まなかったようで、文法上どうしても The が必要な2つのタイトル(The Spy Who Loved Me と The Man With the Golden Gun)を別として、他には一切これを使用していない。
^ ドイツのV2ロケットをベースとしており、推進剤を液体水素フッ素に変更するとともに、ドラックスが独占供給しているコルンブ石を用いて精製した合金を使用した高燃焼温度に耐え得る液体燃料ロケット・モーターを使用することで、有効射程を大幅に延長した。
^ ドラックスは鏡面仕上げのライターで札を読み取るが、ボンドは7??のグランドスラムが出来るハンドを仕込んで配る。1965年の日活映画『黒い賭博師』では、そのハンドがそっくり使われている。

関連項目

ムーンレイカー (伝承)

外部リンク

007 ムーンレイカー
- allcinema

007 ムーンレイカー - KINENOTE

007 Moonraker - オールムービー(英語)

007 Moonraker - IMDb(英語)










ジェームズ・ボンド

 作品

映画

ショーン・コネリー

007は殺しの番号

危機一発

ゴールドフィンガー

サンダーボール作戦

007は二度死ぬ

ダイヤモンドは永遠に


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