007/私を愛したスパイ
The Spy Who Loved Me
監督ルイス・ギルバート
脚本クリストファー・ウッド
リチャード・メイボーム
原作イアン・フレミング
製作アルバート・R・ブロッコリ
出演者ロジャー・ムーア
バーバラ・バック
クルト・ユルゲンス
リチャード・キール
キャロライン・マンロー
バーナード・リー
デスモンド・リュウェリン
ロイス・マクスウェル
ジョフリー・キーン
『007/私を愛したスパイ』(ダブルオーセブン わたしをあいしたスパイ、原題: The Spy Who Loved Me)は、ルイス・ギルバート監督による1977年のスパイ/アクション映画。イーオン・プロダクションズ製作の「ジェームズ・ボンド」シリーズ第10作目。原作は、イアン・フレミングの同名の小説(『007/わたしを愛したスパイ』[3])。 本作はシリーズ開始15周年と10作目というメモリアルな作品であり、3度目の登板となったロジャー・ムーアの一番のお気に入りでもある。しかし、15周年記念というのはあくまでも結果論で、それまでは毎年、或いは一年おきに制作されたシリーズに初めて3年のブランクが発生した。 理由は複数あり、共同プロデューサー、ハリー・サルツマンの無断離脱(彼のイオン・プロの持ち株はブロッコリに無断でユナイテッド・アーティスツ(UA)に譲渡された)、ショーン・コネリーとケヴィン・マクローリーによる『サンダーボール作戦』のリメイク訴訟、前作『黄金銃を持つ男』の興行不振を理由にUAがムーアの降板を要求(元々UAはムーア起用に反対だったが、前作の失敗により、上層部からのムーア降板の声が更に高まった)、あらゆる意味でシリーズ初の完全オリジナルストーリーの構築。ブロッコリはこれらの障壁を乗り越えて完成にこぎつけた。 内容は秘密兵器とアクションを大掛かりにした、スペクタクル・アドベンチャーとしての魅力を全面に押し出したものとなった。第5作『007は二度死ぬ』の監督は本作の監督であるルイス・ギルバートであることから、敵の機材が米ソの宇宙船(本作では潜水艦)より大きく、吸収するような奪い方、両国を互いに疑心暗鬼へ追い込む、敵の首魁の基地内にプールがあり、人を襲う生物を棲まわせている、首魁のボディガードがボンドを上回る大男など、本作の設定に第5作『007は二度死ぬ』と類似性が表れている。とはいうものの、過去9作以上にヒットを飛ばし、ブロッコリの手腕と本格的なロジャー・ムーア時代の到来を世に知らしめることになった。本作で初期のコネリー時代のシリアスとポップのバランスの取れた作風からムーアの演じるボンドのコミカル路線に移行されたとも言われる。 本作から完全オリジナル作品となったため、従来の「Ian Fleming's ○○」から「Ian Fleming's James Bond 007 in ○○」とタイトルコールが変更され、現在まで続いている(『ムーンレイカー』は除く)。 音響はシリーズで初めてドルビーステレオで収録された。 核ミサイルを搭載したイギリス海軍の弾道ミサイル原子力潜水艦「レンジャー」とソ連海軍の弾道ミサイル原子力潜水艦「ポチョムキン」が突如消息を絶った。調査を命ぜられたボンド(ロジャー・ムーア)はエジプト・カイロへ飛び、そこで同じ目的でソ連が派遣した美しい女スパイ、トリプルXことアニヤ・アマソワKGB少佐(バーバラ・バック)と出会う。二人は現地の情報源に接触するが、謎の暗殺者から襲撃を受ける。 英ソの利害が一致したことからボンドとアニヤは共同で任務に当たるが、事件の直前、アバンタイトルでボンドに差し向けられ返り討ちにあったソ連の殺し屋は、彼女の恋人だった。「この任務が終わったら、あなたを殺すわ」とアニヤに言われたボンドは彼女と共にアメリカ海軍の原子力潜水艦に乗り込み、怪しいとにらんだ大富豪の海洋学者・ストロンバーグ(クルト・ユルゲンス)率いるストロンバーグ海運の大型タンカー「リパラス号」に接近する。すると怪信号による攻撃を受けて潜水艦の全機能が失われ、緊急浮上した潜水艦はリパラス号の船内に取り込まれてしまう。リパラス号の内部には行方不明だった英ソの潜水艦が係留されており、乗組員たちは船内の牢に監禁されていた。 ストロンバーグは強奪した原潜を使って米ソ双方を核攻撃することで核戦争を勃発させ、世界を壊滅させ海の世界を作ろうとしていた……。 本作のボンドガールはバーバラ・バック。彼女は60年代からモデル事務所のアイリーン・フォード・エージェンシーに所属し、セブンティーンなどのいくつかの国際ファッション雑誌の表紙に登場した。
概要
ストーリー
キャスト主人公のロジャー・ムーア
ジェームズ・ボンド - ロジャー・ムーア
アニヤ・アマソワ
カール・ストロンバーグ(英語版) - クルト・ユルゲンス
ジョーズ(英語版) - リチャード・キール
M - バーナード・リー
Q - デスモンド・リュウェリン
マネーペニー - ロイス・マクスウェル
ナオミ - キャロライン・マンロー
ゴーゴル将軍(ソ連) - ウォルター・ゴテル
カーター艦長(米海軍) - シェーン・リマー(英語版)
リパラス号艦長 - シドニー・タフラー(英語版)
グレイ国防相 - ジョフリー・キーン(英語版)
ハーグリーブズ海軍中将 - ロバート・ブラウン(英語版)
ベンソン海軍大佐 - ジョージ・ベイカー(英語版)
セルゲイ・バルソフ - マイケル・ビリントン
ホセイン - エドワード・デ・ソウザ
マックス・カルバ - ヴァーノン・ドブチェフ
ファケシュ - ナディム・サワラ
サンドア - ミルトン・リード
フェリカ - オルガ・ビゼラ(英語版)
ボンドガール